数ヶ月前に女の子を出産した、知人とご飯を食べた。
いろいろ話をするうちに彼女が憂鬱そうに「旦那の実家に娘を連れて行きたくない」と言い出した。
その理由というのが「食事のマナーがなっちゃいない。」ということらしい。
旦那さんの両親は肘つきをしてご飯を食べるのだそうだ。
それを将来娘がまねするんじゃないか、旦那さんの実家で『どうしておじいちゃんとおばあちゃんは肘つきして食べてるのに私はだめなの?』というのではないか・・・などと考えるだけでいやでたまらないのだそうだ。
実際、彼女の旦那さんも結婚するまでは肘つきをして食べていて、彼女の御両親に御挨拶という場面でも肘をついていて、彼女は「あんな男と結婚するなら勘当だ!!!」と父親に言われたのだそうだ。
その話を聞いて、私は旦那のことを思い浮かべた。
うちの旦那は食事のマナーがなっちゃいない。
はっきり言って最悪だ。
肘つきをするわ、寄せ箸をするわ、犬食いをするわ、大皿の料理を自分の箸でぐちゃぐちゃかき混ぜるわ・・・。
食べ終わった後のご飯茶碗には無数の米粒がべったり張り付き、テーブルは子供が食べた後のように汚れている。
私は実は旦那の食べ方が非常に不快だったのだ。
そういえば旦那の両親もこんな食べ方をしてる!!!!
これってきっといとしい我が息子もこんな食べ方をする男になって、未来の嫁に「アンタの実家に子供を連れて行きたくない」なんていわれちゃうんだ・・・。
そう思ったらなんか末恐ろしくなってきた。
だから今日の夕飯のとき、肘つきをしている旦那に知人の話をしてみた。
「○○ちゃん、旦那さんの両親が肘つきしてご飯食べるのが嫌で、子供がそれ真似するんじゃないかと思うと旦那さんちに連れて行きたくないんだってー」
旦那はなおも肘つきしながらこういった。
「なにそれ、うるせぇ女だなぁ」
と、いっこうに私の意を汲んでくれない。
たまりかねてついに思い切って言ってみた。
「ねー肘ついて食べるのやめなよ」
だが、奴は手ごわかった。
「なんで?」
・・・。なんでって・・・。
なんか風船から空気が一気にプシューって抜けるみたいに戦意喪失した。