テーマ:海外生活(7773)
カテゴリ:主人の肖像
(1つ前の日記の続きです。)
その同じ日、しばらく時間が経ってからまた電話がかかってきた。 ヘルニアの手術の為に病院に着いたディノからで、例の「手紙」は「遺書」なんだと言う。 やっぱりね・・・そうだと思ったよ・・・。 しかも彼はこの手紙を私へではなくて幼少からの親友ジャックに送り、 「もしもぼくが死んだら、この封筒に切手を貼ってみにかーに送ってね」 と頼んだらしい・・・。 私に比べれば、財産を持っているディノ。 いい加減な私は細かい点をよく覚えていないのだけど、 結婚前の公証人を挟んでの取り決めで私たちは 結婚後もそれぞれの財産を別々に所有し続ける事にした。 日本的感覚からすると「財産1人占めなんて冷たい」と思わない事もないけれど、 そうでもしないと義母が「万一の」離婚の場合に私が彼の持ち物を半分持っていってしまうと 恐れていたから、他に選択肢がない気がした。 それに結婚して関係が更に安定したら (公証人に払う報酬はかなり高くつくけど)この取り決めを変更する事だってできるし、 子供が生まれたらまた状況は変わってくる。 (万一の離婚の際には、絶対に私が子供を引き取ると思うので。 もしも子供を授からずにこのまま2人で年老いる兆しが見えてきてしまったなら 改めて話し合うつもり。 この辺の話をなぁなぁにしておいたせいで夫の死後に困る女性も結構いるらしいので・・。) 私は前々から 「万が一、子供も出来ないうちに離婚か死別をしてしまったなら 私は日本に帰って新しい人生をやり直すのに違いないから(つまり異郷に留まる訳じゃないから) お金の事なんて気にしなくていいよ」 と何度も言っているのに、 彼は手術中に「もしも」の事故があった場合、 私が1人で苦労するなんて可哀想だと言って、引かない。 確かにこんなやりとりをここ数日していたけれど、まさか「遺書」を郵送してくるなんて・・ 今回はもう3回目にもなるヘルニア手術なのに、騒ぎすぎでしょ?! しかもこの「遺書」、 公証人も通さずに作られた手書きのものだから法的効力が無さそうなんだけど・・。 私がそう言うとディノは、公証人にも同じ内容の手紙を郵送したと言う。 それすらも意味があるのか不明なんだけど・・・この大げささこそが、ディノだ~!! とっても馬鹿馬鹿しい気がするけど、気持ちはうれしいよ。 ありがとう。 それから手術は無事に終わったのに、 手紙は結局「気が変わった」ディノの指示でジャックから私へと郵送された。 封を切って手紙に目を落とすと、 文字が3ページに渡ってびっしりと詰まっていたので偶然隣に座っていた母と苦笑してしまう。 それは、 私への思いを冗談混じりに伝える導入部、 なけなしの財産を分ける事の難しさを伝えつつ(結婚年数が短い事を考えて、 また、周りに迷惑のかからない様に、義弟達にもある程度遺したいそう。もちろん私も納得。)、 考え抜いた結論を述べる本文、 そしてなんと私の母と妹2人、学生時代の友人達、パリで知り合った日本人の知人達への 挨拶を書いた結論部(爆) の3部構成で、とても読み応えのあるものだった。 締めの文章は下線つきで 「じゃあね、でもまた近いうちに会えるって事、ぼくは確信しているからね」 ・・・・(爆)。 ありがとう。 私はこの手紙を読んでその大げささに何度も爆笑したけど (だからこのちょっと上の文章でも、生まれて初めて(爆)マークを使ってしまった)、 気持ちはとっても嬉しかったよ。 この手紙は法的に意味は無さそうだけど、思い出として大事にとっておくからね。 ランキングに参加しています。 投票(をクリック)していただけると、嬉しいです。 ・・・何はともあれ、手術が無事に終わって良かったです お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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