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  金剛山カトラ谷 (二輪草いま盛り)

  　木々は新緑、空は五月晴れ。風心地よく、雲のびやか。水は澄み、花清らなり。　金剛山を歩いてきました。夕刻から千早本道を登ります。既に日は傾いているのですが、それでも緑が眩しいほどの山道でした。いつとなくどことなく薄暗い金剛の植林帯の底も、鮮やかな青葉青空のステングラスのアーケードさながら、緑風林間をわたります。５月はいい月です。　千早を登るときは心肺機能の鍛錬が目的です。膝は療養中ですが登りはまったく問題ありません。懸命に登りました。季節に関係なく汗だくになるノンストップの登りです。ランニングで鍛えられたようで、今までで一番楽に登れました。足りないのは歩行速度をあげる気力のようです。　城跡に出て展望を見ますと、左に大阪湾が西日にきらめいて、右に遠く青い六甲が立ち、下の大阪も空を映したように青く見えて雲の白さがよく目立つ清々しい景色が広がっていました。　城跡広場の真ん中にある桜が咲いていました。いままで気づきませんでしたが、根元に看板がありました。「金剛ざくら　５月上旬満開　花はうすみどり」と書かれています。　寄って見上げてみると、うすみどりというほど緑系の色ではなく、ほんのりと緑味を帯びた白、というほうが近いかも知れません。蛙は緑です。　日曜に５kmのランを控えているので足の調子を見に来たのも目的の一つです。下りは負担のかかる千早ではなくカトラ谷にしました。カトラ谷を選んだのにはわけがあり、カタクリを探しに来たのです。どこに咲いているのだろうと数歩降りるごと左右注意深く見回してゆっくりと降りたのですが、見つけられませんでした。もうカタクリの花期は過ぎたのでしょうか。遅かりし、由良之助……。　しかし、それに勝る素晴らしい花が咲いていました。二輪草です。　渓流が沿い始めた辺りの脇道に少し入り込めば、お花畑のスーペリアルステージがありました。さらに降るとカトラの道両脇を可憐な白い花がふんだんに飾ります。二輪草の群生が素晴らしい道でした。　一箇所ある梯子を降り崖っぷちを通り倒木帯まで降りてきました。　植林が徐々に迫ってカトラの明るい空を隠し、渓流が冷たい色を浮かべはじめると、せせらぎにかかる山吹色が目立ちました。　自然林が多く、道は山肌を伝って岩と土を踏む山道らしい山道のカトラ谷です。林道沿いの防砂ダムの案内板を見ると昭和６０年７月に土石流が発生したそうです。カトラ谷の下は倒木が散乱しています。被害のあとでしょうか。カトラの空が明るく雑木林が広いのも土石流の跡地だからでしょうか。植林を押し流された林業の人のことを考えると手放しに喜ぶのもなんですが、花の多い５月のカトラ谷は素晴らしいコースでした。

  2007.05.06

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• 英語名言集より -４４-

  英語の勉強です。今回選ったのは英語圏以外の国の人の言葉ですから、それぞれは英語に訳されたものと思われます。■ Every man has three characters - 　　that which he exhibits,　　　that which he has,　　　　and that which he thinks he has.　　　　　　　　　　　　(Alphonse Karr)exhibitsは「展示する」。「表向きの顔」と「素顔」、ここまでなら普通ですが、３つ目の"he thinks he has"で考えさせられます。交差倒置法が名言の一つの定型であるなら、この列挙足払法(便宜上命名^^;)も定型の一つですね。列挙足払法の典型として思いあたるのは、ドイツの詩人リュッケルトの下のものです。「人は次の五つの理由で酒を飲むことができるのである。　まず祝祭日のため。つぎにその場の渇きを癒すため。　それから未来を拒むため。その上に美酒をたたえて。　最後にどんな理由からでも。」アルフォンス・カル(1808-90)はフランスの作家です。■ The meeting of two personalities is　　like the contact of two chemical substances;　　　if there is any reaction, both are transformed.　　　　　　　　　　　　　　　　　(Carl Gustav Jung)personalityは「個性」。可算名詞になると具体化し「強烈な個性の持ち主」と人物の輪郭が出てきます。chemicalは「化学の」。substanceは「物質」。transformは「一変させる」。気体・液体・固体と化学変化するように、外観・性質とも変わる場合に使います。chemistryには「化学」のほかに「相性」の意味もあります。"They have good chemistry." (彼らは相性がいい)上の一文を知っていると語感がよろしいですね。カール・グスタフ・ユング(1875-1961)はスイスの精神科医・心理学者です。■ The dream is short, repentance long. 　　　　　　　　　　　　　　　(Schiller)repentance は「後悔」。"The sentence is short, sense heavy."ですね。フリードリヒ・フォン・シラー(1759-1805)はドイツの詩人です。

  2007.05.05

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• 『日本百名山』に学ぶ山の表現 その４４

  ／＼／＼／＼[空木山]／＼／＼／＼　空木(うつぎ)岳は中央アルプスの南半分に位置し、標高は2864mです。・空木はおそらく植物のウツギから来たのだろう。三千米に近い頂上には、もちろんそんな落葉潅木はない。山の上部がまだ雪で輝いている頃、山麓ではすでにウツギの花ざかりである。その景色から来た名前かもしれない。　私が空木岳を訪ねたのは、南の越百山から山稜を北上してであった。長い尾根道は、一面に匐松に覆われ、磊磊という難しい漢字が似合うような岩の群が、巨人のおもちゃ箱をひっくり返したように散乱していて、しかもそれが皆白い花崗岩なので、匐松の緑と相映じて、美しい景色を作っていた。　NHK「日本百名山」でみた空木岳からの展望は昼の景観でしたが素晴らしいものでした。見ていて空木岳に妙にフィーリングのあうものを感じました。・翌朝、暗いうちに出発した。空木岳の空は幾らか明るくなっていたが、山窪の泊り場ではまだ足元もはっきり見えなかった。再び空木岳目指して登って行くうちに、薄紙をはがすように次第に明るくなって、一面色とりどりに咲いた高山植物が美しかった。そのお花畑から匐松地帯に移ろうとするあたりで、南アルプスの影絵(シルエット)の上に出る、遮ぎる雲一筋ない完全な日の出を迎えた。　ちょっと調べました。　阪急高速バスの「アルペン伊那号」に注目です。大阪梅田から空木岳の東の登山口にあたる「駒ヶ根インター」まで一日２便、往復8,700円で運んでくれます。8:30 梅田発、13:03 駒ヶ根インター着。光前寺を経て駒ヶ根高原を通り登山開始。日没までに空木小屋に着。翌日未明から発ち、山頂でお日の出。木曽駒ヶ岳に縦走して下山。(時間がなければ駒ヶ岳ロープウェイ15:30で下山。麓駅しらびだいら15:40発のバスで駒ヶ根市へ16:24着、の綱渡りも可)　復路の高速バスに16:40乗車。21:20梅田に帰着。▼阪急高速バスの「アルペン伊那号」http://bus.hankyu.co.jp/shinsyu/ina.html▼駒ヶ岳ロープウェイhttp://www17.ocn.ne.jp/~komagane/ropeway/rope.htm▼信州山岳ガイド空木岳http://www8.shinmai.co.jp/yama/guide/00037.html ／＼／＼／＼[恵那山]／＼／＼／＼　恵那(えな)山は、東名高速上り方面で、名古屋を通過し小牧ジャンクションから中央自動車道へと入り、そこから木曽川に添わんと北上して最も寄った中津川市でまた離れていくその南に聳える2191mの山です。中央自動車道上りはこの後、恵那山をくり貫く全長8.5キロにも及ぶ長いトンネルを抜けることで岐阜から長野への県境を越します。・大昔は中仙道は恵那山のすぐ東北に当る神坂(みさか)峠を越えて伊那谷へ出た。神坂という名は日本武尊が東征の帰り道に通過したからだと伝えられている。事実、万葉集にも「千早ぶる神のみさか」という歌が載っている。万葉集の歌は巻二十(4402)、次の歌です。　ちはやぶる神の御坂に幣奉り斎ふ命は母父がため　(万葉集)こちら「荒ぶる神の棲む神坂峠　～東山道・古文学の里　阿智・園原～」http://www.sanennanshin.com/koko/k8_achi.htmの頁にて歌の背景を教わることができます。・その夜は峠の近くの小屋に泊り、翌朝そこからすぐ近くの富士見台を散歩した。広々とした高原で、夏は牧場になる。その原から幾度も私は恵那山を眺め返した。雪を点綴した頂の長い恵那山は、まるで長城のように悠然とそびえ立っていた。　恵那はもと胞山と書き、その山名は、イザナギ・イザナミの二神が天照大神をお生みになった時、その胞(胎児をおおう膜)をこの山頂に納めたという古伝によるものだそうです。

  2007.05.03

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• 平原綾香 ConcertTour2007～そら～ in大阪

  　５/２は平原綾香のコンサートに行ってきました。ツアータイトルは、５枚目のアルバムのタイトルと同じ「そら」です。同じ空を通じてつながっている皆に歌声が届けば、という願いを表現したものです。青空に浮かぶ雲の光景をステージバックに配し、最初、袖にヒレのついた白い衣装で登場した平原綾香は一片の雲のように軽やかに歌い舞い続けて２時間を魅せてくれました。　演出が印象的だったのは、ステージ前面に半透明のスクリーンを降ろして流れる雲を映し、スクリーン裏側でリフトに乗る平原綾香がシルエットで空に浮かびながら歌う舞台です。コンピュータのデスクトップデザインが牽引しているのか、半透明処理がステージ全体にスケール大きく施され視覚的な演出が楽しめました。ただ、空の中に溶け込んでいく映像は鎮魂を連想させ、歌詞の心以上にしんみりした気持ちにさせられました。　トークで印象的だったのは、ロビーで販売中のアルバム「そら」の宣伝、「今なら定価で買えます！」。ウケるところだったのか微妙でしたが、大阪のファンは慎重派が多かったようです。　観客側で印象的だったのは、「君といる時間の中で」のペンライトです。「♪ 一秒、一秒」のところだけ欠かさず振りかざすリアクションは、控えめでありつつも一体感に十分酔えそうな魅力があり、手元にライトのないのが悔やまれました。　新旧の曲を織り交ぜてたくさんの曲を歌ってくれました。なかでも紅白曲でもある「Jupiter」「明日」の場数を踏み抜いてどこかの境地に達した感のある曲は、歌声にのって自分が会場とともに異次元へ飛ばされている感覚を味わいました。　アンコールは、アルバム「そら」の初回盤ボーナストラックと同じように「Come On A My House」の"Come On A My Osaka festival hall"版。　会場は大阪フェスティバルホールでした。このホールは中ノ島地区再開発のため近く建替えされるそうです。40階前後のツイン超高層ビルが建ち、現ホールが本格オペラ上演もできる大型ホールとして生まれ変わるのは2013年になるそうです。またこの再開発にあわせ京阪電鉄が天満橋から中之島線という支線を延ばします。こちらは2008年と一足早く来年に開業の予定です。　地は激しく変わりますが、空は変わらず同じです。

  2007.05.02

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• 棕櫚・紫花菜

  　…━[シュロ]━…シュロ(棕櫚 hemp palm)です。hemp は麻繊維。palm はヤシ、シュロです。palmには「手のひら」という意味があり、シュロの葉が手のひらに似ているところから、シュロは palm になりました。ヤシ科です。棕櫚と聞いて思いだすのは近松門左衛門の『曾根崎心中』です。棕櫚と松との相生の下で二人は果てるのですが、棕櫚と松が相生になる図が私には想像できませんでした。相生の癒着度にも幅があるので、単に根が近いというだけだと思うのですが、全国方々にある夫婦杉のように、二股に近い棕櫚と松の相生もあるのでしょうか。　…━[ムラサキハナナ]━…ムラサキハナナ(紫花菜 sweet rocket)です。紫花菜のほかに、諸葛采、オオアラセイトウ、花大根という名もあります。sweet rocketは「良い香りのする打ち上げ花火」と見ればよいのでしょうか。アブラナ科です。４弁の花びらが十字架に見えるところから、アブラナ科の花のいくつかは十字架植物と呼ばれています。

  2007.05.01

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  槇尾山(601m) ～蔵岩・清水の滝～

  　連休の後半は天候が崩れるとの予報を見て、快晴の日に山へ行きたくなった。膝療養中なので、歩行は往復３時間とした。ＧＷなので混雑は避けたい、ということで近場の槇尾山になった。　筍の無人販売を横目に見つつ、山藤の咲く新緑の山間を通り抜けて麓に着くと、数箇所ある駐車場はどこも満車で路上駐車が多かった。こんなに混んでいる槇尾山は始めてだ。もう正午なので帰る車もあるだろうと準備に時間を潰しつつ駐車場で少し待つと、程なく停めれた。　車道の両脇にシャガが今盛り。蔵岩への道を登る。　この道は案内板に載っていないので、車が溢れるこんな日でもすれ違うパーティは少ない。蔵岩までの途中１パーティとすれ違っただけだった。しかし、見晴らしの良い蔵岩では８名ほどの所帯がランチタイムの真っ最中だった。クライマーも２名いた。　帽子の欠かせない快晴、さぞ眺めも千里を越して、という期待は外れ、河内上空はかすみ大阪湾も関空も見えない。数日前に降った雨が蒸発して幕を作っているのだろうか。　尾根道を辿り、槇尾山山頂601mを踏む。目立つ花といえば椿。山躑躅もちらほら。麓からずっとカタクリを探しているが見つからない。　山稜コースに合流すると、すれ違うパーティがぐっと増えた。私の予想では、槇尾山に来る人の三分の一が西国三十三所施福寺の参拝、三分の一が施福寺までピストンするハイキング、残りの三分の一が桧原越一帯の山歩きという割合ではないかと思う。　清水の滝への道を降りる。谷間ならカタクリが咲いているかもと探したが見つからなかった。屋根を激しく叩いた数日前の大雨は、市内だけだったのか、滝の水量は少なかった。▲清水の滝　滝でランチを取った後、五つ辻から根来谷を降りた。葉の真ん中に花の咲くハナイカダが咲いていた。　体にナナフシが付いていたのでマムシグサの上に降ろした。まだ小さい。　都心の公園や植物園ではカマキリをよく見るが、山中ではナナフシの方が多いように思う。たまたまかも知れないが、金剛山の千早本道、岩脇寺からの山道、南葛城でも見た。この山系はナナフシの繁殖地なのだろうか。それともただ歩いた頻度に応じて出会っているだけなのか。子供の頃から珍しい虫だと思っていたので、見つけると嬉しい。　足休めがてらにじっくりと撮影したが、谷道の薄着らさでブレてうまく写せなかった。▲途中下車願ったナナフシ　療養中の膝はというと、段差で降ろす足の内部に炎症の痺れをじんわり感じる程度の、痛むほどではない違和感はあった。長時間の歩行もしばらくは控えておこう。

