テーマ:★留学生活★(629)
カテゴリ:留学記・留学関連の話
来年も、次学年にあたるメトリーズで留学生活を続けようと決めた私。 ほとんどの文系学部のメトリーズでは、最後に論文を提出する事になっています。 なので、もちろん今回も1年前の様に「願書を入手して提出する」という事務手続きを行わなくてははならないのですが、それに加え、論文のテーマを決めて指導教授を見つけるというステップも踏む事になります。 (後になって、学校によってはメトリーズの学年度が始まってから指導教授を探してもいい事になっていると分かったのですが、当時の私は 「何が何でも、新学年が始まる前に指導教授を見つけておかないといけない」 と思い込んでいました。) もしこの大学に残るとしたらどの教授について何を書こうかななんて思っていたある日、解決策(?)が向こうからやってきました。 いつもにこやかな社会学の教授が講義中、長々とマルセル・カルネの「天井桟敷の人々」について論じていたのです。 これはいけるかも 実は私の日本の大学での卒論テーマは「天井桟敷の人々の背景と源泉を巡って」でした。 その大学では映画学部に在籍していた訳ではないのだけど、この曖昧なテーマが受理されたのを幸いと何度もビデオを観、日本語・仏語・英語で書かれた本を無理矢理読み、とにかく長々と書き連ねていったのです。 作品自身の映像が素晴らしくてただ美しいだけでなく1つ1つに意味があり、シナリオが秀逸で作中人物と役者のコンビネゾンにも興味深いエピソードがあったり、またたとえば登場人物の「舞台」に対する姿勢を比較するだけでも発見が盛りだくさんだったり、撮影当時の状況と映画を比較すると隠れたメッセージが込められていたり・・・・・映画が奥深かったので調べたり考えたりするほど謎が沸くところもあったものの、その重厚さに助けられてとても楽しく論文を書けたのが記憶に残っています。 いま目をやると髄分と輪郭がぼやけているなぁという感じですが、急いで作成した割には(当時の)自分としては勝手に納得できるぐらいのものにはなっていました。 「この先生は親切だし、『天井桟敷の人々』についての論文を書けばゼロからのスタートにはならないで済む」 と思いついた私はその次回の授業が終わった後、教授に来年は論文指導をしてほしいとお願いしました。 すると先生はいつも通りにっこりしながら 「いいですよ」 と即、良いお返事を! 今と同じ大学に居続ける訳だから事務的な手続きも簡単だろうし、論文テーマの大枠も指導教授も決まったし・・・と安堵した私は、その同じ先生に数ヵ月後、全く違う方向のお願いをする事になるとは思ってもみなかったのでした。 (続きます。) 投票(をクリック)していただけると嬉しいです。 人気ブログランキングへ 上の写真は本文とは無関係で、パリのシテ島(Ile de la Cite)にあるメトロの入り口と、植物を売っているマルシェ(?)の屋台です。 滞在許可証更新の為に訪れた警察庁は、このちょうど真向かいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.02.05 07:40:05
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