|
テーマ:映画館で観た映画(8570)
カテゴリ:映画館で観た!!
★★★★
あ~スッキリした。 面白かった。 これが一番目に感じた正直な気持ちでした。 その後そっと周辺を見回して、こんな気持ちになっていいのかと心配になりました。 “見る立場”によって感想は変わるだろうなぁ、とは思いました。 例えば母親の立場だったら焦燥感に囚われるんじゃないだろうか? なんてね。 3人の“母親の物語”とも観ることが出来るし。 ただし、これぞ“真正の母性”でもあると思います。 自分の子が一番で他の子供なんてどうでもいい、 その父親だって所詮種馬、社会的な保護(金)が出来なければいらない、 自分の血を引いているのだから才能があるべきで、応えなければいらない……。 彼女たちは“自分”を優先したんですよ、とは言え非難される事では無いね。 子供は彼女たちの“触手”なので、自分を優先したなんて思ってないでしょう。 先端にあるのが触手……まさに敏感で大切な自分のはず。 ま、へその緒で繋がった自分の一部だったんですから、産んで分離させられたとしても“子供=私”です。 『親の躾が悪い』なんて社会的なキレイ事、本当は通用しない……ほら、父親が出てこないでしょ? 自由を謳い放浪し、外面良く教育本を書いた男は下半身も自由に過ごして“エイズ”を貰った、ので女は子供は一人で育てる事になった。 息子を妄愛して『可哀想に……』と呟いた女の夫は単身赴任で家に居ず、だからこそ絵に描いたような美しい家庭を嘘の日記で固め、見栄を張らねばならなかった。 家庭のためにその才能を我慢していた妻に夫から求められるものは、実は彼女でなくても良かった、のでその男とは別れ、息子を捨てた。 暴力や殺人への衝動って誰の心の中にも大なり小なりあって、大人になれば自分の中の“獣の姿”も自覚しているし(いやいや、現実はそうでもないんだろうけど)、法律というものもあるから(だから法律が出来たんだし)抑止力も大きいのだろうけれど、まだ未分化な、しかもその衝動が芽生える“思春期”の子供……これは彼らに対する警告でもある。 それにしても、“殺人を犯した子供が法で取り締まれないのなら、その親が報いを受けろ、それを育てたのはお前なのだから ”と。 こんなメッセージを受けました。 実際、そういう風に物語は進む。 一見、関係のなさそうな人間が無邪気に関わることで犯人2人を追いつめて行く……。 主人公の計算が、《松たか子》の品の良さそうな顔やスタイル・淡々とした演技が、その凄さ・怖さをジワジワと味あわせる。 ラスコリーニコフの【罪と罰】が作中引用されるけど、まさにこの主人公の傲慢さが罰せられるべき、人間の根源的な悪……なのかもしれない。 なんてね(パラ読みしかしてないんだ、実は)。 最近会社で私に嫌がらせをした2~4人の集団が、全員子供がいない(出来なかった)女たちばかりで、『ばれなきゃいいのよ、疑われたら“証拠もないのに疑った”と逆切れしてイジメの材料にすればいいのよ、証明しようが無いんだから事実を知らない人には嘘を言ってもいいのよ』という理屈を唱えていたのを知っているので、『子供がいたらこういう事を教えるのかよ?』と思ってた。 お前ら、だから子供出来なかったのか? と疑うほどに。なんてね。 原作は読んでないです。 中島哲也監督の作品は【下妻物語】は原作もを読んでいたし、映画も観た。 それで期待して観た【嫌われ松子の一生】はどうも好きになれなかったので、その後の作品は観ていなかった。 でも、映像的に見せるのが・心理描写を描くのがうまい監督、邦画に在りがちな間延び感をあまり感じさせない監督、と思っている。 ***** TOHOシネマズ 錦糸町。 隣りの女が私の席に座ってた。 『すいません』の一言もなかったので、確信犯だったらしい。 『ちっ、来やがった』と舌打ちが聞こえてきそうな感じの悪さ。 こういう気持ちの悪い奴が罰を受ける映画は尚さら気持ちがよかったような? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.06.24 16:00:34
コメント(0) | コメントを書く
[映画館で観た!!] カテゴリの最新記事
|
|