  2007.04.30

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• 堺シティマラソン(10km)

  　10kmマスターズのレースを眺めながら会場までの道を軽くジョギングした。実は膝が痛い。先週に１０キロを３回、今週に１回走っただけである。中一日はあけたし、膝の衝撃はかなり気遣っていたつもりだ。水曜に半分の５キロを走って痛みを覚え練習を中断した。　４日過ぎてどうだろうかと膝に調子を訊くジョギングである。少しズキズキする。やはり膝の弱さは私の持病である。過負荷をかけない限り表面化しないので日常生活では困らない。病というよりも致命的なウイークポイントというべきか。　参加記念品だけもらって帰ろうかと思いながら、会場について受付を済ませて、公園の内周を軽く１周ジョギングした。少しずつほぐされてきて痛みは消えた。この感触なら走れるかなと帰宅は思いとどまった。ただ、いま走れば悪化するのは免れない。１回の無理が３ヶ月尾を引くぞと自分に言い聞かせたが、もう走る気になっていた。　公園内には山岳用の１～２人用のテントがちらほら見かけられた。前日に来て泊まっているのだ。こういう遠征スタイルもあるのだなと感心する。　合同で準備体操をしてスタート地点へ移動。スタート５分前。ここで私は、皆が少しでも前へ前へと出たがるのと反対に、先頭付近から最後尾へとポジションを移した。スタート直後の混雑に揉まれるのをおそれたのと、膝のために無理をしない位置にしようと思ったのと、どうせタイムにこだわらないなら抜かれるより抜くことの多い最後尾がいいかなと考えたからである。　天候は申し分なし。１２：２５、スタート。しばらくは混雑でもどかしく走る。でも最初の２キロは抜くばかり。たいへん気持ちいい。最後尾スタートがヤミツキになりそうだ。　３キロもいくと周辺の人の実力レベルが揃ってきた。膝は温まって調子いい。調子はいいが悪化させているのは確かなのでちょっと憂鬱。コースはほぼフラットなのだが、わずかな勾配であっても、自分が上り坂に強く下り坂に弱いのがまわりのペースとの差から察せられた。上りに強いのは金剛山の千早本道のおかげだ。　後半もう少しピッチをあげたかったが、膝下半分いうことの聞かない足がやや重く、付け根の筋肉が悲鳴をあげはじめていたので、鍛え方の足りなさを痛感しながら走った。　５７分後半でゴール。スタートで１分もたついたとみて、ほぼ練習通りのタイムである。走れただけで嬉しかったし、しかも実力通りの結果なので大満足である。　しかし、この膝をどう鍛えていけばよいのだろうか。とりあえず無理をかけた分が尾を引かないことを願いつつ、さすりつつ。

  2007.04.29

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  ラチスを立てて、レンガを積んで

  　実家の造園工事を再開しました。　去年の秋、実家の庭のプランターを無造作に並べていただけの一角に、レンガを積んで花壇を造り、木造のパーゴラ兼アーチを置きました。ラチスのパーテーションを組みハンギングを並べました。もと斜面だった地形も手伝って立体的な庭になりました。　花壇が一期工事で、この部分は大成功です。　駐車場の下に砂利を敷きアクセントにタイルを飛び石風に配し、砂利の仕切りにレンガを埋めて両側に芝を並べました。完成当時は良かったのですが、買ったタイルが薄すぎて何枚かは車の重みに耐えかねて割れてしまいました。砂利は徐々に斜面を転げてレンガの枠内から飛び出し、辺りのエントロピーは着実に増大しています。　芝は処分品の格安を買ったため９割以上は春の今も枯れ色のままです。誰が見ても隣の芝が青く見えるのは永年保証という感じです。　二期工事にあたるこの部分は、反省点多しです。　三期工事は車用ゲートの横手の装飾です。腰高のブロック塀になっている味気ない段差を演出します。ラチスのフェンスを立て、下にはレンガを積みます。レンガのトップにテラコッタを置けるようにし、ツタの植物を植えてラチスにからませ視界のグリーンを増やします。支柱の強度が十分に確保できたら、大型のハンギングフックを取り付ける予定です。　三期工事の途中で冬になり、寒さのため休止しました。　一度休んでしまうと再開が億劫になるのは何事につけてものことでしょうか。終日戸外にいても寒くはなくなっても、この５月間近まで延ばし延ばしとなりました。　ボウフラが発生するとやっかいなので、まず睡蓮の水瓶にメダカを入れることにしました。(メダカはこのブログで、たっくmmmmさんからアドバイス頂いた案です)　１８匹ほどを放ち一週間が経ちました。全匹とも無事に環境に馴染んでくれてピンピン泳いでいます。　さてゴールデンウィークは出かけても混むので、土いじり、ではなくセメントいじりに力を入れようかと考えています。▲レンガ工事中の光景。斜面なので苦労してます。(えっ、歪んでる? ^^;)

  2007.04.28

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• 英語名言集より -４３-

  英語の勉強です。■ You are in physical existence to learn and understand　　that your energy, translated into feelings, thoughts and emotions,　　　causes all experience. There are no exceptions.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(Seth Session614)physical は「物理的な」で反対は spiritual の「精神的な」です。translate は「訳す、解釈する、移す、換算される」などです。into のあとの名詞が「移った結果」になります。causes+目的語 は、「…の原因となる、もたらす」。exceptionは｢例外」。文を分けるときは上記のように。文中に入れるときは ", without exception, "。逆に例外を挙げるときは、"with the exception of ～"。Sethは「セス資料」と呼ばれるもので、1960年代前半アメリカの女性作家ジェーン・ロバーツ(1929～1984)が交霊で出会ったスピリチュアルな教師の口述を筆記したものです。■ He who's not busy being born is busy dying.　　　　　　　　　　　　　　　　　　(Bob Dylan)"being born" をしっくり訳せるかどうかが肝です。"There's one born every minute."という慣用表現があり、この意味は「ばかな人はたくさんいる」の意味です。1分ごとに(主張の)コロコロ変わる奴、という解釈だと思います。上の being born は自身が変わるのを成長と捉えたものです。「日々、生まれ変わるのに忙しくない人は、日々、死ぬのに忙しい」ボブ・ディラン(1941-)はアメリカの歌手・詩人・作曲家です。■ To try is to risk failure, but risk must be taken　　because the greatest hazard in life is to risk nothing.　　　The person who risks nothing, does nothing,　　　　has nothing, is nothing, and becomes nothing.　　　　　He may avoid suffering and sorrow,　　　　　　but he simply cannot learn and feel and change　　　　　　　and grow and love and live.　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(Leo F Buscaglia)failure は「失敗」。hazard は「危険を冒す、賭ける」。語源はアラビア語の「さいころ」です。riskが自己の責任において冒す危険、であるのに対し、hazardは偶然に左右される、或いは人知の及ばない所の危険、です。類語は他に danger, peril があります。avoid は「避ける」。語源は void が「空(から)」で「空にする」という成り立ちです。suffering は「苦しみ」。複数形になると「災害」です。sorrow は「悲しみ」。レオ・ブスカーリア(1924-88)はアメリカの教育学者です。

  2007.04.26

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• アニソドンテア・衝羽根朝顔

  　…━[アニソドンテア]━…アニソドンテア(Anisodontea)です。　アオイ科です。アオイ科といえばハイビスカスやムクゲがそうです。中心部が紅くなるところはムクゲと似てますね。　花期は4～11月というから年中咲いている感じです。そこそこ大きく華やかな桜色、花の数も多いので、通りから目に付くところに植えれば、いつも花の咲いている家を効率よく演出できるのではと思います。　…━[ペチュニア]━…ペチュニア(衝羽根朝顔　Petunia)です。　ナス科で、代表的な園芸種です。サフィニアと呼ばれる類似の品種もあります。上のアニソドンテアと同じで花期が4～9月と長く、花は華やかで大きく、これもまたtransitionallyよりconstantlyを求めるところに向いてそうです。　花の形がこの写真からは分かりませんが、和名通り朝顔に似て、華やかで柔らかい雰囲気を醸し出す花でした。

  2007.04.25

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• 『日本百名山』に学ぶ山の表現 その４３

  ／＼／＼／＼[天城山]／＼／＼／＼　天城山は、富士の南東から葡萄一房の形して垂れ下がる伊豆半島のほぼ中央部に位置する山脈をさしていう山名です。最高峰は万三郎(ばんざぶろう)岳の1406mで、遠笠山、万二郎岳、猿山、長九朗山といった峰が並びます。・天城山へ登る機会を逸していた一つの理由に、その五万分の一の地図が無かったせいもある。要塞地帯だったからだ。地図を持たない登山は私には興味索然である。天城で一番高いのは万三郎岳、次は万二郎岳というぐらいは心得ていても、やはり地図の等高線を数えながら登るようでないと面白くない。　手元にあった旺文社の「山と高原地図49 金剛・葛城」が５万分の１の地図でした。２cmで１km、「親指を押し当てた幅が１キロ」と教わった覚えがあります。　地図上で水越から千早までの金剛山がちょうど手の平と重なりました。手の平に土を盛り上げたら、それはおよそ５万分の１の金剛山ということです。・天城のいいことの一つは、見晴らしである。煙を吐く大島を初め、伊豆七島がそれぞれの個性のある形で浮かんでいる海が眺められるし、いつも真正面に富士山が大きく立っている。全く大きい。天城の写真といえば、大てい富士山が取り入れられてある。それくらい天城にとって欠くことのできない背景である。　地図で見ますと、川端康成の「伊豆の踊り子」の碑がありました。道の駅「天城越え」がありました。「天城越え」といえば石川さゆり。歌詞に地名と思しきものがいくつか登場します。　♪ 寝乱れて 隠れ宿 九十九折り 浄蓮の滝　♪ わさび沢 隠れ径 小夜時雨 寒天橋周辺はワサビが特産のようで、414号線沿いに浄蓮の滝がありました。 ／＼／＼／＼[木曽駒ヶ岳]／＼／＼／＼　木曽駒ヶ岳の標高は2956mで中央アルプスの最高峰になります。・同じ信州の木曽谷と伊那谷の間を仕切って、蜿蜒と連なった山脈、普通これを中央アルプスと呼んでいる。その主稜は、北の茶臼山から南の越百(こすも)山までの長い間、二千五百米以下に下ることがない。全くの屏風である。　北・中央・南のアルプスの位置が描けるようになりました。諏訪湖を中心として、３時から４時の方向に八ヶ岳、５時から６時に南アルプス、７時の方向に中央アルプス、８時から９時に御嶽、９時から１０時は乗鞍、１０時から１１時に北アルプスと取り囲むように雄峰が並びます。１２時の方向は天井が抜けたように美ヶ原。１時は遠くに浅間山。　精度のよい時計を作るには水の綺麗な場所が必要とかで、ヨーロッパの時計メーカーがスイスに集うように、わが国の時計メーカーも諏訪湖に工場を持つと習った記憶があります。その時計に縁のある諏訪湖を中心にし四周の山を文字盤上に配すれば、主要な山脈がほぼ網羅されますね。・何より立派なのは西方に大きく裾を拡げて泰然とそびえた御嶽で、東の方には南アルプスと八ヶ岳、南に眼を移すと、鋭い岩峰の宝剣岳の右に、空木岳と南駒ヶ岳の二つが背比べをするように並んで立っていた。頂上と中岳の中間はお庭と称する広々した美しい原で、そこをブラブラさまよっていると、時のたつのも忘れた。

  2007.04.24

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• 英語名言集より -４２-

  英語の勉強です。■ The biggest lesson I've learned was that　　If you have all the fresh water you want to drink　　　and all the food you want to eat,　　　　you ought never to complain about anything.　　　　　　　　　　　　　(Captain Eddie Rickenbacker)oughtは義務・当然・適当・必要を表します。ought never toで「すべきでない」。complain　不平(ぐち, 不満)を言う.エディ・リッケンバーガー(1890-1973)は、２１日間太平洋を漂流したアメリカの飛行家です。■ In truth,　　people can generally make time for what they choose to do;　　　it is not really the time but the will that is lacking.　　　　　　　　　　　　　(John Lubbock)generallyは「一般に、概して」。willは「意志」。意志・意思は似た言葉です。辞書によると「意志」は、物事をなすにあたっての積極的なこころざし。「意思」は、心の中に思い浮かべる、何かをしようという考え。思い。後者は法律用語として使われ「意思表示」のイシはこちらです。前者は「意志薄弱」など心意気の強いイシです。対応する英単語は、意志がwillで、意思は intention, wish, purpose。ジョン・ラボック(1834-1913)はイギリスの政治家です。■ When I hear somebody sigh, "Life is hard,"　　I am always tempted to ask, "Compared to what?"　　　　　　　　　　　　　　　　(Sydney J. Harris)sighは「ため息をついて言う」。後が引用になるのはパターンです。tempt to do で「～してみたくなる」。シドニー・J・ハリス(1917-1986)はアメリカの新聞記者です。

