テーマ:最近観た映画。(39830)
カテゴリ:アメリカ映画('80&'90)
今日はなんと・・・・フィルモテック・カルティエ・ラタンでずっとずっと念願だった「ザッツ・エンタテインメント PART3」(1994年・バド・フリージェンとマイケル・J・シェリタンが監督)を観てきました。 ミュージカルが好きな割に全然詳しくない私なので感想を書くつもりはなかったのですが、映画が素晴らしく、そして私なりに考えるところがあったのでメモしておく事にします。 (最近やたら忘れっぽくなってきた事だしね・・・。) MGMの設立70周年を祝って作成されたこの作品は、30~50年代のミュージカル映画のハイライトシーンと、それを回想するかつてのスター達の映像、そして幾つかの未公開映像から構成されています。 この作品、今までにも日本のテレビでチラッと目にした事があったものの最初から最後まで通して観た事がなかったので、今日はドキドキしながら出かけました。 週に1回しか上映されていないので 「もしも満席で入れなかったらどうしよう・・」 なんて、自分の期待度を万人の嗜好に当てはめてハラハラしていたものの、着いてみると観客は30人くらい。 客席の半分も埋まっていない感じかな。 高齢の方がいつもより多かったです。 中学生の女の子を連れてきているおじいさんも居ました。 聡明そうなその子はお孫さんでしょうか? 微笑ましい・・・。 さて、この作品には予想通り、大満足 私の場合ミュージカル映画の途中でちょっと飽きてきちゃう事もあるのですが、ハイライトや回想話がメインのこの作品はもちろん別! ダンス映像から一瞬も目が話せず、字幕を読むのが鬱陶しいくらい・・・だけど、話の内容を知りたい・・・というジレンマと何度も戦っていました。 それに、ちょっと待たされましたが後半になってようやく私の夢が叶いました! 私の夢、それは、フレッド・アステアのダンスを映画館のスクリーンで見る事だったのです。 中学生の時、母がNHKで放送された彼の出演作品をビデオ録画していたのをきっかけに「トップ・ハット(1935)」、「踊らん哉(1937)」、「スイング・ホテル(1942)」、「イースター・パレード(1948)」を夢中になって観ました。 (でも今となっては、どれがどういう内容だったのかほとんど覚えていませんが・・・。) それからタイトルや共演女優に惹かれて「足ながおじさん(1955)」と「パリの恋人(1957)」も観た私にはいつしか、アステアのダンスを大スクリーンで観るのが夢の1つになっていたのです!! まず最初に「イースター・パレード」の会話シーンが出てきた時は 「え、アステアってこんなに老けてたっけ?」 と内心がっかりしたものの、ダンスが始まると、もう感動!! トシなんて一切感じさせない、キレがあって繊細なダンスにうっとり この映画を観て良かった事はたくさんあるのですがもう1つ挙げるとしたら、今まで敬遠していたジーン・ケリーのダンスを沢山観る事ができ、その魅力に気づけた事でしょうか。 アステアに比べると筋肉質でどうしても線の太い彼は優美さに欠けるイメージが常に優先していたのですが、映画の最初の方で床にある新聞紙を相手に一人で踊るシーンを観て、もうすっかり魅惑されました。 その後ジーン・ケリーをずーーっと観続けて思ったのですが、彼、女性と全く同じフリで踊るのが向いていないんですね、きっと。 彼の持ち味はその豪快さにあるのに、女性と同じ量しか動けないんじゃ魅力半減。 女性にひけをとらない優美さを誇るアステアとは違って、ジーン・ケリーはどうしても「しなやかさ」では女性には叶わないのだしね。 ジーン・ケリーの魅力に気づけた今もう一度、どうしても好きになれなかった「巴里のアメリカ人(1951)」や、あと一歩ピンとこなかった「雨に唄えば(1952)」を見直したいなぁ。 その他にも、私が今まで何度もちらっと見て気になっていた水泳の女王みたいな女優さん(エスター・ウィリアムズという名前だそうですね)が、このキャリアを築く事になったきっかけを話してくれたのでようやく謎が解けてスッキリできたり、ジュディー・ガーランド(王道ですね・・・私)の漠然としか観た事のなかったダンスを再確認できたのが、嬉しかったり。 ちなみに、私にミュージカル知識がないため観ている途中で「いま回想をしているのは誰なのか」とか「この踊り手の名前が何だったか」などが何度も分からなくなってしまいました。 トーキーの出現後に発明されたミュージカル映画の歴史もたどらせてくれるこの作品はミュージカル入門書とも言えるのだけど、実は上級者向けなんだな~と実感。 次の上映は1月1日なのでもう一度観ようかなと思いましたが、こんな直後に2回目を観ても今日ほどの感激は得られない気もするのでしばらく寝かせておこうかなとも思ったり、「映画を観直すタイミング」についても考えさせられた作品でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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