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追悼 気骨の政治家大石武一さん


故・大石武一氏を偲ぶ会


ドキュメント小説 吹雪の如く


吹雪の如く 第2回 ひとりの専務理事のこ


吹雪の如く 第3回 理事会と地区労が作っ


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第6回 Kさんに学ぶ「さよなら」


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第2回 知る


第3回 祖母と父


第4回 父の写真


第5回 大いなる情報誌ういずy


第6回 命を懸けた闘い


第7回 合掌 早坂茂三 さん


第8回 早坂茂三さんの遺言 その1


第9回 早坂茂三さんの遺言 その2


第10回 早坂茂三さんの遺言 その3


第11回 早坂茂三さんの遺言 その4


第12回 早坂茂三さんの遺言 その5


第13回 早坂茂三さんの遺言 その6


第14回 早坂茂三さんの遺言 その7


第15回 早坂茂三さんの遺言 その8


第16回 早坂茂三さんの遺言 その9


第17回 早坂茂三さんの遺言 その10


第18回 早坂茂三さんの遺言 その11


第19回 早坂茂三さんの遺言 その12


第20回 早坂茂三さんの遺言 その13


第21回 早坂茂三さんの遺言 その14


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幼幻記


幼幻記1 微笑


幼幻記2 あーちゃんのハイヒール


幼幻記3 和田屋のロマンス


幼幻記5 福島行きの汽車の中で


幼幻記6 氷水(こおりすい)


幼幻記7 焼きみそおにぎり


幼幻記8 仔猫とチョウマ


幼幻記9 結い髪


幼幻記10 傷つけた写真


幼幻記11 パパのおしゃれ


幼幻記12 母の笑顔


幼幻記17 命日


幼幻記18 安寿と厨子王


幼幻記 19 祖母の生誕100年 佛光寺


幼幻記 20 ホットカルピスの味


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2006年12月23日
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旅立ちの歌 ●第33回 漫研改革の道



第882回 2006年12月23日


旅立ちの歌●第33回 漫研改革の道


旅立ちの歌33

 村上の話が終ると石井文男が立ち上がって挨拶をした。
「みなさん、こんにちは。コムの石井です。
 先ずは、今回の山形まんが展の成功おめでとうございます。
 若い同人会のみなさんが、半年に二回もこれだけ大掛かりなまんが展を開くとは全国にも例のないことです。驚きです。
 マンガを描いて批評しあう同人会から、同人会の新しい流れを感じざる得ません。今日ボクがこの総会にも参加することはみなさんにとっても、ボクたちコム、いやマンガ界にとっても歴史的な日になるような気がしてなりません。それだけみなさんのマンガに対する情熱はすばらしいものだと認識してもいいでしょう」
 
 会場からは拍手が沸き起こった。

 鈴木和博は自分が朝の挨拶で言ったことと、いま石井が述べたことが同じだったのには驚いた。何かが起こるかも……と予測した。

「石井さん、ありがとうございました。
 さて、身に余るお言葉をいただきました。これから提案する『ぐらこん山形支部』結成案について遠慮のない討議をしてもらい、ここにおられる石井編集長にぜひとも、ぐらこん山形の結成の認可をしてもらいたいと思います」

 村上はそう言って、「ぐらこん山形支部結成案」を提案した。

 各漫画研修会はぐらこん山形に結集し、酒田・山形・米沢の三地区を作る。各漫画研究会の実態を見ると会員人数は少ないので、各研究会を解散して地区活動に変更をする。
 プロマンガを目指す者に対しては、コム編集部との提携によって指導にあたる。
 マンガ家のアシスタントやアニメ界へ希望する者へも情報を提供し、相談に応じる。
 マンガ同人会にとしては今後も肉筆回覧誌を中心に作品を発表する。また、コム紙上でも優秀な作品は掲載をしていくように働きかけをしていく。
 山形まんが展やマンガ家たちとの交流会も年に一回は開催し、社会的にもマンガをアピールしていく。
 
 二十人からはザワザワと声が起きた。
 
「質問、いいですか?」
 と、酒田の男性が手を上げた。
 「佐藤くん、どうぞ」
 と、村上が指して言った。
 小林は体を左右に揺すりながら立ち上がった。
「あの……、いままでの漫画研究会は解散するのですか?」
 村上はこう答えた。
「そうなんだ。それぞれの漫研は会員数も少ない。ここが一つのチャンスだと思ったんです」
「チャンスって、なんのチャンスですか?」
「漫研がまとまることです」
 村上は落ち着いて答えた。
 酒田勢はお互いの顔を見た。
「村上さん、それは酒田固有のことですね。私たちは戸惑います」
 酒田の△△漫研の女性会員が言った。
 村上が穏やかに丁寧に話を続けた。
「事務局や機関誌がそれぞれあっても手間暇が掛かるだけでしょう。その分を一つにして、酒田地区は作品を描くことに集中してはどうだろう」
 
 村上を除いた十名の酒田勢は困惑した顔をした。
 しばらくの間だったが無言の時間が過ぎ、暑い空気が会場の雰囲気を一層重くした。

 よしっ!と村上は手を打って再び話をした。
「みんなこんな案ではどうだろうか。それはね。ぐらこん会員は個人加入にして、自分の所属する漫研についてはそのままでいいということにする」
 それならいいです!と、男性から声があがり、酒田勢からは拍手が起こった。
 
 たかはしよしひでが手を上げた。
「あの、山形漫画研修会は解散してぐらこんにまとまります。だから基本的には個人加入です」
 井上はじめも手を上げて発言した。
「米沢漫画研究会も山形漫研と同じです」

「ハイ!これで問題は解決したね。みなさんはぐらこん山形支部結成をコム編集部に要請をしてよろしいですか」
 村上は会場の十九人に承認を求めた。
 
 ※佐藤=仮名です。
 
 2006年 8月18日 金曜 記
 2006年 8月19日 土曜 記
 



(文中の敬称を略させていただきました)

旅立ちの歌 ●第33回 漫研改革の道


つづく 「旅立ちの歌」第34回にご期待下さい!!





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最終更新日  2006年12月23日 20時35分16秒
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