  2007.04.23

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• 2007オリンピックデーラン大阪大会(5/13)

  　図書館で『2007オリンピックデーラン大阪大会』のリーフレットが目に留まった。５月１３日(日)に大阪長居公園でスポーツイベントが開催されるらしい。　オリンピック出場選手(オリンピアンと呼ぶ)が多数招かれ、オリンピアンが一般参加者に交じって競技に参加したり、ワンショットのスクールを開いたりすることで、オリンピック精神の啓発を促しスポーツの感奮興起を図る、という主旨の大会である。http://www.joc.or.jp/event/dayrun/2007/osaka/index.html　注目したのはランの競技で、５km、３km、１kmと３種のジョギング大会が催される。１０kmのないのが残念。しかし参加無料でＴシャツをくれるというのは嬉しい。　千人ぐらいが一斉に走るお祭りでタイムにこだわる大会ではなさそうだ。でもそこらを普通に走るよりかは色々と刺激を受けること多そうで、無料ということもあり参加してみたくなった。申込順で先着１０００名とある。サイトを見ると募集中とあったのでまだ間に合いそうだ。(最終締切は５月１日)　さっそく申し込みの往復ハガキを投函した。　長居公園まで７kmはあるだろうか。これを走ることにし、会場で申し込みしてスタートまで１時間待ちの休憩をとって、５kmのラン、帰り道にまた７km。３セットのトレーニングの日という計画にしよう。５kmは全力で走る。１０km４５分のペースは５kmだと半分の２２分半。目標タイムはコースの混雑を考慮して２３分だ。

  2007.04.22

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• とりな図鑑update報告

  　とりな図鑑に１９種を追加しました。　１０キロコースを走りました。　本で学んだとおり、前傾姿勢で顎を引いてスッスッハッハッの呼吸を意識して走りました。これで５分は早くなったかなという感触はあったのですが、ゴールしてタイムを見れば５６分とたいして変わらずでした。　それでも１分早くなりました。僅か１分ですが、５７分の中の１分はパーセンテージで考えると約１.８％です。１キロ走って、前回の私に１８ｍの差をつけたのです。そう考えると多い……という話の展開がパターンですが私には多いとは思えません。　足のピッチをあげて衝撃を落とし、高心拍数を維持して走るのが良さそうだ、と方向は見えているのですが、もう大会まで日がありません。　週間天気予報によると大会日２９日の降水確率は現在のところ20%で、少なくとも雨に見舞われることはなさそうです。

  2007.04.21

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  万葉漫歩と岡寺

  　奈良盆地の南東の端、農道をのぼり山につきあたった所、山の傾斜がきつくなり始める所に第七番の札所岡寺はあった。門前には地元産の苺あすかルビーが１パック\250で無人販売の棚に並んでいた。八朔も置かれ苺ともに粒揃いで色ツヤが好く、無人販売とはいえ手抜きの作物でない点に地元農家の人たちの農作物に対する気持ちが窺えた。　岡寺は正式には竜蓋寺という。かつて豪雨暴風が幾日も続いたとき、苦しむ村人を救うため岡寺の開基にあたる義淵僧正が竜を池に閉じ込め石で蓋をした。八大竜王雨やめたまえを聞き入れなかった竜を封じたのが岡寺の始まりであり、当の池は本堂前にある。岩風呂ほどの大きさの小さな池(写真手前)で石が立っていた。日照り続きのときは、その石をずらしてやると雨が降るとか降らないとか。雨に栓をつけたという話は面白い。池の中に竜がいるかは別として、伝説が沈められていることだけは確かである。　やっかいなものを封じる力は崇められ、岡寺は厄除けの寺としても知られている。　こぢんまりした寺にはもう一つおおきい話がある。粘土で作る仏像を塑像と呼ぶ。塑像は奈良時代によく作られ平安時代以降は木像に移っていった。岡寺の本尊如意輪観音像は高さ約4.6mの塑像で、わが国現存最大の像になるという。　飛鳥王国のパスポートを購入すると３００円の参観料が少し安くなる。岡寺の属する明日香村には観光スポットが多数あり、それらを巡るガイドブック兼クーポン集が「飛鳥王国パスポート」である。岡寺、飛鳥寺、橘寺、石舞台古墳、高松塚古墳壁画館、飛鳥資料館、万葉文化館、犬養万葉記念館の料金が団体適用され少しお安くなる。　参観の後はいつも山に足を向ける私であるが、このときは古代ロマンの里明日香を巡ることにした。　まずは犬養万葉記念館へ。万葉集研究に生涯を捧げた犬養孝(明治４０年生)を多角的に知る資料が展示されていた。ビデオで犬養節が流れていた。タバコの空き箱で作った万葉集カルタがあった。著書『万葉の旅(上・中・下)』の取材のために各地をまわったときのメモ書きが２階の片隅にあった。本人だけがかろうじて読める走り書きの紙切れは、私が西国三十三所をまわりながら時々メモをとる紙切れと雰囲気が似ていたので、励みになった気がした。　そのあと万葉文化館へ。万葉学者中西進館長のこの施設は、日本の文化の根底にある万葉の大きさをまずはその施設のスケールでもって伝えんとしたのか、広い敷地に巨大な館が悠々と配され、また建物内部も広々としてむしろ落ち着かないほどである。凝った演出が楽しい万葉劇場の３本の作品を観る合間に展示資料を見て回った。等身大の模型やマルチメディアを駆使した展示物が見尽くせないほど並んでいた。　採算に囚われない県立の強みを存分に活かした妥協のないこだわりと丁寧で細かい説明に長時間ひたったのちに館を出ると、現代の空気がくすんで映った。万葉の世界にインスパイアされて想いここにあらずの心地であった。　万葉づくしの２箇所をまわっただけで夕方になった。岡寺と万葉を観て、自然と歴史と信仰のなかに調和のとれた素朴さを感じた明日香の漫ろ歩きであった。西国三十三所第七番観音霊場東光山岡寺御詠歌～　けさ見れば露岡寺の庭の苔さながら瑠璃の光なりけり　～

  2007.04.19

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• ホワイトツリー・花水木

  　…━[ホワイトツリー]━…ホワイトツリー(エレモフィラ・ニベア silky eremophila)です。　エレモフィラ・ニベアは学名です。　ハマジンチョウ科というあまり聞かない科でした。ハマジンチョウは漢字で浜沈丁と書き、この字から想像できる通り、輪郭のはっきりした濃い緑の葉と弾けるように反って開く花を咲かせる、いくぶん沈丁花に似た花木です。ホワイトツリーはそのハンジチョウにあまり似ていません。　銀葉アカシアや白妙菊など恒常性樹氷な植物はいくつかありますが、このホワイトツリーの白さもなかなかのものです。ホワイトツリーという名は白山やモンブランと同じですから、それぐらいはないと名前負けです。　…━[ハナミズキ]━…ハナミズキ(花水木 dogwood)です。　アメリカヤマボウシとも言います。山法師と同じミズキ科です。　花水木は過去に春と秋で２回取り上げています。３回目にもかかわらず取り上げる理由は、蝶の寄り添う一枚が撮れたからです。以前、ソラマメの白い花を覗き込んだときに擬態しているモンシロを２匹見つけました。このハナミズキに乗っかるモンシロもぱっと見ぜんぜん分かりませんでした。モンシロはなかなか擬態がうまいですね。　休息中だったようでカメラを寄せても逃げず、ちょっと楽しい一枚が撮れました。

  2007.04.18

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• 『日本百名山』に学ぶ山の表現 その４２

  ／＼／＼／＼[丹沢山]／＼／＼／＼　丹沢山は、神奈川県の北西部を占める広大な山塊の中央部に位置する1567mの山です。丹沢山からずっと厚木市によった所に1252mの大山、西に1601mの檜洞丸、北西に最高峰1673mの蛭ヶ岳といった峰が、東西40km南北20kmの広大な山海の中に聳えています。・丹沢という名前が世間一般に強く印象されたのは、関東大震災だろう。その震源地として急に有名になった。しかし登山者が大勢押しかけるようになったのは、それよりずっと後で、おそらく山麓を小田急電車が走るようになり、距離の近い横浜山岳会が塔ヶ岳の上に山小屋を建てた頃からであろう。横浜山岳会の丹沢に対する貢献も忘れてはなるまい。　関東大震災は、小田原と三浦半島で１５秒の間をおいて発生した２つの大地震が重なったものだそうです。丹沢山地では地盤の沈降と土石流がおこり、谷の地形を特徴的なものにしました。・私が百名山の一つに丹沢山を取り上げたのは、個々の峰ではなく、全体としての立派さからである。丹沢山塊という名称は、多分、高頭式の『日本山岳志』から始まったのだろうと思うが、ただ表尾根を歩くだけでなく、その奥深く入れば、山の規模は大きく複雑で、容易にその全貌をつかめない。　都会と自然がこれほど接近している例は日本でも珍しいと、映像でみた『日本百名山』で語られていました。丹沢に踏み入ったのを端に山に魅せられる人が少なくないのだそうです。 ／＼／＼／＼[富士山]／＼／＼／＼　日本一の富士山ですが、この書中では世界一であると力説されています。・世界各国にはそれぞれ名山がある。しかし富士山ほど一国を代表し、国民の精神的資産となった山はほかにないだろう。「語りつぎ言ひつぎゆかむ」と詠まれた万葉の昔から、われわれ日本人はどれほど豊かな情操を富士によって養われてきたことであろう。　登頂記によると、早い時期から登られた高峰として富士は世界記録に含まるのだとか。普段、山に通わない人でも「一度は富士山を」と志す民衆的な山で、一夏の登山者数も世界一だろう、ともあります。　金剛山の登山者数は富士山に次いで多い、と何かで読んだ覚えがあります。とすれば、金剛山は世界第２の可能性があります。ただし「重複する人を除く」という条件をつけたら、金剛山は第２から一気に転落、後ろから数えたほうが早い、とまではいかないにしても一般的なあたりにおさまるように思います。・富士を語ってやまなかった小島烏水氏の文章に「頂上奥社から海抜一万尺の等高線までは、かなりの急角度をしているとはいえ、そこから表口、大宮町までの間、無障碍の空をなだれ落ちる線のその悠揚さ、そのスケールの大きさ、そののんびりとした屈託のない長さは、海の水平線を除けば、凡そ本邦において肉眼をもって見られ得べき限りの最大の線であろう」とある。　私はまだ富士山に登ったことがありません。関西発のバスツアーのパンフを何度か手にしたことはあるものの行動にはいたらずでした。眺めて素晴らしい山が登って素晴らしいわけでない、という気持ちがブレーキになっていました。しかし最近は、眺めるにしても、当の山に登ったという体験をもっていれば、その登山が好くても悪くても、景観は感慨一入になるんだろうなと思うようになりました。　春春から鍛えているので体力的に登頂はできると思います。富士山は７月１日に山開きです。今年は登りに行くつもりです。

  2007.04.17

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• 苦しい時の本頼み～『ゼロからのマラソン』

  　３回目実地ランでタイムは５６分だった。前回よりペースをあげたつもりだが、タイムは苦しさほどではない。フォームに無駄が多いのだろう。書籍から学ぶことにする。■ GAKKEN SPORT BOOKS『ゼロからのマラソン』　サウナは一時的に水分を減らしているだけで根本的なダイエットになっていない、とある。脂肪を燃焼させないとダメなんだそうだ。脂肪を減らす運動を有酸素運動という。代表的なものは、ウォーキング・水泳・自転車・ランニングで、各２０分以上は続けることが条件である。　３０分の消費キロカロリー　　　ウォーキング　１６９　　　　　　　水泳　２７０　　　　　　自転車　１３５　　　　ランニング　２８５　心拍は１２０程度が良いそうだ。軽いランニングが最も効率のよい運動ということになる。１５分も走ると、そのままで長い距離を楽に走れるような気持ちになる。ランナーズ・ハイという高揚感である。　ただし１０km走は最高心拍の９割を維持するペースが求められる。　呼吸は吸うよりも吐くことを優先させる。吐けば自ずと換気される。吹き矢を１ｍ先に飛ばすつもりで、フッ、フッ、と２回吐いて、２回もしくは１回吸う。　食べてすぐに走ると胃に悪い。空腹時に走ると脂肪燃焼率が良いそうだ。　ランニングフォームは「重心」「腕振り」「着地」が重要ポイント。　　　重心 ― 身体の縦軸を真っ直ぐにし、肩の力を抜き顎を引く。　　　　　　　重心は全身を前傾させて移す。　　腕振り ― 腕はリラックスして、引きを意識して振る。　　　着地 ― 足の裏全体で着地するイメージで。　　　腰高 ― 腰を高くするとスピード向き。　　　　　　　(膝をあまり曲げずに足の高回転をキープする走り)　　　前傾 ― 蹴り出して走るのではなく、前傾で重心を動かす。　歩幅を短くして走るのをピッチ走法、大きくとるのをストライド走法という。マラソンには、上下動の少ない、つまり無駄が少なく負担の小さいピッチ走法がよいとされているが、１０km走だと個人のスタイル次第でどちらがよいとはいえない。　１０kmのタイムからフルマラソンのタイムが次の式で求まるそうだ。　５.４８ × 10kmタイム(分) － ２８　いま10km５６分の私は４時間３９分。目標の４５分だと３時間３９分。10km４５分は目標が高すぎたようだ。ちなみに男性で３時間切る人をサブスリーと呼び、ランナーからレーサーに昇格するのだとか。　後半にいくほどペースを上げるのをビルドアップという。これは身体が温まってから負荷をかける点が理にかなってよい。緩急をつけて走るのも有効である。　大会では、スタート直後のオーバーペースにのまれないように注意すること。【まとめ】・呼吸は、フッ、フッ、ハ、ハと吐く優先で。・蹴るのではなく重心で前へ。・背筋を伸ばして前傾姿勢。肩の力は抜く。・無駄な動きは上下動である。・食べた後は走らない　『ゼロからのマラソン』は要点が判りやすい本だった。　次の実地ラン・トレーニングが楽しみである。

