(写真は、夫が以前使っていた目覚まし時計のかたつむり君です。
我が家にはなぜか目覚ましが計6個あるので、かたつむり君は電池が切れたというだけの理由で長いバカンスに突入してしまっています。
ちなみに、ねぼすけのディノが目覚ましに合わせて起きる姿はほとんど見た事ありません・・。
彼が帰ってきて「観察日記」が溜まってしまったので、彼に関する事はしばらく日にちがズレたまま進みます。)
ディノが無事帰ってきました。
うれしいです♪
ディノがパリに戻ってきた翌日、私は用事があり久しぶりに早起きしなくてはなりませんでした。
居間でコーヒーをすすった後、着替えを取りに寝室に戻りました。
ディノが寝ているところをじーーーーっと観察してみると、気配で起こしてしまった様です。
ディノはねぼけまなこで私に
「Ma puce(マ・ピュス=私のノミちゃん)」
と言いました。
この、直訳すると「私のノミ」という意味になってしまう「Ma puce」という表現、日本人の私達にとっては理解不能ですが、フランス人にとっては「ハニー」とか「ダーリン」と言った意味合いの言葉なのです。
ディノはふだん「Ma Cherie(マ・シェリ)」を使う事はあっても、「マ・ピュス」は使いません。
私にとってはしっくり来ない表現だという事を知っているからかもしれません。
でも何故か、この時は「私のノミちゃん」と言ってきました。
蚤扱いされた私は、どうしても嬉しくありません。
なので
「Mon chou(モン・シュ=私のキャベツちゃん)」
と呼び返してあげました。
(「私のキャベツ」というこの表現も、フランス語では何故か愛情表現になっているのです・・。)
それから、ノミとキャベツだったらキャベツの方がマシだから不公平だなと思い、悔し紛れに思いつきで
「Mon pou(私のシラミちゃん)」
とも言ってやりました。
いかにも、プール通いが定着しつつあるものの、まだシラミへの恐怖心が抜けない私らしい言葉です。
・・・・すると、驚いた事にディノが
「そうそう!フランス語には『私のシラミ』っていう表現もあるんだよ」
と言うではないですか!
「『ノミ』を使った愛情表現があるなら、『シラミ』を使った愛情表現があってもいいはず」
と思ったのは、私だけじゃなかったのですね!
滅多に使わない表現なので知りませんでしたが、ひとつ勉強になった(?)朝のひとコマでした。
暗がりの中だったのに、夫には私の驚いた顔が見えたのでしょうか?
面白がって
「日本語では『pou』の事を何て言うの?」
と聞いてきたので
「『シラミ』だよ」
と教えてあげました。
そう、ディノは日本語が話せないものの習っていた事もあるし、興味だけはシンシンなのです。
それから50分後、身支度を終えた私は靴を取りに寝室に戻りました。
するとまたもや私の気配で起きてしまったディノが、今度は日本語で話しかけてくるではありませんか!
「イッテラッサイ。シ・・シ・・シラミチャン」
と・・・。
どうもこの出来事はディノにとっても、『シラミ』という日本語を知る勉強になったみたいです。
ちょっぴりどもっていたのがおかしかったけど、寝ながらだったのに、よくもまぁ新単語を覚えていたねぇと感心してしまった私でした。