(写真はシャイヨー宮の、トロカデロ広場から見て左側の建物です。
懐かしの旧シネマテークは、この端っこにあったのです・・・。)
増村保造特集の存在を知ってから、夫は毎日新しいシネマテークに通っています。
毎日2・3本かかるのですが、それをできるだけ全部観ているのです。
日本映画のフェスティバルがあるといつもそうなのだけど、今回も映画を観にいくのが最重要の日課になってしまった様子。
そんな彼なので、友達と夕食をとれるのが(増村保造のかからない)月曜と火曜限定になってしまいました。
私達はもともとそんなにしょっちゅう人と会っている訳ではないので(私達は、気付けばいつもあっと言う間に一週間が過ぎている、どんくさい夫婦・・・)、これは大した支障ではありません。
でも2人で
「今度○○さん達に会いたいね」
という話をしていると、いつも最後に
「月曜か火曜限定でね」
という注意事項が加わるので、ちょっと鬱陶しく思う事もあります・・・。
ここ数年そんな夫を見ていて
「この人はいつか友達を失うんじゃないの?」
と思った時もありましたが、どうやら大丈夫みたいです。
だって彼の昔からの友達はみんな、ディノがこういう人だっていう事をよく知っているから・・・。
それにディノは自分が食事とかに付き合えない代わりに、率先して友達を映画に誘うんです。
ここ最近よく聞いたのは
「○○に電話しなくっちゃ!」
という言葉。
類は友を呼ぶとはよく言ったもので、ディノの友人知人には、日本映画好きが結構居ます。
(日本映画のフェスティバルで隣の席に座ったのをきっかけに友達になった人も居るしね。)
それで使命感(?)にかられて、映画祭の事を教えてあげているみたい。
こんな夫には慣れているつもりの私でしたが、この間はとても驚きました。
「風邪をひいて気管支がやられかけてる!」
と騒いだディノは近所のドクター・Gの診察所に出かけたのですが・・・・後で聞くと、なんとドクターにも増村保造特集の話をし、シネマテークで配布されているパンフレットを置いてきたそう。
おまえさん、何しにいったのじゃ!
と叫びたくなるのをこらえた私でした。
そんな雑談ばっかりしているから、いつも健康上の大事な質問をしてくるのを忘れるんじゃないの?
ねぇディノ・・・。
ここのところ妻は、あなたが残した留守電を聞いたお友達からかかってくる電話や、逆に、あなたに増村保造特集の存在を教えようとしてくれる知人からの電話への応対に追われております。
別件で電話した人にまで、映画祭関連のあなたへの伝言を頼まれるし。
でも全員に
「主人は全作品を観ようと頑張っているので、シネマテークに行けば会えますよ」
と応答していますので、ご心配なく。
あと一つ気になっている事があって・・・私は自分が持って帰ってきたパンフレットの表紙にきちんとローマ字で自分の名前を書いておいたのに、なぜか見つからないのです。
「まさか、私のサイン(?)入りのパンフレットを誰かにあげたりしていないよねぇ?」
と思いつつ、聞きそびれている私なのでした・・・。