黙祷。
と、アナウンサーの声が響き渡ると一瞬にして蘇る7年前の3月11日。
携帯電話の緊急地震速報が全く聞こえない程の地鳴り、そして立上がる事を許さない大きな揺れ
あの日から始まった非日常の毎日。
最初の夜は恐怖と混乱に満ちていたよ。
そして恐怖と混乱に悪臭が加わり、空腹と寒さと悲しみに支配された夜が続いたな。
寒い寒い...真っ暗な世界
月と星がこんなにも綺麗に見えるとは何たる皮肉
これが長い長い悪夢の始まりだったな。
それから暫くして、私は日常を取り戻す事に必死だったな。
忘れちゃダメだよ。
そう思って全てを流し去った荒涼とした荒れ地に佇んだ夏の日。
見渡す限りの荒れ地にあるのは重機だけ。
ジリジリと焼け付く太陽の下
黙々と仕事をする荒れ地の重機
そんな荒れ地にお線香の香りが辺りを包む異様な景色に何だかジワジワと胸が締め付けられた。
重機が止まると全てを流し去った荒涼とした荒れ地の向こう側から優しく引いては寄せる波の音が聞こえてた。
黙祷。と、アナウンサーの声が響き渡る。
静寂の祈りを捧げる命の数だけ色んな想いがあるんだろうな。
脳裏に焼きついた忌まわしい記憶はこの命がある限り無くなりはしないだろうな。
それでも私はあなたに話したい。
血を分けた最愛のあなたに。
そんな70億分の1の想い
7年目の3月11日。
思い出す夜に。
忘れてはいけない夜に。
Pray for Japan