1970年8月8日、山形県山形市八文字書店で「手塚治虫サイン会」が開催されました。漫画集団が沖政宗の招待で花笠踊りに来県された手塚治虫先生は、サイン会後、私たち「ぐらこん山形支部」というマンガ家予備軍のメンバーと交流会を催してくださいました。マンガ界のことやご自身の作品のこと、そして私たちとの今後のことなど3時間以上の交流になりました。秋田に行く特急電車をキャンセルしてまでも長時間楽しいひと時でした。あの時、ホテルオーヌマに宿泊されて描いていた作品が「トキワ荘物語」と「アポロの歌」でした。私は「アポロの歌」の下書きを見せてもらいビックリしました。あまりに簡単に省力されているからでした。あとはアシスタントが描くのだと、お付きの大村さんが申していました。
あれから半世紀たち、あの天才手塚治虫先生との出会いで人生が導かれたひとりとして、心から感謝しています。
1970年8月8日の熱い熱い夏の日が今も忘れられません。
(当時のことをホームページに書かせていただきました)