215861 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Recent Posts

Favorite Blog

露骨な「高市潰し」… New! alex99さん

向いてない New! k-nanaさん

「柳井 vs 前澤論争… msk222さん

アタマのカラザ A・U・Nさん
愛国、日本 パボアホイジオタさん

Comments

 densuke369@ Re:同様の事件・子供の「仲良し」同士に要注意!(06/20) これが、真相かもしれないですよ。でも作…
 alex99@ Re:悲しい母の日(05/14) う~~ん。 日本人の男性とか、アメリ…

Category

January 24, 2007
XML
骨抜きになってヘドロになっていたノリノリはあれから私の友達に正されてしゃきっとするようになった。別居宣告をされてその期限の間になんとか就職をしようとようやくやる気がでてがむしゃらになって頑張るようになった。多分、期限以内にどういう形でも働くことが決まるであろう。

日本から帰ってきてノリノリと話した時、彼は約束の「トレーニングを終わらす」ということをしていなかった。無職になり数ヶ月が経ち、就職活動をぼんやりやっていた彼は、生活費が無いと私が泣いて怒るまでバイトも始めなかった。やっと始めたバイトはダンキンドーナツで、時給6ドル50セントというファーストフードと言えばまぁ当然の賃金で、働く分だけゆーゆーの高い保育園代が超過して私は口を噤んだ。

もう一つバイトをすればいい、と私は言った。何はともあれ、始めたのは彼の責任だからすぐ辞めて欲しいと思わなかった。が、あまりにも赤字が進むので何かマシなものでいいからして欲しかった。フルタイムで申し込んだバイトをパートにしてもらって(何故フルで申し込んだのか私は納得できなかったが、パートだと雇ってもらえないと彼は主張した)、給料がもう少しマシなところでまたパートをすればいいじゃない。

数日後彼が思いついたのは昔の知り合いが働いているレストランでウエイターをすることだった。「昔の…」と言う発想はいかにもノリノリらしく安直だと思ったが彼が主張するので自分を抑えた。レストランが嫌で辞めたのにレストランでまた働こうと思うなんて到底理解できることではなかったが、とにかく彼のやる気を信じることにした。

彼は面接に行き、パートを掛け持ちしたら良い、という私のアイデアもさっぱり無視して、ダンキンドーナツをさっさと辞めてしまった。一体何を面接を話したの?と問いただすとフルタイムで働くと向こうに言ったから、と言う。これからのお給料はどういう仕組みでいつ貰えるの、フルタイムっていつからそうなるの、と基本的な質問をすると彼は「いや最初に働く日にそれを聞いてくる…」と答えた。なぜ面接の時に聞かないんだ、とこみ上げる苛立ちを抑えるべく、私はそれからノリノリとの会話を減らしてオンラインゲームに熱中することにし、働き始める日を待った。

働き始めてからしばらくして、私が泣いて机を叩いていい加減にしてくれ、と叫ぶまで彼はお給料がいつもらえるのか、時給が幾らでいつからどうチップが貰えるのかでさえも聞いてこなかった。結局フルタイムで働くと申し出たものの、最初は「トレーニング期間」ということで週4日4時間のみの勤務であった。ダンキンドーナツを辞めたことを責め立てたかったが、彼は「僕はこの仕事に専念したい、そうでないとこの先もきちんと出来なさそうだし…」と主張した。どうしたらトレーニングが終わるの?と聞くと「スケジュールを終えてテストをパスすればすぐさ」と自信ありげに答えた。

テストは簡単なものではなかった。高級レストランなので基準が厳しく、メニューの中身、リカー・ワインリストを含めた原材料などを全て丸暗記しなければいけなかった。彼は生涯丸暗記などしたことがなかったのでかなり怖気づいていた。

こんなことも手取り足取り教えなきゃいけないんだなぁ、とあまりにも頼りない旦那に愕然としながら私はそれでも丸暗記の仕方を教え、自分でも一緒に覚えてあげて、ノリノリも調子をつかんでどんどんメニューを覚えていった。テストは前菜、メインコースなどのセクション別で5,6個に分かれ、トレーニングが終わることを信じて週に1個のペースで彼は受けていった。

それから約一ヶ月が経とうとし、クリスマス前の私とゆーゆーの日本への帰国が迫ってきていた。トレーニングが終わっていないチップ無しのノリノリの給料は一週間$100を切り、ゆーゆーの保育園代は週2日で$136、それだけでも苦しいのにノリノリは時間がある分「牛乳が…卵が…肉が…」と買い物に行く度お菓子だの、雑貨だの余計なものを買ってきて私は怒りを通してあきれた。私は既に自分の両親に泣く泣く生命保険代などの大きな出費を助けて貰っていた。彼のお金の使い方には我慢が出来ず、クレジットカードも現金も全て取り上げた。

テストは残り一つとなっていたので私達が日本で過ごしている間、ノリノリはトレーニングを終わらせてしっかり働いてお金を稼いでいるように、と約束した。今まで赤字になった分きちんと蓄えて、来年またきちんとした就職が決まるまで持たせよう、と明るい気持ちで彼を励ました。就職活動が一番だけど、とにかくトレーニングを終わらせて…。

だから。

アメリカに帰ってきた夜、まさかとは思っていたけどノリノリがテストを結局受けず、レストラン側が以前の経歴を考慮して一ランク上のポジションをオファーしていたのにも関わらず、テストを回避してトレーニングを終わらすために「もっと簡単な仕事にしてくれ」と頼んだと聞いて、頭が真っ白になってゆーゆーを彼の腕から取り上げて部屋にこもって泣いた。

日本にいた時、私は彼の弁護をするのが大変だった。私の両親はとても堅実で努力をして生きてきた人々なので、彼の就職活動の仕方や態度について理解できないことが沢山あった。彼らが「何でXXさんは(ノリノリ)…しないの?」「何でXXできないの?」と思うことは既に私の疑問でもあり、その度「あの人はちょっとつかみが遅いんだけど努力してるし…」とか「トレーニングを終わらす約束だから今はお給料少ないけど大丈夫」とかとにかく「あの人は大丈夫、やれば出来る人だから」と説得し続けた。

彼の実家にゆーゆーと二人で行った時も「あの人は今無職で残念ながらこちらには一緒に連れて帰れませんでしたけれども、トレーニングを終わらすために一生懸命頑張っていますから、大丈夫です」とご両親にいかに彼が頑張り屋で優しいお父さんをしているか一生懸命説明して、浪費癖があって困ってるとかそんなことは一言も言わないように気をつけた。

あの人はそんな私の気遣いも全て無駄にしてくれた。泣いてる私を見てゆーゆーはいい子、いい子、と頭を撫でてくれた。色々考えてみたけれど、これはもう別居して家を出て行って貰えば彼も自分で生活する為に必死に働くのではないだろうか、と思うようになった。


次の第二の母だと思っていた人に続く





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  January 25, 2007 04:43:54 AM
コメント(2) | コメントを書く
[夫婦関係・ノリノリと私] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X