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クラムボンの割れた刻 -Absolute Terre Field-

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西原真一

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カテゴリ:真黒ノ日記
今日は家の近くの100円均一に行ってきました。ある人に上げるクリスマスプレゼントの包装紙を買いに行ってたんです。
100円均一とは面白い物で、買うつもりの無い物まで買おうと思ってしまいます。
印鑑、印鑑ケース、朱肉、CDケース、筆ペン、封筒など、普段は全然必要ない物を大量に買ってしまいました。その中でも一番。いや、使うかも知れないけれど、一番使う機会が少ない買い物は

鈍色に光る刺身包丁でした

色々と中を回っていると、生活品コーナーの棚に包丁コーナーがあったんです。そこの商品は100円ではなく少し値段が高かったのですが、最近はこんな物まで売っているのかと。その包丁コーナーの中でひときは目を惹かれたのが、刺身包丁でした。
手に持ってみると意外と軽く、そして何よりその鈍い輝きが肉を切るのに最適だと、ボクには感じられた。よく「柳刃包丁での殺人」と言うのは聞くが、「刺身包丁での殺人」と言うのは聞かなかった。柳刃包丁もあることはあるのだが、何処にでもある普通の包丁とさして変わりは無い。魅力が無いのだ。
それに比べ刺身包丁の握り心地、すらりと伸びた刃、綺麗で滑らかな曲線。どれもがどれも、ボクをに語りかけている様な気がした。

人を刺せ

そう、言っているように聞こえた。 
ボクは刺身包丁をカゴに入れ、レジで会計を済ませた。 いつかこの刺身包丁で人を刺すかもしれない。いや、刺す日が来るだろう。その日は近いか遠いか、決めるのはボクではなく、その刺身包丁なのだろう。
ボクはその刺身包丁を引き出しに入れ、たまに観賞する事にした。今でも引き出しを開けると聞こえてくる。

人を刺せ と。ボクは

ボクは此処にいます





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Last updated  2005.12.25 12:54:13
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