  2007.04.16

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• 編み笠百合・大待雪草

  　週末に１０キロコースを再び走りました。新調したシューズを使いました。履き心地は良く軽快に走れました。これで５分は縮まったかなと思ったのですが、ゴールしてみたらわずか１分早くなっただけでした。　フルマラソンに比べたら１０キロは短いけど、力をごまかせない距離分はあるなと感じました。　…━[アミガサユリ]━…アミガサユリ(編み笠百合,貝母 fritillary)です。　バイモという名もあります。バイモは漢名「貝母」の音読みです。編み笠百合よりもう少し園芸向きなフリチラリアという品種もあります。英名のfritillaryはそれらと一括りにした名前です。ユリ科でクロユリに近い仲間です。　…━[スノーフレーク]━…スノーフレーク(大待雪草 snowflake)です。　スズランに似ているところから鈴蘭水仙とも呼ばれます。仲間にスノードロップという花があり、そちらを待雪草と呼びます。背の低い待雪草を大きくしたスノーフレークが大待雪草というわけです。　スズランはユリ科ですが、こちらはヒガンバナ科になります。　ちょんちょんとあしらった緑のワンポイントがおしゃれです。なぜここに緑の点が要ったのか、花に問い詰めてみたい気がします。

  2007.04.15

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• 『日本百名山』に学ぶ山の表現 その４１

  ／＼／＼／＼[瑞牆山]／＼／＼／＼　瑞牆(みずがき)山は、前回の金峰山の少し奥に位置する2230mの山です。・昔の人は山の名をつけるのに、今の山岳団体が会誌の名前を考えるように凝らなかった。抽象から遠く、ごく現実的な名をつけた。山の形や色や地勢から推して、槍だの赤岳だの大崩だの。それからまた卑近な身廻りの道具の名を取って、笊だの鞍だの屏風だの、とつけた。だから今、美しい文学的な山の名があれば、それはたいてい後世の宛字と見ていい。　山稜が三つに分かれる地形を三繋ぎと呼ぶ例をあげ、瑞牆は三繋ぎの転じたものとする著者の憶測が述べてられています。　金峰山を玉垣、この山を瑞垣と名づけたという説もあるそうです。玉垣、瑞垣とも神社の垣根を意味します。・この山は岩峰の集合体とでも言うべきか。岩峰群を持った山は他にもあるが、瑞牆山のユニークな点は、その岩峰が樹林帯と混合しているところである。まるで針葉樹の大森林からニョキニョキと岩が生えているような趣である。　変わった名前の山といえば、ポンポン山、ゴロゴロ岳が関西にあります。昔の人は山の名をつけるのにここまでおざなりでもなかった(?)ようなので、これらも後世のものなのでしょうか。 ／＼／＼／＼[大菩薩岳]／＼／＼／＼　大菩薩岳は、雲取山の南西10キロほどの位置にあり、大菩薩嶺(だいぼさつれい)と記されています。標高は2057mです。戦前に新聞で連載されていた長編時代小説『大菩薩峠』により、その地名は広く知られるようになりました。・その膨大な長編は、次のような書き出しで始まっている。「大菩薩峠は江戸を西に距る三十里、甲州裏街道が甲斐の国東山梨郡萩原村に入つて、その最も高く最も険しきところ、上下八里にまたがる難所がそれです。」・むかし甲州表街道を何かの理由で憚った旅人は、この裏街道を採用した。その最高所大菩薩峠の上には妙見堂があって、そこに立つと甲州、武州両方面の山岳重畳が見渡された。明治初年、青梅街道が丹波川に沿って付け変えられてから、峠を越す人も稀になり、道は荒れるに任せたが、その廃道が再びハイキング・コースとして復活し、現在の繁昌を見るようになった。　中央自動車道の付近が甲州街道にあたります。丹波川は、奥多摩から甲州市へ続く国道411号線のラインです。地図を見ますと、奥多摩湖の水が雲取山と大菩薩嶺から集められていることがわかります。　名前からいかめしい印象を受けますが、映像で見ますと、ゆったりした背にカヤトの広がる憩いの山頂付近でした。 ／＼／＼／＼／＼／＼／＼／＼／＼／＼

  2007.04.14

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  探究と成長の５月

  ５月のカレンダー作りました。デスクトップに貼ってお使いいただければ幸いです。写真は 野鳥大好きさん撮影による鳩です。挿入した詩はイギリスの詩人T・S・エリオット(1888-1965)の詩です。We shall not cease from explorationAnd the end of all our exploringWill be to arrive where we startedAnd know the place for the first time.　　　　　　　- Thomas Stearns Eliot -訳してみました。探究は尽きせぬ。果てに着くは踏み出しの地なり。そしてその地を初めて知るに到る。

  2007.04.12

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• 堺シティマラソン

  　図書館の入り口で、ふと目をとめたカタログ立てに「堺シティマラソン」のパンフレットを見た。　山を歩く私は、早朝や夕暮れに公園のまわりを走る人を見て、同じ足腰の鍛錬をするなら、なぜ山を歩かないのだろうと不思議に思っていた。だからシティマラソンにはこれまでまったく関心がなかった。今も町中を走りたいとは思わない。　しかし、来年のチャレンジ山岳で６時間台を目指すには、膝まわりの基礎筋力を鍛えねばならない。アスファルトの路面を長時間走っても無理のこない足回りを育てるのが、当面の私の課題である。　堺シティマラソンは、世界最大の墓である仁徳天皇陵と、その南に接する大仙公園を周回する。コースは日常通る所なので知っている。町中にしては緑の多い、ウォーキング派や犬の散歩派に人気の道である。「堺シティマラソン」(申込4/13迄)http://www.sankei-kansai.com/event/sakai/index.html　２．５キロのファミリーマラソン、４．５キロの健康マラソン、１０キロの一般の３部門からなる。１０キロの条件は「７０分以内で走れる人」。　７０分で走れるだろうか？　そこで一度コースを実際に走ってみた。スタート・ゴールの位置は都合によりズラしたが、大会コースをトレースして５８分でゴール。よし、とりあえず資格あり。さっそく申し込んだ(要\3200)。　シティマラソンは、山岳マラソンほども惹かれないが、企画に便乗することでトレーニングに弾みをつけたい。　大会は４月２９日(日)。今から２週間と少しある。目標は４５分だと平均１３．３ｋｍ。時間は僅か１３分だが実際は３０％のペースアップだ。ちょっと厳しいかもしれない。　膝の保護のため衝撃吸収性能の良さそうなシューズを購入した。インソールの敷きパッドも購入。これで厚めのソックスを履けば、少しぐらい走りこんでも膝を痛めないだろう。　１０キロとはいえシティマラソンの大会は初めてである。こんな大会に参加するなんて一ヶ月前は考えられなかったことだ。何がどうつながっていくか、本当に先のことはわからない。

  2007.04.11

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  大峰山と中山寺

  　エスカレーターを２つ乗り継いで本堂の前に出る。奥にはエレベーターもある。境内の通路は広く平らである。案内板はステンレスヘアラインのスタンドで、黒いパネルにカラーの文字が並ぶ。都会的なデザインである。全体的に、新開発されたステーションのような感じがする。　およそ寺には似つかわしくない洗練された空間デザインが山門から本堂前までの間を包むこの現代的な寺は、西国三十三所第二十四番の中山寺である。　山の中腹に構える本堂までの石段が厳しいと、お年寄り泣かせの札所が少なからずある中で、境内にエスカレーターのある寺として知られている。その現代的な施設とは反対に中山寺の歴史は古く、寺伝によれば聖徳太子の開基というから１４００年も遡る。　しかし、境内のエスカレーターをしばらく眺めていればそれが単に奇を衒ったものでないことがわかる。ベビーカーを押す若い母親が多いのである。秀吉の子、秀頼、明治天皇の出産に関与したという寺伝もあり、中山寺は安産祈願を頼まれる寺で、産前産後の参拝者が多い。産前のときも産後のときもエスカレーターの役割は大きい。エスカレーターをあがってきたベビーカーはドライブスルーのように大香炉に横付けされ、香煙がとりこまれていく。　境内の隣に梅林があり、その横手がハイキングコースの入り口になっている。宝塚自然休養林と名づけられたこの山道は中山寺の奥の院へと続く。静かな奥の院を見てのち山の中へと進むと、市街地を展望する見晴らしのよい崖に出た。展望をたのしみ一息いれる。さらに行けばゴルフ場の脇に出てバスも走る車道へと出た。車道を渡ってしばらく歩くと向かい側の山に入っていく登山口があった。　今回目標とした山、標高552mの大峰山への道だ。　尾根筋について肩に乗る。行く手に小高い所があれば、あれが頂か、と登っても標がない。前を見ればここより少し高いピークがある。少し降って少し登って、そんなことを３度４度と繰り返すとジャンダルムを想像した。奥穂高岳の天に向かってノコギリ状に立つ岩稜をジャンダルムと呼ぶ。このジャンダルムはフランス語で「憲兵」を意味し、そこから手前に前衛峰を並べる地形を指す言葉になった。つまりピークに至るまでの尾根筋が凸凹続きであれば幾分かはジャンダルム的なわけである。簡単に主峰に到達させてもらえないこの地形は、標高の割りに登りがいを感じさせてくれた。　すっかり日が傾いた夕方５時前にようやく頂を踏む。　ＪＲ福知山線旧線路敷に降りる途中、夕陽が沈む頃に整備された園地に出た。水上勉の小説『桜守』のモデルとなったサクラ博士、故笹部新太郎氏の桜研究場だった場所である。つづらに降りる道の曲がり角に、幹の太い大きな桜の樹が立つ。咲けば見事だろうなと思わせる、それだけで桜の周りは少しはなやかだった。西国三十三所第二十四番観音霊場紫雲山中山寺御詠歌～　野をもすぎ里をもゆきて中山の寺へ参るは後の世のため　～

  2007.04.10

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  大阪府チャレンジ登山大会　後半

  　自分より少しペースの速い人が前にいると、こっそりペースメーカにさせてもらった。おかげで引っ張られるようにハイペースを維持することができ、目標を３０分近く上回るタイムで大和葛城を通過した。　山頂でドリンクサービスがあった。数杯もらう。岩橋の登りでおにぎりを食べてアミノバイタルを一袋あけた。大和葛城の降りはクリームパンを食べながらだった。金剛の登りに備えて自販機でスポーツドリンクを一本購入したのに、水越のポイントでドリンクサービスを数杯頂いた。ちょっと飲みすぎ食べすぎである。下見のときの飢えと渇きは、反対側に大きく倒されすぎたようである。　大和葛城の降りの滑りやすい所では係員が注意を喚起していた。マラソンの人は下りを跳ね飛ぶように降りていくので、段差が大きいこの階段は、転ぶと擦り傷ではすまない。私は膝が弱くバネがきかないので、走りながら降りるのは真似できない。近隣の池や公園を走りこむなどして、もっと継続的なトレーニングを積まないとダメなんだろうと思う。　水越を渡って金剛山へ。マラソン参加の人も階段は普段のトレーニングにないせいか、辛そうである。しかし登りきった平坦地をまた駆けていく呼吸の回復力はさすがと思わせられる。▲マラソン走者も階段は辛そう　周りの人にペースを引き上げてもらって１１時、中級ゴール。この調子なら目標クリアは固い。バナナを頂いて、長丁場の紀見峠駅へ向かう。アミノバイタルをもう一袋あけて満腹になる。背にお茶は余って捨てようかと思った。ひもじかった下見とは大違いで、今回は飽飲飽食ランナーである。タイムへの挑戦を除いて、下見のときの方がずっと純粋にチャレンジであったように思う。▲ただ通り過ぎるだけなのが惜しい中葛城　行者杉は今回も遠かった。ポイントを通過してブンタ谷へ。　ここまでくると前後とも人の気配のないことも多い。そういう独りの状態がしばらく続くと、ひょっとしてコースを間違ったのではないかという不安にかられる。分岐の要所には大会の貼紙があり、まず間違えることはないはずだが、ダイトレから外れた経験も記憶に新しい。そういうときに前後に参加者を見るとほっとした。下見した私でこれだから、ダイトレに馴染みのない人はもっと不安だったろうと思う。　ブンタ谷の分岐には係員がいてくれた。まだ昼過ぎで明るい。　ついにファイナル・ゾーン、島の谷に出た。空が広くて気持ちいい。▲山村風景よし、島の谷　足は柔軟性のない歩を刻むのに精一杯で疲労の極みにあった。歩くのとそう変わらない早さでゴールを目指して走り続けた。目標を上回る７時間１３分でゴール！　やった！！　嬉しさのあまり記録認定書の申し込みをした。次は６時間台だ、と早くも来年の目標を決めた。　歩き、走り通して、本当に疲れた。でもこの達成感を伴う疲れは、心地よい余韻があった。　＜終＞

