テーマ:フランス語のお勉強日記(433)
カテゴリ:ランダム読書
前々からこのブログで私は、主人の性格がパンクポンクみたいだと書いたり、
彼のおかしな写真をアップしたりしてきたけれど、そんなディノも友達からは一応「インテリ層」というジャンルに入れてもらえている模様。 まぁ哲学書や詩集も含めてたくさんの本を読んでいるし、顔つきもよく見ると険しいんだもん。 それに若者文化が好きな様でいながら、ラップとかを聞くと瞬時に顔をしかめる頑固オヤジなところがあるし。 たぶんそう「見える」よね、うん。 (実際のところどうなのかは私には測定不能ですが。私自身に判断能力がないので・・・。) そんな彼がある日、妙にキッチュな表紙の本を読んでいたので驚いた。 (表紙をおさえた私の小指がなぜか、有り得ないぐらい細く写っていてキモチ悪い・・・。ごめんなさい。) 一体なんなの?このジャンクな表紙! 頑固オヤジのあなたが毛嫌いしそうなタイプの通俗小説なんじゃないの? そう思って聞くと、ディノはとっても嬉しそうに 「この本、やめられないんだよね。 ひとつひとつの出来事がすごく緻密に生々しく描写されていて」 と言った後、冒頭のカブ(野菜のね)を巡るやりとりについて話してくれた。 私も読んでみると、1930年代のアメリカ南部に住む「プア・ホワイト」と呼ばれる貧しい白人達の暮らしを描くこの本は、彼らの貧しさやそこから生ずる動物的な生活がとても衝撃的で、スイスイ進んでしまった。 誰にでも勧められる本ではないけど、私には思いもよらなかったアメリカの暗い部分を知る事のできた貴重な経験だったと思う。 その後、今度は同じくコールドウェルの「神の小さな土地」も読んだ。 こちらも同時代の同じ階層の人々の事を描いていて、ある一家を中心にストーリーが進んでいく点も「タバコ・ロード」と一致している。 (しかも、両家族の苗字が同じだった気がするのだけど・・?) 父親像がかなり違うので、カラーはかなり異なっているけれど。 この2作の中では「タバコ・ロード」の方が先に書かれたらしいのだけど、「神の小さな土地」の方が長くてストーリー性があるので、読む順番としても「タバコ・ロード」を先にして正解だったと思う。 私は「コールドウェル」の名前を聞いた事がなかったけれど、ディノに言わせるとこの作家はヘミングウェイよりも多くの本を売り上げた時期もあったらしいです。 (当時の人々にとっては)センセーショナルな描写もあるために、本が出たときは相当の非難も浴びたそうだけど・・・。 この2冊は本としても読み応えがあったのだけど、フランス語の勉強にも役立つなぁと思いました。 というのは「繰り返し」がとても多いからです。 「タバコ・ロード」に出てくる一家の主のジーターにも、「神の小さな土地」の家長のタイ・タイにも、それぞれに頑固な信念があるのですが、コールドウェルはその2人の考え事を何度も何度も描写しています。 なので知らない単語が出ててきても、その都度電子辞書などを使って調べていけば、本を読み終わる頃にはたくさんの単語力がついているのではないかと。 (でも私は分からない単語が出てきても調べずにそのまま読んでしまったので、そんなに頭に残っている単語はありませんが。今思いつくのは「le guano」という単語だけで、その意味は「肥料」だから、これを使う日が来るのかは不明だし・・・。) 語学の勉強という意味でも、原作を味わうという意味でも、もちろん原文で読めば一番いいのでしょうが、英語で読む根性はない上、家にちょうどフランス語版があったのでこういう事になってしまいました。 それでも英語とフランス語と日本語の3言語を比べると、英語とフランス語が一応文法的には近いと言えるので、日本語で読むよりは良かったかもしれないななんて思っています。 どちらも映画化されているので観てみたいです。 両作品ともストーリーが原作とは少し異なっているらしいので、観ても不満が残るかもしれませんが・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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