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テーマ:海外生活(7779)
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以前からよく聞いてはいましたが、こちらの人はそう簡単には謝りません。
私は以前、あるケーブルTV会社との間でちょっとしたトラブルがあり、電話で激怒したことがあります。最後にはスーパーバイザーが出てきて、ひたすら謝罪されました。それを友人に話すと、 「みらのさん、よっぽど怒ったのですね。こっちの人をそこまで謝らせるのはスゴイことですよ」 と関心されました。それくらい謝らないのです。 それに比べ、日本人はやたらと「すみません」と言い(確か日本人が一生のうちで一番多く使う言葉)、サービス業の人間は何かあれば即、「申し訳ございません」が口から出てきます。 まあ、これが悪いとは言いませんが、何かしてもらった時、「ありがとう」より「すみません」が出てきてしまうのはどうかと思います。 明らかに自分に否がなくても、お客が文句を言えばまずは謝罪の言葉が出てくる日本とは対照的に、こちらの人間は(特に企業側は)、明らかに自分が否があったとしても、それを認めることさえしない時があります。 それはやはり、訴えられた時に不利になるからだそうです。 謝ること自体、自分の否を認めるということになり、それは裁判での敗訴につながるのです。 日本では、相手側が謝罪しても、それで許すか許さないかを決める程度で、それを利用して訴える人はなかなかいないと思います。しかし、こちらでは訴える人が普通にいるようです。 なにせ、マクドナルドのコーヒーが熱くて火傷したからといって訴える(しかも勝訴する)国ですからね。 よって、アメリカには弁護士が掃いて捨てるほどおり、平日の昼間は、同時に3つのTV局で「法廷番組」がやっています(しかもどうでもいいような案件ばかり)。 なんだか、何かあれば法的手段に出るのが当然のことのようにさえ思えてきます。 同僚Kさんは以前、ヒル○ンホテルで働いたことがあり、その研修の時、 「何かあっても絶対にお客に謝らないように」 と教え込まれたそう。 うわぁ… 日本と正反対だ こちらの人は、誰かが不幸な状況に陥ってしまった時に、それを同情するような慰めの感覚で「I'm sorry」と言います。Sorryと言う言葉は、謝罪の時以外にも使われるのです。 例えば、そのホテル内でお客がすべって転んでしまったとします。そんな時に「お大事になさって下さいね」的に使う「Sorry」も言ってはいけないと教育されたそうです。 そんなことを言おうものなら、そのお客が腰を痛めたり、妊娠中だったのが流産した場合、会社側にどれだけの損害賠償請求があがるかわかったものではないからです。 Kさんは、自分が非人道的になっていく気がしたと言ってました。 私は以前、地元の電話会社とトラブルがあり(今思えば結構あるな…)、最初は自分で処理しようとしましたが、どうにもラチがあかず、法的手段を取るしかない思ったことがあります。 結局、弁護士のお世話にはならずに済みましたが、それは本当に良かったと今では思います。 Kさん曰く、やはりむやみに争ってもいいことはないのだと。 時間とお金と根気が要り、ストレスが伴い、相当なエネルギーを費やす。しかし、その頑張りはその後の人生にあまり役に立たない負のパワーのもの。 又、「アメリカは金でJustice(正義)が買える国だ」と言われるくらい、弁護士の腕で裁判の結果が左右されます。そして、裁判官や弁護士は必ずしも善人とは限らない。 何かに巻き込まれてしまったら弁護士を利用しないわけにはいきませんが、出来れば争い事の少ない平和な人生をおくりたいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年08月14日 12時10分28秒
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