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クラムボンの割れた刻 -Absolute Terre Field-

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西原真一

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カテゴリ:真黒童話
昨日は乙一について少し説明しましたが、今日はこの前買った彼の小説について話します。ボクがこの前買った小説は「ZOO」という短編集です。これは新作ではないのですけれど、文庫から読んでいたボクは、今まで手を出していなかったのですが、文庫が出ないのでハードカバーで買ってしまいました。
ボクが気に入った作品は「カザリとヨーコ」という一番最初に書かれている話です。

妹のカザリと姉のヨーコは一卵性の双子の姉妹(中学二年生)で、カザリはいつも輝いていた。クラスでは人気者、女で一つで姉妹を育ててきた母親もカザリを好いていた。しかし、ヨーコはカザリとは正反対だった。学校では暗く、いつも下を向いて暮らしていた。それは父親が亡くなってからの母親の虐待のせいだった。

という物なのですが、色々あり、この後カザリは母親のパソコンを壊してしまい、母親に怒られる事を自分の代わりにとヨーコに頼みます。そこで二人は着ている服を入れ替えて、時間差で家に帰るのですが、母親はヨーコがパソコンを壊したと勘違いし、普段から気に入らないヨーコ(に返送したカザリ)を殺してしまいます。もちろんヨーコはカザリが殺される事を知って、入れ替わる事を承諾しました。ヨーコは自分の生の代わりに、妹の死と自分の戸籍の死を捧げました。この作品を読んだ時、ボクは乙一の内を垣間見た気がしました。彼は「死」を題材にとても多くの話を書いています。そしてボクは彼は「死」についてとても軽く思ってるところがあるのではないかと思いました。実際のところは分かりませんが、彼は小説の中で人を多く殺しています。それもあっさりと。「カザリとヨーコ」のカザリの死は

たった一行にも満たない文字で表現されていました

ボクは彼に畏怖を感じます。どんな殺人者でも彼以上の人はいないでしょう。何故なら、彼は本という舞台で小説という方法を使い、その世界に生きる人々を生かすことも、一言で殺すもできるのですから。ボクは小説を書いてみようかと思います。ボクの作った世界は、生かすも殺すもボク次第ですから。まるで子供がくみ上げたブロックのお城を、怪獣に扮して破壊していくように。ボクは幼稚で幼い考え方をしています。しかし

ボクは此処にいます





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Last updated  2006.01.16 23:09:34
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