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カテゴリ:日々のできごと
なかなか更新できませんが、記憶が新しいうちに書いてしまおう、というわけで、今回は文化遺産の見学について。毎度毎度長文ですみません。
今回一緒に旅をした同僚のTさんは、一回りも下なのですが、特に年齢差を感じることもなく、価値観も近いので、行動を共にしていて非常に楽でした。 文化遺産の見学をしたい! というのも一致していたのがよかった。 今回見学したのは、「昌徳宮」「景福宮」「宗廟」の三か所。李朝時代の古宮ばかりです。 西大門独立公園など、日本統治時代を紹介している施設にも行きたかったのですが、今回は時間の関係で断念。いつか必ず行きたいです。 ●昌徳宮 さて、まずは、離宮として建てられたという昌徳宮←このリンク先の記事、かなりくわしいです! ここは、ユネスコの文化遺産にも指定されていまして、文化財保護の観点から、ガイドツアーに参加しないと見学できないとのこと。 前にも書いたように、エステと写真撮影の合間にかけつけたのですが、エステが思ったより長かったため、12時半からの日本語ガイドツアーには残念ながら間に合わず、A君に通訳を頼って韓国語のガイドツアーに参加しました。 ↑この配色が、韓国という感じです。 屋根の上に見えるのは動物で、この数が多いほど、宮殿のステータスが上なのだとか。 側室が住むところとして建てられた建物の一室(だったはず)。 この窓のかわいさに、思わずパチリ。 この部屋は冬用で、オンドルになってます。床下に炭をいれる所がありますよね? 秘苑と呼ばれる、歴代の王たちに愛されたお庭です。 ガイドさんに連れられて歩きながら、空を撮った写真。 ソウルはもうすっかり冬なのでした。 ●宗廟 こちらには、A君が連れて行ってくれました。 歴代の王、王妃の位牌が祀られています。ここもユネスコの文化遺産なのですね~。 ここは先祖が祀られているところなので、生きている王がいる宮殿より位が高いのだそうです。 今回は、A君が予約してくれて、日本語のガイドツアーに参加できました。 このガイドさんの日本語がまあうまいこと! 単に日本語で解説をしている、とうだけじゃなくて、日本のことをよく勉強しているな~、と感じさせる、非常に素晴らしいガイドをしてくださいました。 入り口からまっすぐのびる道。この真ん中は先祖が通る道、右は王、左は皇太子が通る道、と決められているのだそうです。 これは、祭祀の前に、王が身を清浄にするところ。先ほど三つに分かれていた道が、ここでは一つしかなく、王専用であることがわかります。 これが位牌が祀られている正殿です。屋根の漆喰が美しいですよね。 ガイドさんは女性で、韓服を着ていましたが、防寒用の上着(トゥルマキ、と言うみたいですね)がとってもかわいかったのです。 袖は和装コートに似た形状で、裾はチマチョゴリに合わせて広がっていました。袖口や前立て、裾に控えめな刺繍が施してあり、これがとっても私のつぼにはまりました。 一緒に写真を撮ってもらったのですが、これじゃガイドさんの着ている服はわかりませんね ●景福宮 いよいよ、李朝の正宮だった景福宮です。 ここは、A君の授業に行く直前に立ち寄ったこともあり、全てを見て歩く時間はありませんでしたが、さすがは正宮、離宮である昌徳宮と比べると、全てが大きくて壮麗でした。 宴会に使われたという、池の中に建つ慶会楼。池で舟遊びも楽しまれていたそうです。 これは……確か宮廷の中心の勤政殿だったはず(違ったらすみません) 今回大変にお世話になったA君と。 帰りに興礼門を通ると、今から衛兵交代式?がある、とのことで、近衛兵(に扮したお兄さんたち)がスタンバイしていました。 赤い服を着ているなかで一番左に立っている人が、明らかに立ったまま居眠りをしていたのがかなり笑えました(笑) ●●● 今回、これらの古宮を見学して感じたことをいくつか。 ・韓国建築の美しさに感動。私の乏しい経験を通していうのもなんなのですが、北京の故宮のような豪華絢爛さはなく、でも日本の建築物に比べると明るい彩色がされている。 同じように中国文化の影響を受けてきた韓国と日本ですが、中国の文化は韓国を経由して日本に入ってきたことを思うと、この類似と差異も頷けるような気がしました。 ・この三つの施設、全てにかなり詳しいカラーのパンフレットが置かれていたのですが、それのどれにも、豊臣秀吉による「文禄の役」と、1910年の韓国併合に始まる日本の支配について触れられていました。 二つの宮は文禄の役で消失しているし、20世紀の日本支配の時代にも破壊されたりしています。 日本は実に、大きく二度に渡って韓国の文化遺産を破壊しているんですね…。 美しい建築を見上げ、その造形美に感嘆しながら、「『平和』のためには、『文化』と『教育』が大事」と言われた、母校の創立者の言葉を思い出していました。 こういう優れたものを作り出す「文化」そのものに対する畏敬の念があれば、「戦争」という野蛮を理由にして、破壊することはできないだろう。 そもそも、「戦争」を起こそう、という気持ちさえ起こらないかもしれない。 私が日々接している生徒たちは、「文化的なもの」に対する感受性をどれぐらい養っているか、と思うと、はなはだ頼りないものがあります(^^; 文学でも、音楽でも、美術でも、そういうものに心震わせる体験を、どれだけ若いときにさせてあげられるか。 「文化を愛し、慈しむ心」の育成が、「他の文化を尊重する心」の育成につながっていくのではないか。 それって、実は「平和教育」そのものではないか……などということを考えさせられました。 文化を愛する人間の一人として、短い旅の間に接する人々に、精一杯誠意をもって接していきたいな、としみじみ思いました。 そんな心で臨んだ(つもり)の学生との交流は、次回の日記で! よかったら、もう少しおつきあいくださいね~♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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