185552 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

sweet storm

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

ミニミニ女王

ミニミニ女王

Calendar

Favorite Blog

おじいちゃん日記(… 栗おじいちゃんさん
Baby☆Baby☆Baby misaki110505さん
楽あれば苦あり tosigattenさん
かおちん☆工房 かおちん☆さん
はあとのchocolate♪ sora*さん

Comments

 しぃたけ〜@ Re:お盆の墓まいり(08/10) ここはお互いにご無沙汰だけど、元気にや…
 john@ RwGDlnCovHICuztwX tGm4DD <small> <a href="http://www.QS3…
 john@ VryzhEgoFbKhPEtKVZ CM8bVO <small> <a href="http://www.QS3…
 しぃたけ~@ Re[2]:お盆の墓まいり(08/10) うぅ。さん >しぃ~たけが双子。 (; ̄ー…
 うぅ。@ Re[1]:お盆の墓まいり(08/10) 毎度どうも。通りすがりの楽天購入オンリ…

Freepage List

2010/04/16
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
私は最期まで、王さまの手を握っていました。
王さまが口をきけなくなってから、
「手をぎゅっとして」と言うと、握り返してくれました。
それもできなくなって、心電図の波形が乱れ始めました。
いよいよというときになるまで、王さまの意識ははっきりしていました。
そして、自分がもう生きられないと、わかっていました。

主治医の先生に呼び出されて、王さまの元に駆けつけた時、
「もう・・・」と絞り出すような声で言いました。
もう、逝ってもいいか?と言いたかったのか、
もう、無理だ、と言いたかったのか、
とにかく私には、ああ、逝ってしまうのだ、と、
それを王さまはわかっているのだ、と感じました。
言いたくはなかったけれど、
それ以上、王さまを苦しめたくなくて、
「あんた、ようがんばった、ようがんばったよ、
ありがとうね、もうええよ、がんばらんでええよ」
と言ってしまいました。
けれど、どうしてもまだ、生きて欲しくて、
「でも、まだよ、まだだからね」
と言って励ましました。
王さまは、うんとうなずきました。
自分でも、どう言ったらいいのか、どうすればいいのかわかりませんでした。
私がももちゃんをそばに呼ぶと、王さまは自分でリモコンを操作して
ベッドを起こそうとしました。
よくまだそんな力があったものだと思います。
そうして、ももちゃんを抱き寄せました。
ももちゃんは、パパから離れたがらずに泣き叫んでいました。
キスして、抱きついて、好き好きと頬を寄せていました。
けれど、王さまには、ももちゃんに答えるだけの力は残っていませんでした。
背中をさすったり、抱き寄せたり、励ましたり、
思いつく事を全部しましたが、王さまの心臓は止まってしまいました。

生きていて初めて、どうがんばってもどうしようもないことがあると、
掴もうとしても掴めない物があると、
一番掴みたかった物を失ったときに知りました。
王さまの命は、私の手からするりと抜けていってしまったのでしょうか。
確かに、しっかりと掴んでいたのに。
もう、一生味わいたくない、
でも、忘れたくない、忘れてしまいたくない。
毎朝、苦しくて目が覚めます。








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010/04/16 05:06:07 PM
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X