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映画大好き夫婦のパリ新婚日記

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2008.02.13
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カテゴリ:主人の肖像
市川崑監督が亡くなりました。

今思えばここ数年のパリでは意外なほど市川崑の作品を観る機会が多かったし、私と主人が仲良くなるきっかけも2003年の2月にパリで行われた市川崑特集でした。

今からちょうど5年前の日々を、ちょっとだけ振り返ってみたいと思います。
(ちなみにこれは、今書きかけの留学時代の回想《つまり、留学1年目が終わろうとしていて、パリの大学に編入しようとしているところ》の翌年の事です。)





その頃パリ日本文化会館では80年代・90年代の日本映画特集が組まれていました。

念願叶い、文字通り「手探り」ながらも字幕と吹き替えについての論文を準備し始めた当時の私は、少しでも多くの日本映画を観ようと決めていたので、1月28日を皮切りに毎日2本の映画を観に、日本文化会館へ通っていました。

この特集の事を教えてくれた友人ダニエルと鉢合わせすると、上映後に意見交換をする事もしばしば。

2月6日に是枝裕和の「ワンダフルライフ」(1998)を観た後もそうでした。







作品に満足した私とダニエルがエレベーターを地上階で降りると
「ダニエル!」
と呼ぶ声が。

その主は、大きな体をでっかい黒コートに包んだ、伸び放題の髪の毛がボエームな感じの男・・・つまりはディノでした。

簡単な自己紹介をした後に、ディノが一緒にいた日仏ハーフの青年も交えて4人で会話をしたところ、ディノが日本に対してとても興味と情熱を持っている事が分かりました。

「大声で夢中になって喋って、面白い人だな」
と思いつつ、少々呆気に取られる私。

でも割と好印象を受けました。





途中でディノが
「今夜は『カルチェ・ラタン』にコン・イチカワの映画を観に行くつもりなんだ」
と言った時、私は少し驚きました。
(映画館「カルチェ・ラタン」についてはこちらに書きましたので、どうぞ。)

実は私もその市川崑特集はチェック済みで、その夜早速「ぼんち」を観る気マンマンだったから。

「私も観るつもりなんですよ」
と言ったものの、22時の回まではまだ何時間もあったので、私は家に帰ってから出直す事に。





時間はたっぷりあったはずなのに、夕食を食べてから映画館に向かうと到着が上映開始ギリギリになってしまいました。

入り口で急いでチケットを買い地下にある上映室に走ると、昼間に出会ったディノが私に気づいて手を振ってくれたので、そちらに向かいます。

私が移動する最中にも部屋の明かりがスーッと消えていったので、ディノと同じ並びには座ったものの会話らしき会話はしないうちに映画が始まりました。








1960年のこの作品は市川雷蔵演じる「ぼんち(「ぼんぼん」と同じ意?)」の主人公の一見華やかな女性遍歴を中心に進んでいきます。

以前にも書いたけど・・・この翌年に増村保造が撮った「好色一代男」と途中の経過がかなり似ているのよね。

役者も私が今思いつくだけで市川雷蔵、若尾文子、中村玉緒、あと一応船越英二がかぶっているし。



そういえば、ディノが夢中の若尾文子を私が知ったのもこの時でした。





「ぼんち」は途中でちょっと長く感じられたけど、豪華なキャストのおかげもあって見応えのある作品。

満足した私はその翌日以降も「炎上」(1958)





「鍵」(1959年)





「破戒」(1962)





「雪之丞変化」(1963)



を観ました。

ほとんど毎回、ディノと一緒に。

後に私が「時々よく分からない作品を作る」と思うに至ってしまう、作品の完成度にムラのある市川崑だけど(すみません・・・)、この時に観た映画はどれも濃密な人間関係を描いていて良かったです。

個人的には「破戒」がとてもスジの通った作品だったのと、身近に居る人の事を考えながら、つまり感情移入しながら観たのとで、1番よく覚えている・・・かもしれません。





実は当時はディノと恋愛をする日が来るとは思っていなかったけど(ごめんね)、2人で何度も「カルチェ・ラタン」で会ううちに、彼のとにかく誠実で優しく面白いキャラクターがとても気に入ってきたのは確かです。

日本文化会館の「80年代・90年代映画特集」のおかげで(ダニエルの他にも)ディノと共通の知り合いができたし、実はこの2つの映画祭は結婚へ向けてのとても控えめな序章だったのかもね。

長くなりましたが・・・こういう訳で「ぼんち」は私達にとって、「『初デートの、特別な思い出のある映画』として君臨すべき作品」なのです。

当時何も考えていなかった為、この思い入れは思いっきり後付けでけど・・・。





おまけ写真です。

080213a

これはディノが当時、自分の予定を書くために自宅で使っていたボード。

「2月7日22時に『炎上』(を観る)、または『Djakarta Bali』でディナー」と、書いてあります。

そう、これは私達が出会った翌日の予定なんです。

この「予定」は5年経った今も消えていないのですが、それはディノが私との初期の思い出を大切にしたいからではありません

彼はなぜかこの日、この文字を油性ペンで書いちゃったんです。

だからもう消せないんですって・・・ま、あなたの人生から私が消えなくなったのと同じね。
(フフフフフ・・・。)

ところで「『炎上』または『Djakarta Bali』で」って書いてあるけど・・・「Djakarta Bali」っていうインドネシア料理のレストランに行こうかと思ったのは、私となの?それとも???

帰ってきたら聞いてみよっと。


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最終更新日  2008.02.14 21:07:45
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