テーマ:本のある暮らし(3313)
カテゴリ:ランダム読書
前回コールドウェルの本について触れた時、文全体が長くなってしまって書ききれなかった事を今日はアップします。
夫の持っていた「タバコ・ロード」の表紙はとてもキッチュ。 「こんな本持ち歩いていて、ちょっと恥ずかしかったりしないの?」 と冗談めかして聞くと、ディノは 「このおかしさがいいんだよ。もしかしたら初版かもしれないし」 と、言います。 しかもしばらくしてからセーヌ沿いのブキニスト(古本商の屋台みたいなお店)で、これまた古臭い装丁の「神の小さな土地」を買ってきました。 本の後ろの方を見るとディノの「タバコ・ロード」は1963年、「神の小さな土地」は1955年に印刷されているので初版という事はないと思うのだけど、2冊とも、表紙だけでなく背表紙からも、現在とはずいぶん習慣の異なった時代に発行された事がよく分かります。 普通は本の背表紙といえば、こんな風に 著者の写真と作品紹介が書いてあったり(これは前述の2作と同じく「Le livre de poche」シリーズから1990年に出たものです)、それともこんな風に 表紙から繋がる絵が描いてあったり(これは1963年に同シリーズから出ているもの。この本も古いですね・・・)するのがありがちだと思うのに、ディノ所有のコールドウェル2作品ときたら、こんななんです。 写真左の黄色い背表紙が「タバコ・ロード」のもの。 「この壮大さは否定できない(意訳)」という、批評から持ってきたらしい一句とそのソースだけが、でかでかと印刷されています。 その隣に写っている「神の小さな土地」の背表紙はというと、左の枠の中に作品の紹介、右上にコールドウェルの肖像、そしてその下には「これまでの600万人と同じく、あなたもこの本を好きになる(意訳)」という宣伝文句が筆記体で書かれています。 うーん、なんだか古臭い! 確かに面白いね この2冊は中の紙が相当黄ばんでいて、電車で読んでいると横に座ってきた小さな男の子が不思議そうに私の開いているページを「じーっ」と眺めてきた事もあったぐらいなのだけど(横に立っていたお父さんは「こら、やめなさい」ときまり悪げに繰り返していた)、まぁよしとしましょう。 ようやくコールドウェルが終わったので、今度はディノの友人マルク・コベールがプレゼントしてくれた本にかかる事にしました。 日本に6年住んでいた彼の書いた「L'archipel des osselets」、訳して「小骨列島(?)」は、日本人の「オガタ警部」を主人公に据えた小説。 字がすごく大きい割にボキャブラリーがコールドウェル作品よりもややこしいけれど、マルクの日本観も探りつつ楽しみたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.12.12 21:48:01
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