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 alex99@ Re:悲しい母の日(05/14) う~~ん。 日本人の男性とか、アメリ…

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January 25, 2006
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30歳になるのをずっと恐れてた。若さの象徴、美しい「にじゅーだい」の響きが無くなってしまうなんて。よんじゅーだいのノリノリを棚に上げてぶつぶつ文句を言っていた。

アメリカで30歳になるのは「ビッグスリーオー(30)」と言って大イベントである。大イベントの前の日、私は過去数ヶ月の長いプロセスを経てようやく精神科医に直接会うことが出来た。一人の医者に会うのにも保険の関係やら何やらで色々回されて、返事待ちして、またやり直して、とまぁいつものことだが時間がかかるものである。

去年8月からずっと坑鬱剤を飲んできたが全く効かず、パニック症候群もしばしば現れ始め、11月の半ばにはゆーゆーをシッターに預けたままホテルに家出をしたりノリノリやゆーゆーと離れて家の一部屋に閉じこもっていたりした。仕事先でもパニック症候群が来るともういても立ってもいられなくなって、外に飛び出したり、我慢してデスクに座っていると耐えられなくて泣き出したりした。体重が一気に15キロ増えた。約束した時間に友達に会うと思うと息切れがして苦しくて、会う前に一時間ぐらい瞑想した。

ゆーゆーがすごくかわいいと、ノリノリがやさしくて素晴らしい旦那さんだと頭で分かっていても、私はそれを心から楽しめなかった。頭で分かってるのに、そして感謝しているのに、なぜかそれが辛かった。彼らが素晴らしい人間であればあるほど、私は辛かった。責める対象がないのに私は苦しくて、元気が出ないのだ。

何かしたら楽しくなるかもしれないと思って、持ち前の行動力で色々挑戦してみた。ゆーゆーを映画に連れて行ってみたり、体験ミュージアムなどに連れて行ってみたりした。しかし、そういう行動をすればするほど私の状態はもっと酷くなって何もかもが嫌になってそこから逃げ出したくなる。ゆーゆーを置いて逃げ出したくなる。ゆーゆーが楽しんでいても苦しくて相手ができない。苦しいからゆーゆーを置いて逃げたくなる。

その専門の精神科医はあっさり、今まで飲んでいた坑鬱剤の量を倍にして飲みなさい、と処方箋をくれた。え、そんなんで本当にいいのかしら、と思いながら私は早速もう一粒多く薬を飲んで次の日を迎えた。

***

誕生日は土曜日だったので、週末も出勤のノリノリは午後から働くことになっていた。いつものように午前中は買い物に行ってお昼ごはんを一緒に作って特別なもの食べようと計画していたが、朝からレストランのケータリングと配達の手伝いをしなければいけないんだよ、とノリノリは言いはじめた。配達時に路上駐車しなければいけないからみんみんも一緒に来て車で待っていてくれ、と頼まれる。「なんで誕生日にレストランの仕事手伝わなきゃいけないのよ~!給料払ってくれるんでしょうねぇ?!」とぶつぶつ文句を言った。

ゆーゆーと私はノリノリがレストランで何かを取りに行っている間、車の中で30分ぐらい待たされた。ゆーゆーは待ちくたびれて寝てしまい、私もあまりにも長いのでふてくされておニューのケイタイでゲームをしていた。

ノリノリがやっとレストランから配達のプレートを持って出てくるとまた他のお店の支店から物を貰ってこなきゃと言う。彼は仕事をしてるから文句は言っちゃいけないと快く車からまた送り出して、またまた30分ぐらい待たされた。

いい加減おなかが空いてきた。もう作るの止めて軽くどこかのレストランに食べに行きたいな。ノリノリも午後3時からまた働かなきゃいけないし…。

ようやくノリノリが戻ってきて配達先に向かっているとと今度は家に配達の請求書を忘れた、と言う。えー?!?!配達遅れるじゃない!!!と焦ると、ノリノリはすまなさそうな顔をして、ほんとごめん、どうしよう、取りに行かなきゃ怒られる、と焦った声でまた慌てて車を走らせ始めた。

あぁ、なんてとぼけた旦那さんなんだろう。おなか空いたよぉ、とぶつぶついうとノリノリはごめん、ほんとごめん、といいながら自宅のすぐそばに来たとき電話をした。「今着きますから」

え?今着きます、って?なんじゃそれー?と思うまもなく私達は丁度家の前に着いた。ノリノリは、じゃ、取りに行くから、と車を出て自宅の鍵を開けたがすぐ戻ってきて「大変、セキュリティーアラームが鳴っている!!!みんみん、ゆーゆーを連れてすぐ来なさい!!!」と私を引っ張って家に連れて行った。


サッ、プラ~イズ~~~~~!!!

カメラのフラッシュがパシャ、パシャ、と光って私の知っている顔がずらっと並んでいた。鬱の間、こもっていたおかげでしばらく会ってなかった友達達が勢ぞろいして、驚く私にハッピーバースディーと大笑いして叫んでいる。車で2時間かかる場所に住んでいるドクター、フランスに行く予定になっていたモー(行ったと聞いていたが実はまだ行っていなかった)夏に会ったきりのスティーブ夫妻、DCから丁度立ち寄ったルドウィカ、何食わぬ顔して会っていた職場のジョー、あれ、祐さんもいるじゃない!!!みんなみんな久しぶり!!!

オーマイガ~ッ!
オーマイガ~ッ!
You!ユウ!ユー!
You didn't say anthing!
You were lying!
Hey, you!!!You knew it!!!

皆私の新居に来たのは初めてだった。友達が口々に「素敵な家じゃない!」と褒めてくれた。一人一人に感謝のハグをして胸いっぱいになってノリノリを見た。ありがとう、いつも私を愛してくれてありがとう。

テーブルにはノリノリのレストランから調達した寿司と好物のはまちの刺身がこれでもか、と言うぐらい並び、私達は日本酒で乾杯をした。ゆーゆーは大勢の人に囲まれて大興奮し、「誕生日おめでとう!」「big 30!」と書かれた家中に浮いている一杯の風船に大喜びしていた。

8年かかって集めた15人ほどの仲の良い友達が一緒になって私の新しいdecadeの幕開けを祝ってくれるなんて、考えてもみなかった。大勢の30代の友達が冗談めかして「Welcome to the (30's) club!!!」(30歳代クラブにようこそ~!)と言われると30歳になったのを嫌がってる場合でもなく、まぁ、それもいいかな、となんだか誇らしげに思えてきた。

実はノリノリは3週間前からパーティーを計画していて、その日は仕事を休ませてもらっていた。それを知った時、私はまた彼に恋に落ちた。素晴らしい人々に囲まれて心から幸せだと思えた。薬も手伝ってなのか、全てが自分のエネルギーになって、心が躍動して苦しみも何もかもが楽しく思え始めた。





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Last updated  January 25, 2006 04:47:11 AM
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