  2007.04.09

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  大阪府チャレンジ登山大会　前半

  　朝５時前、ガスのかかった市内を抜け、近鉄線河内長野駅から５時３１分発の始発に乗る。アースカラーの登山装備に身を包んだ中高年トレッカーたちが、座席の八割方を占めるほど乗り込んでいた。普段の始発列車の常連らしき乗客たちは、いつもと雰囲気の違う車内の様子に驚き、いったい何事があるのかと訝しげな眼差しで見るのであった。　４月８日、今日は大阪府チャレンジ登山大会の日である。　古市で乗り換え二上神社口で降り道の駅・ふたかみパーク當麻へ向かう。参加者総数は千人ほどになるらしい。山道に千人というと小学校の遠足のような大渋滞の行進を思い浮かべてしまうが、出発時間の幅、ダイトレの道の広さと長さ、各自ペースのバラツキ、後ろの者優先の譲り合いで、出発時刻によるのかもしれないが、少なくとも私が歩いてきたゾーンにおいては混むことがストレスになることは終始なかった。　受付をすまして６時３５分にスタート。もらった参加記念Ｔシャツの生地は想像以上に丈夫そうでこれは嬉しかった。朝日の映る大池を回り込む。数日前は雨だった週間天気予報は訂正され、今日は一日晴れのウォーキング日和となりそうだ。▲朝日の映る大池を回り込む　祐泉寺あたりからどう歩いたのか、よくわからないが土手をつづらに降りて六鹿寺に向かう道がルートだった。そしてこの道が山桜の道だった。　前日の雨で多くが散ったようだが、まだ朝もやの中に桜色が浮かぶほどには咲き残り、辺りの道は美しかった。▲空が桜色の二上山の道　大日池に降りて竹の内峠を越えると下見と違う道のＮＴＴ道路を登った。池を横に見て歩く景色の良い道だった。ダイトレに入ると山桜が所々で頭上を覆っているのに気づく。この一週間で慌しく変わったとは思えないから、どうやら下見のときに見落としていたようだ。　＜つづく＞▲山桜を眺めながら登る

  2007.04.08

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• 梨・銀葉アカシア

  　今日(4/8)はチャレンジ山岳に参加してきました。でも大会のことは、4/8の日付で書かないと、見た人が日付を勘違いして迷惑をかけるかもしれないので、先にトップページの模様替えをしておくことにします。　…━[ナシ]━…ナシ(梨 pear)です。　pear は果実を指します。木をいう場合は pear tree です。日本語も同じで、梨といえば果実、梨の木といって木全体です。　梨の花に注目したのは初めてで、何か珍しいものを見たような気がしました。バラ科と知って、そういえばクサイチゴに似ているなと思いました。　梨の種類は二十世紀です。　…━[ギンヨウアカシア]━…ギンヨウアカシア(銀葉アカシア golden mimosa)です。　別名ミモザでこれは英名でもあります。mimosa はマメ科のある属の総称です。よって golden mimosa とさらに呼び分けれられています。goldenが花の色から来たものと思われます。しかし和名は花ではなく葉の色に着目したようです。白妙菊のような銀色に見える葉をつけるところからそう呼ばれました。(でも写真の葉は普通の緑色…)　マメ科と判って少し意外でした。というのはマメ科の花は全て、カラスノエンドウやフジがそうであるように、象の顔のような形になると思っていたからです。しかし、このボンボリ型の花は象の顔とは似ても似つかない形状です。葉の形はマメ科らしい形です。　ネムノキも mimosa に含まれます。なるほど、ギンヨウアカシアとネムノキは共通点がありますね。

  2007.04.07

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  二上山～金剛山の下見　その１４(最終回)

  　天見駅手前の１キロほどはかつての線路の跡地で、いかにも鉄道スケールの緩やかなカーブが続く並木道である。「山桜吹雪く」はここかもしれない。もしそうならゴールにふさわしい。鳥居が凱旋門となる中級のゴールもおつだが。　１８時５０分、天見駅に到着。スタートからちょうど９時間。総距離３６キロ、平均４キロ／時。　９時間は昨年の統計の平均よりも遅い。二上山で大幅なショートカットをやらかしておきながら、加えて道に人は少なく終始マイペースで来れたのに、である。　あと３０分縮めることが出来れば平均以上になる。　二上山の大池あたりは観光気分でのほほんと歩いていたので、最初からもう少し気合を入れてショートカット分と相殺する。大和葛城までの登りで平坦な道はもっとペースをあげる。大和葛城山頂とちはや園地はノンストップで通過。ランチは歩きながらエネルギー補給する。水越からカヤンボまでもう少しペースアップ。金剛から千早峠の間もペースアップ。（千早峠から先は、下見であった今回も十分に急いだつもりである。なのにタイムが平均と比べていっこう芳しくないのは、よほど疲労困憊していたせいか？)　傘とライトは持たずに荷を少し軽量化。余力を残せるようにして、島の谷はラストスパートで駆ける。　この計画で、目標を８時間３０分とする。区間タイムに割り振ってみた。スタート　ST -:--竹ノ内峠　P2 0:45　岩橋山　P3 1:10大和葛城　P4 1:15　水越峠　P5 0:50　金剛山　P6 1:15行者杉峠　P7 1:40　天見駅　GL 1:35-----------------　　　　　　 8:30　週末の天気は雨模様。しかし、雨でも行くぞ、という気になってきた。o(^-^o) ＜終＞▲コース中、オオイヌノフグリが綺麗だった

  2007.04.05

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  二上山～金剛山の下見　その１３

  　ブンタ谷の降りた先は島の谷という山村である。山と高原地図の「金剛・葛城」の地図に「山村風景よし」と書かれてある通り、数年前に初めてここに降りたときは初夏の田圃の美しい時で、特筆されるのも宜なるかなと思ったものだった。山間に割り付けられた棚田は稜線より優美な曲線に囲まれてあり、水面に青い空が嵌っていた。天見駅へ下る道はその優美な曲線をなぞる道である。　青い稲を幾筋も並べた田面を左右にまた上下に見て歩くと、奏でられずとも竪琴が不断の調べを紡ぎだせる用意の常にあることを、その多数の線条の間に浮かべ溢れさせるのに似て、山間に豊饒の音色の満ち溢れてあるを感じとれる思いがするのであった。　山を歩く悦びを、都会のアスファルトジャングルを脱して自然豊かな山へ、と表せば常套であるが島の谷はその逆を衝く。昼の光の大半を奪い垂に梳った残りを僅かばかり落とす植林帯の道は、長々と歩けば牢の閉塞感に浸されるに近い。日中薄暗く下生えもない茶褐色の山中から、目映い緑と青い空の拡がる山村に飛び出したときの開放感は至極である。　景観は概ね人里からの隔たりに比例して良くなるという経験則は、金剛から峠を幾つも越えブンタ谷を降りここ島の谷に辿りついた者の眼中で、大きく覆されるのである。　日が長くなったことにつくづく感謝しながらブンタ谷をライトを点すことなく無事に降りきって、車も通れる舗装路に合した。雨に湿った路面に構わず寝転んで休みたい衝動にかられたが、ゴールはたしか駅前でまだ少しの距離があった。▲山村風景よし、の島の谷　かの島の谷の山村風景は闇にまぎれていた。明るくても同じだったかもしれない。足元だけを見つめ続けて駅へ向かった。　＜つづく＞

  2007.04.04

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  二上山～金剛山の下見　その１２

  　きつい登りは歩いて、比較的平坦なところでは一部小走り程度でここまできた。それらはタイムを縮める狙いであったが、行者杉から先を小走りにいく足は、必要に迫られてのものであった。ダイトレで野しゃがみの一夜を明かすというのはゴメンだ。　杉尾峠を通過。ダンボ山７６３ｍを通過。　やっとこさで西の行者堂。植林が密で、見た目以上に真っ暗だが、心のうちはもっと暗かった。▲やっとこさ、西の行者堂　鉄塔を過ぎて少しいくと右手に白い杭が一本ポツンと立ち、マジックでブンタ谷と書いた紙が紐で巻きつけてあった。そうそう、こんな心許ない感じの分岐だった。　ブンタ谷の分岐点を押さえてひとまず安心する。まだライトなしで歩ける明るさがあったのでブンタ谷を降りることにする。「草少々、道良好。長袖必要」とある。最後のお茶を飲みきって荷を軽くし、一息入れ、服装の乱れを直し、ヘッドライトをすぐ使えるようにポケットに移し、ここが最後の正念場と気合を入れて踏み出した。　道を隠すように伸び放題に伸びる草の葉は、どことなく熱帯的な大きさと濃さを持ち、ここが年中高湿の谷道であることを窺わせる。その先、つづら折の下降がしばらく続く。道幅の最低値を保証するダイトレから外れたこともあり、この辺りは追い越しの難しい狭い道だ。私は下りが人より遅いので、狭い下りが続くここが全コース中で一番苦手なところになりそうだ。　つづら折を越すと木段の道になった。特別の苦労なく、なんとか麓まで辿りつけそうな予感である。ちょっと安心できたが、それでも山村は、まだかまだかと思う先だった。　＜つづく＞

  2007.04.03

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  二上山～金剛山の下見　その１１

  　神福山の巻く辺りで陽射しは衰えた。黄砂で空は終日澱んでいたが、例え澄み渡っていてもこの時点で日輪の在り処は山陰の向こう側であったろう。植林の深い底にまで残照は届かず、何枚か撮った写真は手ブレでまともに写っていなかった。　「金剛トンネル」という案内板があった。このポイント名は初めてだ。看板の木肌も真新しいものが多い。近く整備しなおされたようだ。　１７時を少し回って、最後のチェックポイント「行者杉」に到着した。この先、杉尾峠、ダンボ山、西ノ行者と続く。周囲は時々刻々暗くなり、ときおり雨がパラつき、お茶はあと少し、腹は減るが食べ物なく、足は疲れきり、背中に荷は重く、足の裏の皮は剥けそうで、ゴールは遠かった。　金剛山から先の道のりの長さに正直うんざりしていた。▲行者杉で途方に暮れる　この下見は単独行なのでタイマー撮影である。途方に暮れつつも写真を撮っている余裕があったのは、ヘッドライトという強い味方のおかげである。　地図を取り出し時計と空を何度も見てあれこれ考えた。　天見駅に降りる大会コースはブンタ谷である。ブンタ谷は数年前にダイトレを分けて歩いたときに一度降りたことがある。つづら折の細い道が延々続く薄暗い道という印象がある。ヘッドライトで歩くのは避けたい道だ。ブンタ谷には降りず、ダイトレをまっすぐ行くエスケープルートも状況次第ではとらざるをえないであろう。しかし、そのルートも決して楽ではないのが憂鬱なところ。　今も記憶通りなら、ブンタ谷の分岐標は注意していないと見落とす程度のもの。とりあえず明るいうちにブンタ谷の分岐点まで行かないことには、という結論に達して、先を急いだ。　＜つづく＞

  2007.04.02

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  二上山～金剛山の下見　その１０

  　降って久留野峠を越してまた登り、刈り込まれた笹原の間の道を進むと９３７ｍの中葛城山の山頂に出た。ここは南側の展望がスパッとひらけて爽快な眺めである。中葛城の山頂は、山の雄大な構えと庭園のような趣が混じりあって居心地の良い空間を作り出している、私の大のお気に入りのポイントだ。　ダイトレの南半分は北半分に比べ単調で面白みに欠けると思う。薄暗い植林の中の半ば崩壊した木段やら、軽トラの轍を踏んで歩く殺風景な林道やら、あまりに単調だと日常の雑事に思考が戻されてしまうのである。そんなダイトレ南側にあって、ここ中葛城は出色の憩いの場だ。▲空が広い中葛城　時間が許すならゆっくりしていきたいところだが、そうもいかない。最後のゼリーを食べてお茶を飲み、ふぅーと一息つくと明るい笹原を後にした。　もう食料はない。ドリンクもお茶を僅かに残すのみだ。ちはや園地でもう一本スポーツドリンクを買っておけばよかったと後悔した。こんなどんよりした日でも、水分２．５リットルは必要だと知った。　高谷山９３４．８ｍの標を過ぎた辺りでパラパラと雨が降ってきた。そういえば朝の天気予報で「夕方に一部で雨のパラつく所はあるものの……」とか言ってたのを思い出す。一部とはここ千早峠近辺のことっだったか、と判明。　カッパもあるし折りたたみの傘もあるので雨対策は大丈夫だ。ポツリポツリという程度だったのでアノラックを着込むだけでやり過ごす。　＜つづく＞

