テーマ:ノンジャンル。(2210)
カテゴリ:シネマテーク・フランセーズ
写真はシネマテーク・フランセーズが配布している、シドニー・ルメット特集と増村保造特集のミニカタログです。 このカタログのおかげで、増村保造特集が映画を愛してやまなかった故人に捧げられている事を知り、胸がいっぱいになりました・・。) 私たちが慌てて最前列に座り込んだ時、ちょうどオープニング音楽が終わりました。 この映画は30年代のアメリカを舞台に、大学を卒業した(確か)8人グループの女の子達の群像劇。 オープニングは卒業式の様子を見せるものだったので、見逃しちゃったけどたぶん大丈夫だな、なんて思っていました。 ところが、甘かった・・・・映画を観始めてすぐに、オープニングを見逃したなんて事よりも、何倍も何倍も大変な、ある事態に気づきました。 シネマテークは非営利の映画館で、有名なものから忘れ去られたものまで様々な作品を見せてくれます。 誰もが知っている様な大作ならいざ知らず、珍しい作品を上映するために外国からフィルムを借りる事もある訳です。 すると、ひとつ問題が生じます。 そう、フランスで上映したい外国映画に、仏語字幕がついていないのです! かといって、たった一・二度しか上映しない予定の、しかも借り物のフィルムに、仏語を打ち込む訳にはいきません。 この話はもちろん、シネマテークに限った事ではありません。 近年になって、レアな映画を頻繁に上映する事の多いパリ日本文化会館は、画面よりも少しだけ下に(スライドか何かで)仏語字幕を映し出せる装置を入手しました。 たまーにタイミングがズレる事もありますが、この機械のおかげで(訳文さえ用意すれば)フィルムに傷をつけずに仏語字幕を添える事ができるのだから、大助かりです。 数回しか見た事はなかったものの、こういった装置はもちろん旧シネマテークにもありました。 日本文化会館にある、事前に全てをプログラミングしておける装置とは違い、字幕を出したり消したりする作業をネイティブの人が手動で行っていた為、タイミングがメチャクチャでひどいものでしたが・・・。 (そんな字幕で韓国映画を観てしまった日には、どれが誰のセリフなのかを考えながら理解を進めていかなくてはなりませんでした・・・。) さて、新生シネマテークのヴァーチャル字幕はどうだったかと言うと・・・・さすがに字幕表示のタイミングを手動で行う事はなく、大方の字幕がセリフに合ったタイミングで出てきてくれました。 ただ絶望的だったのは字幕がとても小さく、しかも画面よりもかな~り下に付いている事でした。 一列目に座っていた私達の両目は上下にフルで動いて、字幕と画面の間を行ったり来たり・・・・。 映画の始めでは女の子達大勢が集まっていたのですが、セリフを読むのに忙しすぎてひとりひとりの顔を見れず、誰が誰なんだかちっとも分かりませんでした。 ガマンしてガマンしてガマンした後、時計を見るとまだ20分くらいしか経ってない! この作品は2時間半という長いもの。 どんなにつまらない映画でもついつい最後まで見てしまう私ですが、今回はさすがにムリだと思いました。 荷物を握り締め、忘れ物がないかを頭の中で確認し、ディノにも「私はもう出るよ」と報告し、いつでも退室できる体勢を取りました。 でも・・・映画自体はなかなか見応えがあるものだったのですね。 いっぺんに全員が画面に出てこない様になってからは何とか観られる様になり、私も結局最後まで残っていました。 はぁ~・・・それにしても本当に疲れた・・・。 目を上下運動させていたのもあるのかもしれないけれど、字幕の文章もいつになく長く感じられ、最後まで読みきれないうちに次の字幕に変わってしまった事も多々あったし、シネマテークのヴァーチャル字幕は今後できるだけ避けたいなぁと思いました。 でもプログラムを見ると「仏語字幕あり」などの表示はあるもののそれ以上の情報はなく、果たしてそれが「普通の仏語字幕」なのか、それとも「ヴァーチャル仏語字幕」なのかは分からないので、これからは私にとって字幕の不要な日本映画と仏語映画しか観ない事に決めたのでした。 予定外に長い映画を観て夕食をとりそこなってしまったので、モンパルナスにあるステーキチェーン「イポポタミュス」へ。 ここは夜中の2時ぐらいまでやっているので安心です。 (モンパルナスに住んでいない私達の場合、終電が心配だけど。) このチェーンに2人で入ったのは「初めて」だったけど、レベルが10年位前に比べて格段に落ちているよね、というのが共通の感想になってしまったので、「最後」にもなってしまいましたとさ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.10.19 01:58:56
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