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カテゴリ:真黒ノ詩
先ノ世界
両手の平を見つめつつ 息かけ白く染め上げる 寒の季節を迎えても 背徳の樹は 葉を茂り 嘆きの梨を落しけるかな 軒の桜を見つめつつ 風舞い空に放ちけれど 華の季節を迎えても 苦しみは野を 広げみて 翳りの花粉を飛ばしけるかな 潮の青さを見つめつつ 窓開け香りを嗅ぎにける 洸の季節を迎えても 恐怖の海 の潮は満ち 狂を波へと流しけるかな 赤らむ老葉を見つめつつ 枝を元より絶やしける 紅の季節を迎えても 悲しみの 葉は地に降り落ち 憐みの土へと帰りけるかな 四季の影を拾いつつ 見え行く己を確かめる 銀の鎖を足枷に 罪架の道を歩み行 く 背負った荷物は棺桶と 破滅を導く先ノ世界 寒さを凌ぎ花を摘み 浜辺で落ち葉を踏みしめる 庭の荊を手枷にし 罰と闇を進 み行く 降ろした荷物は心の痛みと 絶望満ちた先ノ世界 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.02.08 22:53:16
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