  2007.04.01

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  二上山～金剛山の下見　その９

  　ようやく一の鳥居、中級のゴール地点に達した。１５時１４分だから、本来ならこの先は締め切りである。バナナもとうに品切れであろう。　展望台を過ぎ、ちはや園地に到達した。自販機で待望のスポーツドリンクを購入して飲む。格別の美味しさである。座り込んで、持参したもう一つのパン、クリームツイストパンで２回目のランチをとる。　ここまで５時間半。これならまずまずだなと思っていた。この先は下るだけだし、天見駅まであと２時間半も上乗せすれば着くだろうと考えた。　しかし、これは後からわかったことだが、私は、金剛山から先を随分甘く見ていた。　金剛山から紀見峠までが半端でないことを、かつて幾度か歩いた道だから知っていたはずなのだが、俯瞰すれば金剛山の次は岩湧山でその間紀見峠をまたぐだけという粗っぽい見方をしていて、エッホエッホと掛け声連ねたら峠の三つ四つあっという間に通り過ぎ、転げ落ちるよりも早く南海の軌道に達するであろうと、そんな風に甘々に考えていたのだった。　５分程の小休止して出発。ロープウェイで登ってきたと思われるカップルと数組すれ違う。こんな黄砂の日の夕方近くを選んで登ってくるとは、と少々呆れたが、彼らにすれば一緒に時間を過ごすことが第一で、観光地としてのコンディションがどうであるかというのは二の次三の次、まったく気にしていないのであろう。　伏見峠を越え、天ヶ滝への分岐を見送り、赤い帽子をかぶった地蔵が遠目に人に見えて一瞬ぎょっとさせられたのは地蔵祠であったろうか、そこも通り過ぎ、紀見峠１０．２ｋｍと書かれた道標に出会って、二桁に及ぶキロ表示を見て『結構あるな……』と実感する。　＜つづく＞▲紀見峠１０．２ｋｍ……ふぅ

  2007.03.31

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  二上山～金剛山の下見　その８

  　１３時５５分、水越峠を渡る。車道を横切るが、こちらは水越トンネルの巻き道だから、竹の内峠よりも交通量はずっと少ない。ゲート脇を抜けて金剛山側の林道へと入る。　５００ｍほどいくと「金剛山・葛木神社　４．５ｋｍ」の道標がった。４．５ｋｍか。でも金剛を登れば、あとはもう登りらしい登りはない。それだけが励み。　「金剛の水」の水場に到着。次の自販機は「ちはや園地」と先なのでここでも水分を補給していく。ゼリーでエネルギー補給をすませると、往く手に黒々と立ちはだかる金剛山へ向かう。▲いよいよ金剛山へ　カヤンボの橋を渡り、昨年末に何度か歩いたもみじ谷入り口を東屋から見送ると、いよいよ金剛山らしい登りの道の始まりである。植林が密に並ぶ薄暗い中を登る。山中、鳥の鳴き声が響き渡る。ひたすら登る。　金剛山、ダイトレの道の遠ければ、まだブナも見ず葛木の山……　大会規定では１４時３０分で金剛山から先に行かせてもらえない。大和葛城の足きりは１３時だが、１３時に大和葛城を発って１４時３０分に金剛山に達するのは通常のペースでは無理だ。逆算すると遅くとも大和葛城は１２時迄に出発しないと間に合わない。二上山でショートカットしてしまったため精度に欠けるが、スタートから大和葛城まで３時間半を要するとして、朝８時半迄にはエントリーしないと厳しい。もちろんこれは自分のペースの場合であるが。　『せめて次の曲がり角まで、あそこまでは走ろう』と自分に言い聞かせ、曲がり角までくれば、また先に『せめてあそこまで』の目標をつないでいく。昔、あるマラソンランナーが、ギブアップの辛さと闘いながら走り続ける心のうちを、そう語っていた。　『せめてあそこまでは歩を緩めずに』、私も真似て、金剛の道々に架空のゴールを山ほどこさえて登った。　＜つづく＞

  2007.03.29

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  二上山～金剛山の下見　その７

  　メロンパンは口の中でぱさついて飲み込むのに苦労した。当日はお昼になにを持っていこうか。とりあえず厚みのあるパンだけは避けようと思った。昨年の大会レポではバナナの配給があったそうだ。ただし数に限りがあり、なくなればオシマイらしい。あてにできない。長丁場なのでエネルギー補給は重要だ。ドリンクも問題である。昨年の写真を見るとポイントでスポーツドリンクのコップ配給がある模様。全チェックポイントであてにして良いかは不明。　効率を重視するなら水分とカロリーを一つで補えるゼリー状のアミノバイタルか。　１０分ほど小休止して出発。合宿所の横を通り水越へ下る道をとる。５月になるとツツジ一目百万本の名勝地となる高原の中を往く。ひっそり物さびた金剛山とは違い、大和葛城の山頂は、休日に似合う明るい色彩を持っているように映った。ベンチに寝転んで空を見上げる人がとても気持ち良さそうだった。　大会規定では１３時を過ぎるともう金剛山へは進めない。２０分ほどオーバーしての出発だったから、本来は失格である。　スミレのパープルと、オオイヌノフグリのブルーと、タンポポのイエローが道端を彩る。下り道では下ばかり見るから、春の野草を見続けて降りることになる。とくにオオイヌノフグリが集まって咲く草原は、目を引く美しさだった。　やがて石畳の道。歩きやすいように整備してくれてあるように見えるが、実は大変歩きにくい。転ぶときわめて危険だし、マラソンランナーにとっては、ここは意地悪な障害ポイントであろう。なぜこんなありがたくない整備なのか、ここを通るたび不思議で仕方ない。　＜つづく＞▲危険な石畳の道

  2007.03.28

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  二上山～金剛山の下見　その６

  　１１時３８分、標高６５８．８ｍの岩橋山にについた。岩橋まで来れば肩にのったような気になるが、高低差のマップで見ると半分にも満たないことがわかる。（このマップにある岩橋山の標高は８５９ｍに見えるが、６５９ｍが正しい標高だ）　岩橋山のベンチで一休み。出しなにバッグに放り込んだミニゼリー８個のうち２個を食べる。お茶は氷のストックがなくホットになった。　持尾２．９ｋｍの案内札を通り過ぎ、葛城山２．８ｋｍ、葛城山２．５ｋｍと通り過ぎて、近鉄忍海駅下山コースを通り過ぎたところから、長い木段が断続的に現れるようになった。写真で今みると歩き易そうな木段に見えるが、歩いていたときは、これが垂直の梯子に見えたのだった。▲葛城山手前の木段は厳しい　げんなりするような木段を見上げること３回ほど、なんとか登りつめて、弘川の分岐を左手に見送るともう頂上は近い。嬉しいのは自販機でドリンクを買えることだ。ここまでの登りで汗だくになり、脱水症状で顔がむくみはじめていた。お茶は500mlしか持ってこなかったので、最初から自販機頼みのプランなのだ。　１３時５分。自販機に到着。スポーツドリンク500mlをまずは１本一気飲み。おやつ用に買ってあったチョコチップメロンパンが今日のお昼だ。同じドリンクをもう１本買い道端にへたり込んでランチタイムにする。　ここで初級か……、初級といえどもこれは大変である。　＜つづく＞

  2007.03.27

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  二上山～金剛山の下見　その５

  　平石峠を越えて標高をあげると、植林の途切れ目から大阪平野が望める場所が所々にあった。しかし、朝の天気予報の通り、黄砂で遠景は霞んでいた。▲黄砂に霞む遠景　植林帯を歩いていて『変だな』と思った。足元がふかふかである。堆積した針葉樹の枯葉が作る厚い絨毯の道である。金剛山のもみじ谷の最後の詰めで、大日岳手前の青崩道に道なきところを上がったときの足元に似ている。踏み跡のない道なき斜面。　しかし、いくら足任せに歩いていたとはいえ、ダイトレを踏み外すなんてことが起こるとは思えなかった。周辺は地形がフラットなので、気儘に林間を縫い歩くところもあるのだろう、と進んだ。徐々に落ち葉の堆積は深くなり、足跡ひとつ見当たらない斜面に囲まれて確信を得るに至った。　どうやら知らずダイトレを逸れてしまったようである。　地形的に本道が右手にあるのは勘で分かった。右に５０ｍほど植林帯の斜面をトラバースすると木段の道に出た。この感じはダイトレだ。無事に復帰。　ヘッドライトをつけてのナイトトレッキングなら分かるが昼間である。黄砂で道がよく見えなかったというのは理由にならない。向かいの二上山ぐらいの距離なら通常通り見えている。　下見しておいてよかった。大会当日にこんなヘマをやらかしたら、ショートカットを狙ったと疑われるだけのことだ。ダイトレを踏み外して、道なきところに突っ込んだなんて、誰が信じるだろう？　私も信じられない。　＜つづく＞

  2007.03.26

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  二上山～金剛山の下見　その４

  　ダイトレの高低差の図を見ると、竹の内峠から大和葛城の山頂まで長い登りが続く。大阪から眺める金剛山地の稜線からすると、大和葛城までの道は、くじらの背のように傾斜を感じさせないなだらかな曲線で高度を稼いでいく道だと思っていたが、高低図を改めて見ると金剛山よりもハードなゾーンといえる。もちろん比較において、である。この図で「槍」のような姿をしている二上山の実際はこんな姿ではないから、このスカイラインは縮められたものである。　まずは平石峠を目指して登る。舗装された林道と別れるといよいよ山道である。昨日の雨で道のコンディションは悪い。▲竹の内峠から平石峠へ　アンテナの基地を過ぎて雑木林と笹原の味気ない自然の中の道をひらすら進む。　経験のない人が初めて山に行くとなると、靴の具合だとか、服装のこととか、何を持っていくかとか、バッグとパッキングのこととか、トイレの自己管理とか、体力と歩くペースの管理とか、いろんな課題が山積みである。それほど気にしなくても大丈夫、というのは、そういったこまごまとした事柄を意識せず当たり前にこなせるほど場数を踏んだ者のみがいえることで、嘘のない実感から出た言葉ではあるが配慮に欠けた言葉だと思う。　初めての人を誘うなら、やはりこういう近場の低山、竹の内峠から岩橋山を登りましょう、というのが良いのだろう。山の良さを分目いっぱい分かってもらいたくて、いきなり大普賢岳なんかへ行くと、当人は身辺のことに精一杯で周りの景色なんか何一つ目にも記憶にも入らず、結局は楽しめないのだと思う。　今の私にはつまらない道だが、私が初心であれば感激して歩くに違いない。その私は何を見て喜ぶだろうか、あるいは喜んできたのか。それを探しながら歩いたが、答は黄砂の彼方の景色よりも曖昧の彼方であった。　＜つづく＞

  2007.03.25

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  二上山～金剛山の下見　その３

  　約1300年前の方墳という鳥谷口古墳を過ぎると、道の両側は田畑から雑木林へ、雑木林から植林へと移り変わっていった。しばらくして裕泉寺に出た。人里離れて山中にひっそり建つ寺は厳かな雰囲気に包まれており、門前の緑苔が薄日の中でひときわ鮮やかであった。▲鮮やかな裕泉寺の緑苔　裕泉寺の分岐を左にとり岩屋へまっすぐ出て、そこから竹之内峠へ一直線に下る道をとったが、後から地図をよく見ると、どうもこれはコースが違ったようである。雄岳と雌岳の間にある馬の背を渡り越して、六鹿寺で竹ノ内の車道を渡るのが正しいと思われる。チェックポイントになっている大日池の名は手持ちの地図に見当たらなかったが、池は付近でそこだけだった。当日は案内板と係員がコースを示してくれるようなので、道が分からなくて困ることはないであろう。　私が下見した道は狭かったので、こんなところでマラソンランナーは抜きつ抜かれつして走るのだろうかと不思議に思ったが、やはりそんな無茶なことはなかった。　だいぶショートカットしてしまったが１０時４０分竹の内峠を渡る。　ここから岩橋山までのコースもよく分からない。私はダイトレを通ってきたがＮＴＴ道路を登っていくのが正しいのかも知れない。山地図をみるとＮＴＴ道路の上に「サクラ」と書かれてある。「山桜吹雪く」とはこの辺りのことか。　しかしこれでは下見になっていない。粗いマップを恨むとしよう。　＜つづく＞

  2007.03.24

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  二上山～金剛山の下見　その２

  　道の駅から大池の端を抜けていくのがおそらく大会のルートであろう。民家の間をゆく昔ながらの路を進むと「二上山登山口」の看板もあり安心する。ふるさと公園の石段で余計な体力を使わずにすんでよかった。今日は長丁場なのだ。　道の駅の出発時刻は９時５０分。大会当日は６時から出発受付で最終は９時受付の９時半発だ。９時５０分発というのはすでに失格である。大会当日、参加者は道の駅に車を置いての出発は認められていないので、電車と徒歩で現地にいく必要がある。朝は十分に余裕をみておかないといけない。　しばらく歩くと大池に出た。あひるが二羽泳いで、のどかである。▲大池をまわりこむ　百伝ふ、磐余の池に鳴く鴨を、今日のみ見てや、雲隠りなむ (万葉集)　二上山で処刑された大津皇子の辞世の歌である。まぬがれえない生の終端を目前にして、池の鴨を見るというただそれだけのことに、生の時間の全ての意味を重ねて覚悟を決めた歌のように私には思われる。山の麓の池で泳ぐ水鳥の図、その深い緑の冴え渡る空間を見つめ続ければ、気付かず己の欲に端を発している煩わしい悩み事はたちどころに霧消して安らけき心の置き場が見えてくるのかもしれない。とまれ風景ひとつにも思うところ多いのは、歴史をもつ景観の偉大さのおかげである。二上山は史跡の多い山である。　東屋にたってもっとゆっくり周りを見物していきたい場所であったが、まだスタートしたばかりで一息入れるにも早すぎる。しだいに登りの傾斜となっていく道を先へと進んだ。　＜つづく＞

