テーマ:★留学生活★(629)
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(昨日の続きです。)
ソフィーと一緒に横広の入り口ホールに足を踏み込むと、目の前には数々の机が重なりあって出来た一見立派なバリケードがあった。 その前に陣取っている学生は3人くらいしか居なくて、大男数人が本気を出せばさっと解除できそうにも見えたけど、私達にはそんな力もなければ、もちろん気力もない。
どうやって中に入るつもりなのだろう、と引き続きいぶかる私。 その間にもソフィーがバリケードの右側にだるそうに座って居た女の子に声をかけ、自分も私も校舎内で友達と待ち合わせをしているから中に入れてほしいと伝えると、その女の子は体を動かし、自分の後ろにあった机を幾つか移動させて(よく見ると、この辺りだけ机が重ねられていなかった)私達を校内に入れてくれました。
・・・・あっけなさ過ぎて、正直拍子抜け。 身元の分からない私すらこんなに簡単に入れてくれるのなら、なんでわざわざバリケードを作ったのだろう? ちょっと前までは、あの役立たずな机の山にも何かの意義があったのかしら?
ソフィーと別れて、映画学部の事務室に向かってみる。 人が少ないものの、廊下はいつもとほとんど変わらない。 途中、M教授とすれ違う。 なんだ、教授達も出入りできるんだ。
えらく静かな事務室に入ってみると、私がいつも唯一頼りにしている事務員Aがいつもの位置に座っている。 ・・・・・なんなの、これ? テレビで見る学生のストってすっごく激しかったのに! 授業が無いだけで、その他の事はいつも通り行われていたりするんだね。
その時Aに教えてもらったスト状況は(実はどうでもいいと思ったせいか)もう覚えていないけど、ソフィーと言い、校内に入れてくれた女の子といい、M教授やAのいつも通りの雰囲気といい、あのあっけらかんとした様子を見た時は本当に驚きました。 まぁきっとその時分にも、サンミッシェルのソルボンヌ本校舎やジュスィウー《Jussieu》にあるパリ第7大学の巨大校舎では激しい攻防があったのでしょうけどね。 (ここはどうせ、どうでもいいボロ校舎だから・・・・幸いといえば幸いだけど。)
結局(もちろん?)昨日の日記の最初に書いた通り学生ストには不参加のままで終わったけれど、テレビで見た映像との激しい温度差を目の当たりにして良くも悪くも拍子抜けした、留学生生活最後の年でした。
《写真はセーヌ越しにミラボー橋近くから見た、近代的な建物群です。この辺の空にはたまにアドバルーンが飛んでいます。》 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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