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北野武さんがパリにやって来ました。
3月11日より一般公開される個展のためです。 その武さん、北野武監督がフランスの芸術文化勲章の最高章コマンドゥールを先日授与されました。 授賞式は個展の会場ともなっているパリのカルティエ現代美術財団で行われたそうです。 そして、私は本人に会うためにパリに出かけたのです。 なんと4ユーロで会えるという情報を得たため。 場所はポンピドゥー芸術文化センターで、ここでは11日から3か月にわたって北野武監督の映画が連続上映されるのです。 しかも、テレビドラマや映画のメイキング、黒澤明監督との対談などまで上映されるのです。(たとえば、昔放映された「大久保清の犯罪」とか。) そのほかフランスでは北野監督が監督主演を務めた最新作『アキレスと亀』も上映されます。 アキレスと亀 まだ、フランスで公開されていなかったので私は首をなが~くして待っていたのです。 いくら北野人気とは言え、フランス人のファン数は日本人ファン数と比べ物にならないほど少数派ですので、早く観に行かないと打ち切りになる可能盛大です。 急ごうっと。 フランス語で書かれた自伝本の出版など、まさに北野ブームが起きているのです。 話が長くなりましたが、本題はこちら。 11日はポンピドゥー芸術文化センターにてこれから3ヶ月に渡る映画上映の初日を記念して、北野武とジャン=ピエール・リモザン監督の対談がありました。 午後8時からというので6時前には着いたのですがチケットは完売でした。 11時のオープンとともに15分で売り切れたそうです。 会場は一番大きな上映会場だと思うのですが、それでも規模が小さいんです。 しかし、その隣の上映室にて「スクリーンに映した物なら無料で見える」と言われ、それでも仕方ない・・と待つことにしました。 そして、待つこと2時間あまり。 会場はこんな感じでソファーとテーブルが用意されていました。 黒いスーツ姿の北野監督の登場です。 スクリーンに映った姿はアップ映像もあったため、会場で生で見るよりもはっきりと良く見えました。 同じ空間にいれなかったのは残念ですが、無料ですし文句も言えません。 対談では過去の北野作品のシーンを流し、その場面に対してリモザン監督が質問、武さんが答えるという形式でした。 監督初作品、「その男、凶暴につき」 まじめに答える北野氏。 通訳のフランス人女性はがんばっていました。 北野節をフランス語訳にニュアンスを伝えるのは難しいところ・・ですよ。 私は日本人で良かった・・と、武さんの笑いの壺にはまれる嬉しさを感じました。(その代わりフランスのコメディでは笑えないのですけど。) さて、時間はあっという間に2時間ほど過ぎ、観客からの質疑応答もありました。 日本人数名とフランス人による質問です。 そもそも武ファンが質問しているので内容はごく普通の感じで、新たな発見も面白みもありませんでした。 ポンピドゥーセンターの都合により、そう長くは延長できないようで司会の方が「武監督は明日の飛行機で帰られますので、この辺で・・」とせかせましたが。 本人は日本語で通訳の女性に向かって「まだやってもいいんだけどね。急いでないし、なんだったら朝までやったっていいんだ」と言うような発言があり、日本人は爆笑。 いやぁ、朝まで討論会やって欲しかった。 対談のために使われた映画シーンは「その男、凶暴につき」「3-4X10月」「ソナチネ」「あの夏、いちばん静かな海。」「素晴らしき休日」(「キッズ・リターン」の映像を使用した3分のショート映画)でした。 もっともっと監督自らのお話が聞きたかった。 ほかにもいっぱい作品あるものね・・。 対談が終わって会場を出た北野監督は、私の前をあっという間に通り過ぎていきました。 あまりにも小さくて気づかないくらい。 なんだか猫背の体が一回り小さくなったような気がしました。 世界の北野の背中です。 また会える日まで、さようなら。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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