  2007.03.22

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  二上山～金剛山の下見　その１

  　紀三井寺の桜は四月一日に満開宣言が出された。全国的に一週間程度早い桜前線になるそうだ。暖冬からすればもっと早いかと思っていたので逆に遅い気がする。和歌山気象台の標本木となっている紀三井寺のソメイヨシノは、満開宣言の一週間前、三月二十六日に開花宣言が出された。その前日にまだ枝と固い蕾ばかりの桜を見て帰った私は、遅いじゃないか、と言いたい気分である。　四月八日はチャレンジ登山大会の日である。ダイトレを一日で踏破できるか、というのはこの大会を知る前からの私の、実はひそかなチャレンジの対象であった。大会には参加してみたいものの、しばらく長距離を歩いていないので踏破の自信がない。事前に一度、手ごたえというか足ごたえを試しておきたかった。　チャレンジ登山大会のページを見ると、「山桜吹雪く大阪・奈良の展望台 金剛葛城縦走コース」とある。ダイトレは数年前に分けて歩いたことがある。なので、周りの景観を楽しみながら歩くのにむいたコースでないことは知っている。山桜吹雪く、というのは山岳の文章にありがちな誇張が入っているのは確かだと思うが、ひょっとしたらどこかにそんな場所もあったのだろうかと少し気になった。　大会一週間前の日曜日、朝七時の天気予報を聞くと、黄砂に覆われるものの概ね晴れか曇りで、夕方に一部で雨のパラつく所はあるものの終日大きく崩れることはないでしょう、との予報。よし、今日はチャレンジ登山大会の下見だ、と出掛けることにする。　奈良側から二上山に登ったことがないので、道の様子を知っておくだけでも参考になる。　「道の駅・ふたかみパーク當麻」についた。　どういうコースになるのか、大会案内ページの「ポイント・行程」の粗い地図ではよくわからない。「ふるさと公園」に入ったら、いきなり気の滅入る石段の道。▲ふるさと公園の石段　もしかしてスタートからコレなのか、と一直線に駆け登る石段を前にいきなり挫かれる。しかし地図で見るとここは展望台どまりで登山口ではない様子。登らずに引き返す。　＜つづく＞

  2007.03.21

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  関空第２滑走路ウォーク　その３

  　関空ができる前、大阪の空港といえば伊丹だった。風向きによって発着の方向が反転する日もあったが、通常は南側から着陸機が進入した。空港の南は川になっていて、自転車で土手を少し走ると、誘導等の並ぶ着陸コースの真下に立つことができた。　両翼に計４つの大型エンジンを載せたジャンボ機が着陸するときはド迫力だった。土手に立つこちらに真正面に突っ込んで来るように見える。実際は数１０ｍあるのだろうけど、手を伸ばせば届きそうな頭上すれすれを飛んでいく。ジェットエンジンのつんざく高音と全身を揺さぶる低音が高密度に混じりあって、見えない音の大瀑布を地面に叩きつけていく。その川べりに立って爆音に包まれながら鉄の巨鳥を仰ぎ見ることは、遊園地のアトラクションよりもずっと刺激的な体感ショーだった。　そのスポットは有名になって、一時期は週末にタコ焼き屋が店を出すほどだった。立ち入り禁止になったとか、そういう噂を聞いたきり長く行ってない。今はどうなったのだろう。　今回、滑走路を歩くということで、伊丹の川べりのときの爆音ショーをちょっぴり期待していた。しかしこれは現在使われている滑走路が、二期島から見てターミナルビルを挟んで数キロ離れたところに位置することから望めないことだった。離陸シーンを見るならターミナルビルの方がずっと好条件なのだが、ウォーキングコース上でもときどき離陸エンジン全開の咆哮が轟いた。皆が振り返る。海面を切るサメの背びれのように、尾翼がターミナルビルの上を流れていき、飛び立った。　海に島を作り空へ飛ぶ。考えてみれば関空は凄いことの集積である。人の手の入っていない原生林とは対極の、自然から遠く離れた場所。しかし人工的でありながらも雄大さだけは共通に持つ空間。　第二滑走路の西は海で視界の悪いこの日でも、淡路島と六甲の対岸がかろうじて雲と見分けのつく影の姿で彼方に見えた。紀伊水道をあがってきたと思われる巨大なタンカーが一隻、カメラを向ける動機を置いてくれた。淡路六甲の影が薄く見える　滑走路中間地点に出た。もう歩き疲れた人は、ここでリタイアすることができる。バスが待ってくれている。歩きに来たのだ。当然ゴールを目指す。　図書館に返す本はコンピュータの本で、電話帳の半分ぐらいの嵩がある。他に三脚やら水分１リットルやらで、さすがに荷の重さが肩に辛くなってきた。パッキングを一切考慮していないのも堪える。しかし、ことのほか念入りに均された平坦路で根をあげては、という妙な意地を張り通し、一気にゴールまで歩ききった。　ゴールではバスが待ってくれていた。歩けば4000mとある。肩が痛くなっていたし、バスに乗ろうかと少し迷った。しかし、滑走路よりも手前の砂利道の方に感ずるところ大だった私は、ゴール地点からターミナルビルに戻るまでの道に興味を持ったので、バスの誘惑を断ち切って歩くことにした。さすがにこの区間を歩こうという人は少なく、比率でいうと三十人に一人ぐらいにまで減った。ひとまわり巨きなダンプが並ぶ　マップによると全行程歩いた人は延べ１３キロになるそうだ。足は疲れなかったが、肩が痛くなった。電車に乗ってバッグを降ろして座り込むと、それだけで快適を存分に味わえた。まとめるとすれば、乗り物のありがたさを等身大に理解できた、というあたりであろうか。車窓から海上を眺めながらそう思った。　＜終＞

  2007.03.20

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  関空第２滑走路ウォーク　その２

  　スタート地点まで3200mとある。バス乗り場はこちらです、と案内の声。バスは無料だ。一瞬迷った。しかし今日は歩きに来たのだ。滑走路へのアプローチ区間とはいえ、普通なら立ち入りできない場所を歩いてみるところに興がある。バスに乗ってどうする？と言い聞かせて徒歩コースをとる。　足元は砂利を押し固めた未舗装路で、前日の雨が所々に大きなぬかるみを作っていた。バッグからスパッツを取り出して着用。いいものをちゃんと持ってきた自分を褒めてやりたかったが、着用したときはすでにズボンの裾は泥でべったり汚れていたので、着用の遅れた自分を恨んで帳消し。　スパッツを取り出すときにバッグにヘッドライトが入っているのを見つけた。いくらなんでも今回ばかりはコイツの出番はないだろう。バッグには詰め込むばかりで慌てて出てきた。そのため余計なものまで背負っているようだ。アイゼンが入ってなくてよかった。　歩いていると広さを感じた。そこには独特の雰囲気があった。見渡す限り均らされただだっぴろい空間。曇り空と砂利の無彩色の世界。ここが海上の離島ということをあわせて考えると、物理学だけが存在するどこか違う星に移民が列をなして乗り込んでいく、そんなＳＦの描く遠い世界と現今の日常が交錯した、奇妙な世界にいるような気がした。スタート地点まで歩く人の列　いくら空港が広いとはいえ数キロ四方だから、自然の広さには敵わない。しかし、人の感じる広さは面積だけではないようだ。空間が何者にも占められていないことが広さの本質的な感覚なのかもしれない。長く棲んでいたアパートを出るとき、引越しをすませた後の空っぽの部屋に立つたびに、その部屋の広さに驚いてきた。同じように数キロ四方にわたって何もない土地は広かった。それは山の広さとは違う、海の、つまりは海上の広さであり、果てしない空の広さが地上に舞い降りたものだった。　この後、舗装されラインが引かれた長い長い滑走路を歩くのだが、一番広さを感じたのは、このスタート地点までの一面砂利の道だった。　ようやくスタート地点に着いた。裏面が関空全体を空撮した写真になっているハガキ大の参加証やハンドタオルなどを貰った。多数のバスがウォーカーのピストン輸送に走り回っているし、警備員は数百mごとに立つし、仮設トイレを用意し救護施設を置き、参加無料なのになぜここまでの費用を投資できるのか不思議なほどの、至れり尽せり準備万端の主催側であった。　＜つづく＞スタートゲート。ここからが主稜線?

  2007.03.19

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  関空第２滑走路ウォーク　その１

  　今日(3/25)は関空第２滑走路ウォークの日である。チェックしていた週間天気予報では、ずっと雨マークだった。イベントは雨天決行だが、朝６時の時点で大雨か強風の警報があれば中止になる。遮る物の何一つない滑走路の風は強そうだ。　週末に向かって天気は下り坂という予報に、嬉しくないことが重なった。誘っていた友人が仕事の都合で参加できなくなった。山なら単独の愉しみも多々あるが、滑走路ウォークはどうだろうか。この時点で行く気持ちはほとんど消えていた。　前日の土曜日は予報通り雨だった。当日の朝。午前中も雨だろうと思っていたら、やんでいた。チェックした天気予報では、気温はぐんぐん上昇し平年よりも暖かい一日になるでしょう、と報じていた。窓を開けて見上げれば、雨上がりの動きをやめて固まったかのような落ち着いた空。部屋で閉じこもったままでいると夕方に後悔しそうな兆しを雲間の光のうちに見てとり、やっぱり歩きにいこうと意を決したのが９時。　参加時間枠は１０時からである。急いでお茶を入れ、一人ならゆっくり撮影できるかと小型三脚を持ち、ついでに図書館に寄って本を返そうとバッグに本も入れ、関空まで行くなら、もう一足のばせば紀三井寺の桜だ。時間があれば寄っていこうと西国三十三所のガイドブックと地図を入れ、常備しているレインウェアに加えて傘も持ち、あわただしく家を出た。背負うバッグは重かった。しかし滑走路は平坦路である。山を歩く者、平地での荷物の重さなど気にしていてはいけない、という意気込みだった。(が、これは最後に思い直すことになる...)　関空快速に乗り本を読んでいると、厚い雲の下に泉州の景色は次々と流れていき、最初の欠伸の頃、電車はもう海を渡っていた。　関空駅の改札を出ると「ウォークの方は……」と誘導のサインが示されていた。滑走路を歩くなどという突飛なことをする者は、物陰から裏口へコソコソとお天道様に背を向けて歩き、計画の気配を周囲に悟られないよう注意しつつ、蛇の道は蛇、集うべきところを嗅ぎとってスタート地点まで辿りつかないと……、ちょっぴりそんな感覚でいたが、予想に反して滑走路ウォークは関空あげての大々的なイベントだった。春休みの日曜日、関空旅博というイベントも同時開催されていて、建物内は賑わっていた。　旅博のゾーンに「ひみこの里・記紀万葉のふるさと」の看板を掲げた桜井市のブースが目に入った。パンフをもらおうと立ち寄ると、紙袋にパンフ一式と「倭の水」という名の500ml入りミネラルウォーターをくれた。販売は桜井市水道局とある。水を売るのが本業とはいえ、こういうものも扱うのかと少し驚く。決して軽くはない荷がまた一つ増えたが、数キロの平坦路なんぞ私の「歩く」うちには入らないと、喜んでミネラルウォーターをバッグに詰めた。　車内の忘れ物のリサイクルなのか、ＪＲが中古傘を二百円均一で販売していた。見れば新品同様である。百均屋の傘の中古を二百円で売っていればあこぎだが、安く見積もっても五百円はする傘だ。明るい木目の柄に鶯色の生地のロングの傘を一本買う。また荷物を増やしたが、これはステッキと思えばよい。　建物を出て舗装路沿いをしばらく歩き、運河のような所を回り込むと、二期島と呼ばれるエリアに入った。たくさんの観光バスが走り回り止まりして、参加者はファミリーからおじさん単独行(自分も含めて)まで想像以上に多かった。　＜つづく＞工事中の二期島へ渡る

  2007.03.18

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• 巡礼サイト制作 mission9

  　今回は掲示板テーブルのスキーマについて考えます。　発言に付随する全情報を横一列に並べただけのテーブル１つで済ますことも可能ですが、パフォーマンスとデータサイズについて考慮しておきたいと思います。　レスポンスを重視したいのは、タイトル一覧のページ送りです。そのためタイトル一覧を表示するのに必要最小限のデータだけをカラムにしたテーブルを作りました。bbs_title_dev テーブルです。 bbs_title_dev id parent_id title username userinfo_id body_id tt_entry tt_last type INT INT VARCHAR(80) VARCHAR(40) INT INT DATETIME DATETIME prop PKauto_inc   NOT NULL NOT NULL   NOT NULL NOT NULL NOT NULL idは自動採番で主キー。parent_idは親発言id。title、usernameは名前の通り。大方未入力になるであろうURLとMailは、別テーブルに切り分けました。URLとMailの両項目が未入力ならuserinfo_idはNULLになります。 bbs_userinfo_dev id username url mail type INT VARCHAR(40) TINYTEXT VARCHAR(40) prop PKauto_inc NOT NULL     別テーブルにしたからといって、事前にメンバー登録するタイプになったわけではありません。発言登録毎にusernameで検索し、入力データが完全に一致すれば当該レコードのidを使いまわします。つまり、別テーブルであることが、利用者の側からは分からない仕組みです。body_id は、bbs_title_devと１対１になるbbs_body_devテーブルの外部キーです。分ける意味があるのか実は不明です。今回PHPにmbstringを入れて、内部コードとMySQLのデフォルトエンコードを共にUTF-8に統一させましたので、なおさらです。 bbs_body_dev id body tt_correct type INT TEXT DATETIME prop PKauto_inc NOT NULL NOT NULL tt_entry は発言の初回登録日時。tt_last は当該スレッドの最終更新日時。コメントがつけば、parent_idがNULLになる元発言まで辿って、元発言のtt_lastをその日時に更新しておきます。これでスレッド一覧は where parent_id == NULL order by tt_last DESC で取得しようという狙いです。発言者が自らの発言を修正した場合はbbs_body_dev.tt_correctを更新し、その場合もbbs_title_dev.tt_lastを更新します。MySQLのデータ型の補足。urlのTINYTEXT型は、最長255Byteの文字列を格納できます。bodyのTEXT型は最長65535Byteです。単純に一文字2Byteとして32000字は入るから十分でしょう。各テーブル名の末尾(dev)が掲示板のKey文字列になります。同一サイトで複数の掲示板を設置して使うケースにも対応します。〃 /〃〃,,','',´｀, '.

