sweet storm

王さまが亡くなって、あっという間に一ヶ月が過ぎ、
王さまのいない４月が終わり、５月がやってきました。
王さまを思う訳でもないのに、涙が止まらなくなったり、
王さまのことを強く思っていても、泣くことがなくなったり。
少しずつ、少しずつ、王さまとももちゃんだけだった私の世界から抜け出て
世間という風景画の中にとけ込んでいって、
そのうち、王さまとの１０年は大事にアルバムにしまわれて、
時々思い出す存在になるのでしょうか。
つい、一ヶ月前まではそれが私の現実だったのに。
でも、もう、そういう現実に戸惑う事さえ少なくなりました。
王さまだけがそこにとどまって、私とももちゃんは前に進む。
すごく悲しい事ですが、正直、悲しんでばかりもいられません。
私とももちゃんが楽しくて幸せなら、王さまも幸せなのだと思って
生きていきます。

王さまは、先祖代々のお墓に入る事になりました。
できれば、私が王さまの墓を別に作って、将来、
そこに私も一緒に入りたいのですが、
それは、義母に拒否されました。
お墓のことは、義母が亡くなってからでも
遅くはないと思うので、今は先祖代々の墓に入っていてもらおうと思います。
位牌は、最初は私が小さな仏壇を買って、
手元に置いておきなさいと言われましたが、
先日、位牌は王さまの実家に置いておくようにと言われました。
こういうとき、位牌をくださいというべきなのか、
私は仏教徒ではないので、位牌に大して思い入れが無く、
どうしたらいいのか迷ったのですが、
いずれは、実家に戻してもらわなくては困るし、
（何が困るのか、よくわからないですが）
仏壇を購入すると色々とお金も必要になるから、
実家においておけと言われて承諾しました。
お金どうこうで、ここに置くとか、そちらに置くとか、
王さまに対して、なんだか失礼な話だな、と思ったのですが、
私は、仏教徒ではないので、
例え位牌が義母の元にあったとしても、
王さまの魂は、私とももちゃんのところにちゃんといるだろう、と思えるので、
死後の王さまを義母に取られた感がないでもないのですが、
まあ、仏教徒でもないものが仏壇を持って、
供養をしていくのは難しいでしょうし、
義母のほうがお寺さんと付き合いがあるので、
これでいいのかな、と思ったり。
多少複雑ですが、私の母に、
「心配しなくても、王さまは、あんな実家になんか戻らんよ
あんたたちのそばにずっとおるよ」と
あっさりと言われたのも、後押しになりました。
こういうとき、どう行動するのが常識なのか、
残念ながら、私にはわかりません。
でも、位牌を持っているからといって、
私の目から見ても、義母は先祖代々の供養をちゃんとしているようには見えず、
仏壇は埃だらけで汚いし、お供えものが腐っていたこともあるくらいですから、
仏壇や位牌が無くても、私とももちゃんが供養をするのが
王さまには一番良いのではないかと思います。
位牌とか、仏壇とか、王さまなら、
そういったものには縛られないでいると思います。
だから、多分、これで良いのだと思います。