カテゴリ:主人の肖像
ディノの誕生日、 ル・プレヴェールで食事をして ウディ・アレンの映画を観てから家路につきました。 楽しかったけど、 ル・プレヴェールでデザートに蝋燭を立ててもらって 簡単なプレゼントとカードを渡した以外には 誕生日らしさの無い日だったなぁ・・・なんて 少し残念に思いながら。 この時はまだ、1日の終わりギリギリになって ディノへのプレゼントがもう1つ届くなんて 考えてもいなかったのです。 アパルトマンのエレベーターを降りて 我が家のドアの鍵を開けたものの、 マンション共有部分の廊下で行われている工事が気になって そこにある物置を開けてみたディノ。 「大きな箱がある!!なにこれ??」 と騒いでいる。 この物置は私達のものなのだけど なぜかディノが鍵を所有していないから、 鍵穴がないのと同然で 大切なものを入れておく事ができない。 なのでそのうち古着回収に出そうと思っている 要らない洋服なんかを押し込んでいるんだけど・・・ なんだろうと思って覗いてみたら、 私にはすぐに正体が分かった。 この夏、お母さんに送ってもらった船便の小包だ!! この中に入っているのは 私が東京のバーゲンで買った服やかばん、それに台所用品。 無事に届いてよかった・・・なんて思ったのも束の間、 心が躍りだす。 この中に、ディノが到着を楽しみに待っていたものが あるのを思い出したから。 私の父は、シュールレアリスムに興味を持っていたらしい。 私が中学に入る時に急死してしまった父が どの程度傾倒していたのかは分からないけど、 実家にはそれらしき本が今でも残っている。 そして、父がそれをどこまでフランス語で読んでいたのか これも今となっては分からないけれど、 その中にはフランス語で書かれた本もチラホラある。 東京の実家に来たディノに私の母がそれらの本を見せ、 気に入ったものは持っていってと言ったのは 結婚直後の2006年暮れ。 本大好き(!)なディノは内心とても喜びつつも遠慮があって、 数冊しかパリへ持って来なかった。 でも私の母にとっては 自分が読まない本をいつまでも飾りの様にとっておくよりは ディノに読んでもらった方が嬉しいらしい。 その気持ちがだんだん通じたのか、 この夏1人で日本に帰っていた私が ディノにおみやげは何がいいかを聞いたら (やっぱり遠慮がちに) 「実はお義父さんの本で、1冊持ってきてほしいのがあるの」 と言ってきた。 そして私はそれを、船便で送るダンボール箱に入れたのだった。 ディノに 知らぬ間に物置に小包が放り込まれていた事を伝えたら 激怒していたけど(ほんとひどいよね!!)、 例の本が入っているよと言ったら、とても喜んでいた。 それが、この本です。 私にはよく分からないけど、 アンドレ・ブルトンのシュールレアリスムに関する記述を 一挙にまとめたものらしい。 今となってはこの出版社も存在しないし、絶版なんだって。 よかったね、ディノ。 それにしても父の持ち物だったこの本が ディノの誕生日に届いたなんて、素敵な偶然。 私の父は典型的な「娘を持つ親父」だったと思うので 私が結婚話を出したら反対したり怒ったりムクれたりしたのかなと 今でも考える事があるけれど、 ディノの誕生日を祝福してくれてありがとう。 その後も、日本の友達から ディノのお母さんを思っての手紙が届いていたのに気づいたり、 メールチェックをしたら私の妹からお祝いが届いていたりで ほっこりした気持ちになってから寝ました。 みんな、いろいろありがとう。 ランキングに参加しています。 投票(をクリック)していただけると、嬉しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.10.19 11:15:51
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