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 alex99@ Re:悲しい母の日(05/14) う~~ん。 日本人の男性とか、アメリ…

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October 15, 2005
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引越しまで残り一週間を切った。家を買うまでは「こんなことできるわけない!」と思ったことが山ほどあったが、家が実際手に入った途端、好きなことが何でもできた。すごいパワーだ。しようと思えば、人は何でもできる。その時置かれた環境だとか差し迫った時間がパワーを呼ぶ。そして大きな変化を成し遂げる。

地味な白い壁の家はアメリカで流行りの「アーストーン」やアールデコ風、はたまた私オリジナルの色合いに塗られ、スタイリッシュに生まれ変わった。野暮ったい電灯が取り外されておしゃれなものに付け替えられた。ドライバーや配線をじっくりいじって付け替えると、新たな自信が湧き出てきてあれよこれよと新しい電灯を買い始める。そうしておしゃれになればなるほど自信がでる。

仕事帰りはゆーゆーをつれて新しい家に行く。相手にしてもらえず泣いているゆーゆーをほっといてペンキ塗りの作業をする。そんな時間は日頃の疲れやストレスを忘れ頭をまっさらにできる喜びの時間だった。大好きなメタルを聞きながら、頭や体中をペンキで一杯汚して作業に没頭する。一段落してゆーゆーの相手をして少し休む。そしてまた作業を開始する。ゆーゆーは怒るが、作業に没頭する喜びを味わいたくて放っておく。

新しいローン、保険、電気、ガス、電話、セキュリティーシステム、洗濯機・乾燥機・冷蔵庫、デイッシュウォッシャー、家具、キッチンのカウンタートップ、配管工事などの手続きを始めるとそこらじゅうからイーメイルやら電話が会社にかかってきて、または自分でファックスしたり電話をかけたりして慌しくなる。

フィラデルフィアの家は幾分か小さく作られていて洗濯機・乾燥機は分解して組み立てられる特別な種類のものでないと家に入らないし、取り付けられない。購入する店と分解して組み立ててくれる業者は別物なので配達日に合わせて個々に連絡を取らなければいけない。冷蔵庫もそういうわけで少しでも薄型のものを手に入れないと入らない。ディッシュウォッシャーは新しくキッチンに取り付けるので、キッチン全体のレイアウトを変えなければならない。キッチンのレイアウトを変えると、その上のカウンタートップの大きさも変えなければいけないので石の業者と連絡を取り合わなければいけない。流しの位置を変えるので配管工と話をしなければいけない。全部が色んなところとつながっていて、頭でいろんなことを理解していないと交渉できない。

ノリノリは夜遅くまで働いているしオフィスワークではないので、こういう交渉の仕事はもっぱら私の担当だ。自分の可能な範囲で物事をまわすのでノリノリから商品や手続きについて質問攻めにされると「自分で電話して聞いてくれる?」とそっぽを向く。男と女の観点はあまりにも違うことがあり、ノリノリの質問は交渉時の私には思いつかない内容だったりすることがよくある。私は会計やビジュアルや契約の内容が気になるが、ノリノリは家の土台にどれだけ関係があるかなどの構造や影響が気になる。折角進めた契約も彼の質問具合よってはキャンセルしなければいけなくなり、指摘は間違ってないが私は疲れる。

こんな毎日が始まって一ヶ月が経とうとしている。私の喜びはペンキ塗りの作業に没頭しているときに生まれ、家に帰るともう何もしたくなくなる。ふと体を休めるとなぜか過去の嫌なことを突然断片的に思い出す。慌ててゆーゆーをお風呂に入れたり寝かせたりしているとノリノリを迎えに行く時間が来る。体に鞭を打って車に乗る。ノリノリを迎えて家に着くとノリノリの晩御飯の間に一緒に座っているのが辛い。「ごめん。もうだめだ~」とベッドに行くとあっという間に記憶が消える。




数時間して目を覚ますとノリノリは流しに一杯詰まれたお皿を洗い洗濯を済ませて、日課の勤行(お経のこと)をようやく始めたところだった。眠たいままよろよろと彼の部屋に入ってお経を唱えている彼の横にそっと横になる。「どうしたの?」と聞くから「家事しなくてごめんね。」と謝った。「しょうがないよ、そういう時期もあるよ。」と手をつないでくれると私は安堵の気持ちですーっと力が抜ける。

毎日プレッシャーなんだよ。
過去の嫌なことを思い出すんだよ。
家事をする気力がないんだよ。
ゆーゆーを100%相手してあげられないんだよ。
作業をしている自分だけの時間が一番今幸せに感じるんだよ。
でもノリノリを愛してるからね。
愛してる・・・

頭で何回も思うことを口に出してノリノリに告げる。今の自分に対する嫌悪や戸惑いが、相手に同じくプレッシャーや戸惑いを与えているのではないか、といつも不安になる。ノリノリも私もゆーゆーの面倒とその他もろもろでもうはちきれそうになっている。お互い色んなことを我慢してる。ノリノリが辛いのも知っている。

「みんみん、大丈夫。僕も愛してるよ。」

魔法の言葉だ。大丈夫、愛してる。そうだよね、大丈夫だよね。私も愛してる、だから今みたいに辛くても嫌いにならないものね。喧嘩しても愛しているものね。今の醜い自分でも愛してくれてるんだものね。歯を食いしばって頑張ってもいいんだよね。

有難う、と言うと私は手をつないだまま勤行をしているノリノリの横で少し眠った。ノリノリはペンキの仕上がりはとても気に入っているし、ゆーゆーは新しい広いスペースに興奮して走り回っている。まだ沢山することは残っているけれど、二人が喜んでくれるなら私はもっと強くなれるんだ。





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Last updated  October 15, 2005 06:01:10 AM
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