  2007.03.17

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  第33回大阪府チャレンジ登山大会(4/8)

  　鍛錬目的で金剛山の千早本道を往復しに行く。外気温に関係なく汗だくになるような登山は二ヶ月半ぶりだ。谷道を歩き回った年末の頃より体は鈍っている。タイムはかさむだろうけど、体力を取り戻すのにめげない程度に抑えようと懸命に登ったら、年末と同タイムだった。登りながら遅れてはいないという実感はあったが、これは嬉しかった。　資材置き場あたりから道端の雪がつながるほどになった(写真)。シャーベット状の氷とぬかるみの木段を転ばないように注意しながら踏む。春分の日を前にぐっと冷え込んだようだ。暖冬といわれ続けた冬だったが、この時期にこれだけ雪があるのも珍しいのではないだろうか。　頂の事務所前には、年末のときと同じぐらいの小さなかまくらがあった。城跡にまわると、空は澄み六甲の稜線が市街地越しに綺麗に見えた。神社の下の広場へ回る。石段の周辺には踏み後のないこんもりとした雪があった。昼に溶けて夜に凍てつき、掴むと氷のスポンジのように脆く砕けた。　山頂に五分もいるともう体が冷えてきた。深呼吸すると冷気に体が内と外から挟まれて、自分の体の「在る」感じが消えるような錯覚を覚える。　野鳥の多いブナ林の迂回路をまわって千早本道を降りた。しいたけセンターで干し椎茸を買って、ふと目をやった道端に「第33回大阪府チャレンジ登山大会」の案内があった。▼第33回大阪府チャレンジ登山大会の案内はコチラhttp://sangaku-osaka.com/tokubetu/07tyarenji/07tyarenji.html　4月8日(日)に二上山から紀見峠まで、ダイトレの三分の二(約36km)を歩くイベントがあるようだ。一般参加費2000円。参加記念Ｔシャツがもらえるという点を除いて、個人で自発的に歩くのと違いはなさそうだが、正式に参加するとなると気合が入る。ちょっと関心あり。タイムを競うマラソンの部もある。昨年のトップは36kmを三時間半。平均10.28km/h。金剛山の登りも含めてこのスピード、……信じられない。マラソンの部は当然関心なし。^^;　しかし、上級を完走できるだろうか。参加するなら少し鍛えないと今のままだと足がつりそうだ。

  2007.03.15

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• 『日本百名山』に学ぶ山の表現 その４０

  ／＼／＼／＼[甲武信岳]／＼／＼／＼　甲武信岳は、長野県・埼玉県・山梨県の三県の寄り合う地点に位置し、標高は2460mです。地図でみますと東京の西端であった前回の雲取山から西に続く縦走路を、峰いくつか越えた先です。私のイメージする日本絵図では、東京と長野は、快晴の日でも互いが霞の彼方に溶けて見えないほどに離れていたのですが、いま地図をよく見ますと、東京の西端と長野の東端は、隙あらば握手せんとまでに境界線を近づけあっていました。直線距離で20km強ぐらいですね。縦走路をとると30kmぐらいでしょうか。　「今日は、東京から長野まで歩きました。」というのが、健脚者であれば可能なんだなというのが、甲武信岳に注目してまず一番のわたしの発見でありました。・甲武信は奥秩父のヘソといいたい山である。甲州、武州、信州から、その川の源を深く探っていくと、どちらからもこの山の頂上に出る、というのもおもしろいではないか。頂上に降った一滴は、千曲川に落ちて信濃川となり日本海に入る。他の一滴は荒川に落ちて大東京を貫流し東京湾に注ぐ。更に次の一滴は笛吹川に落ちて富士川となり太平洋のものとなる。　甲武信は「コブシ」と読みます。甲州、武州、信州の頭文字をあわせたものです。・その頃私は甲武信岳へ二度登った。思い出は模糊としているが、最初は新緑の候に笛吹川の上流東沢をつめて頂上に立った。秩父の特色である深林と渓谷の美しさをこの時初めて知った。殊に釜ノ沢の美しさには眼を見張った。　一段凄いものに出会って初めて良さを知ることは自然美ではよくあります。私は薊岳でブナ林の良さを知りました。それまで和泉葛城山を数回歩いていたのですが、あの頃は分かっていませんでした。また、宮の谷で渓谷の美しさを知りました。数年前に赤目渓谷を訪ねていました。赤目に行った後も渓谷という言葉は相変わらず地理的な響きの言葉のままでしたが、宮の谷の後は渓谷という言葉がずっと昇格して貴いものになりました。 ／＼／＼／＼[金峰山]／＼／＼／＼　金峰山(きんぷざん)は甲武信岳からさらに西へ移ったところにある2599mの山です。山梨県の北の県境を走る山並を奥秩父山塊と呼び、2000m級の山多数を周辺に従え中心部を占めるのはこの金峰山や北奥千丈岳といった2600m級の山です。・われわれ山岳党の大先輩木暮理太郎氏に次のような言葉がある。「金峰山は実に立派な山だ。独り秩父山脈の中に嶄然頭角を抜いているばかりでなく、日本の山の中でも二流を下る山ではない。世に男の中の男を称えて裸百貫という諺があるが、金峰山も何処へ放り出しても百貫の貫禄を具えた山の中の山である。」金峰山に対してこれ以上の讃辞はあるまい。　百名山の本には金峰山は2595mと記されていますが、最新の地図では2599mになっています。秩父の最高点は北奥千丈岳の2601mで僅か2m差です。測量で金峰山の背が伸びたとき、もうあと2mあって北奥千丈岳と仲良く並んで2601mだったらと、著者同様に金峰山を秩父の王者と呼ぶのに賛同する人たちの何人かは思ったことでしょう。・頂上で一時間ほど休んで、鉄山へ向かって尾根を進みかけたが、匐松が深くて道が分からない。断念して川端下へ下る道を採ったが、とうとう途中で日が暮れ、おまけに雨が降りだし、寒い野しゃがみの一夜を送って、翌日ようやく梓山へ出た。　野しゃがみという表現がいいですね。この言い方に比べたらビバークは気取っています。山に慣れて徐々に冒険的なことをし始めると、ビバークの備えが必要になります。テントほど大掛りではない何か防寒防風防水防滴の役割を果たすものを探したらビバーク・ツェルトという商品を見つけました。これいいなと思ったのですが使用例の写真をみてやや引いてしまいました。使用中の姿がどうみても粗大ゴミに出された人間にしか見えなかったからです。 ／＼／＼／＼／＼／＼／＼／＼／＼／＼

  2007.03.14

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• 巡礼サイト制作 mission8

  　今回は掲示板について考えます。　楽天のBBSは一時期落書きのオンパレードだったので、私は閉じてしまいました。実際は閉じたのを装っているだけですが、幸い対策してから以降、一度も落書きがありません。楽天ブログの設定ではBBSへの書き込みを受け付けなくさせると、日記のコメントも連動して書き込み不可になってしまうのが不便です。　こういう不便さは論外ですが、不便なところを見つけたらすぐに改善したいものです。LaCoocanにはDBとPHPがあるのですから、ここはPHPの学習を兼ねて、思い通りのものを自作してみたいと思います。設置者が用途に応じてconfigで切り替えて使う汎用的な設計にしてLab-LaCoocanのLibrary第１号に、と目論んでいます。　掲示板の機能を整理して考えてみます。●ファイルの添付機能　画像ファイルを１枚添付できるのはよくみかけます。　グループウェアでは任意のファイル形式を複数枚添付できたりします。●テキストの装飾　すべてのタグを認めると悪意のない書き込みに対しても簡単に壊れてしまいます。　許可するタグと禁止するタグの見極めが難しいところです。　許可したタグであっても一部の属性は使用禁止、とかになると実装も面倒です。　ニーズの高い装飾のみをエスケープコードとして公開する、絵文字によく見られる手法もあります。(これがよさそうです)●メッセージの構造　以下の３種類に分類できるかと思います。　・発言に親子関係の一切ないもの。(スタック型と呼ぶことにする)　・返信は発言元に対してのみの一世代限定のもの。(スレッド型と呼ぶことにする)　・返信に対する返信など完全に自由なもの。(ツリー型と呼ぶことにする)　データの持ち方をツリー型にしておけば、スタック型とスレッド型は、どの発言に対して返信するのかを指定する段階で、[返信]リンクを表示するか否かで制御できます。●掲示板参加者のユーザービリティ　一度に何件を表示させるか、通信速度と好みに応じて快適な設定をしてもらい、cookieに保存します。名前,URL,Mailなどの入力値も前回の値をcookieに保管します。●掲示板管理者のユーザービリティ　落書き防止対策。(図中の文字識別による人間応答の確認。数値入力によるPOST送りつけ阻止。管理者検閲制。登録語句による分別。etc)　背景色その他デザインのカスタマイズの方法。●掲示板に付随する機能　検索、発言ランキング、過去ログの扱い方など。　(だんだん視点が粗くなってきた^^;)　こうしてみると、おまけのような存在の掲示板であってもなかなか大変ですね。

  2007.03.13

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• ゆってるでしょ、のこころ

  　私が利用している図書館は子供館と大人館に分かれている。そのため大人館は概して静かである。大人館に子供が入ってはいけないという規則はないから、母親が子供を連れて入ることもある。中には喚く子、騒ぐ子、走る回る子もいる。　静かであればあるほど稀にそれを壊す喧騒が気になるのは皮肉なことだ。金曜の晩の地下鉄、アルコールが入って無用に声の大きくなったサラリーマンのがなり立てる声、轟音と軋み、揺れと光の乱流する車内で、本を開き文字に視線を落とすときもある。そういうときは最初から周囲の喧騒を当然のものと捉えているからあまり気にならない。　騒音の中から聞きたい音だけを聞きとる能力が人の耳には備わっているらしく、カクテルパーティー効果と呼ばれている。いわく有りげな名前ほどのこともなく、わいわいがやがや大勢の声が混じる中から話し相手の声を選って聞きだす能力のことだ。　これは裏を返せば、聞きたくない音に意識を向けてしまうと、微弱な音であってもよく聞こえてしまうということでもある。隣人のイヤホンのシャカシャカ漏れる音が耳障りなのは、カクテルパーティー効果にみられる耳の特性の、ありがたくない現れ方の一つではないかと思う。（耳障りな理由はもちろんそれのみではない。高域であるからというのもあるし、周囲への迷惑を慮る気持ちの皆無な行為であるからというのもある）　図書館で喚く子供の声はカクテルパーティーの類ではない。際立っている。かつ聞きたくないと強く意識してしまう音である。注意をそがれること甚だしい。手に取ってみた本の世界に引き込まれて無我夢中で読み耽っていた、というよほど幸運な瞬間でもない限り、喚き散らす子供は迷惑である。　「ダメでしょ、静かにしなさいってゆってるでしょ」　母親がついていて叱るのだが、この叱り方がどうもひっかかるのである。母親の叱る声は、トーンが揃っていて抑えられていて、社会的か家庭的かでいえば社会的な言い方なのである。母親は子供に向かっていうのを装いながら、つまりは周りの大人たちに伝えたいのである。　『館内では静かにしないといけないことぐらい、私もわきまえております。しかし、この歳の子供の利かん坊なこと！　なにぶん幼い子供のすること、あなたも大人館にいる大人なら少しは大目にみてやってください。えぇ、わかっていますわ。子供は子供館に、とおっしゃりたいのでしょう。しかし考えてもみてください。昨今の異常な犯罪の多いことを。子供館にこの子を独りにさせて、万が一連れ去られでもしたら、あなたが責任を取ってくれるというのですか。できないでしょう。……ごめんなさい、ちょっと言い過ぎましたね。でもこれでわかってくださったことと思います。そういう時代なんですね。お互い、譲れるところは譲りあって、うまくやっていきましょうね。』　という声が、子供を叱るのに全くふさわしくない声のなかに含まれて聞こえてくるのである。　悪びれる様子のない子供の声が一段大きくなるたび、母親のアナウンスがある。　「ダメでしょ～、静かにしなさいってゆってるでしょ～」　そんな穏やかな言い方できく子供ではないことは見ればわかる。またそのことを一番よく知っているのが当の母親であることも。

  2007.03.12

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  巡礼サイト制作 mission7

  　LaCoocanでは、SSIとデータベース、さらには定期実行処理の機能が提供されています。これほど強力なバックがあると、なにか一つするにしても普通にやるより良い方法はないかなと考えてしまいます。　たとえばリンク。　・misty247のブログ　普通ならベタで書くところですが、数箇所で使うようなリンクであれば一元管理したくなります。で、データベースに入れようかなとなります。データベースに入れると、また欲が出てきます。定期実行処理でリンク切れを検出させて、切れていたら管理者にメールで通知させよう！となります。いや、普通はジャンプさせる期間を設けるはず。それを検出してプログラムで修正までさせよう。そうすれば管理者の手をわずらわせることもなく……と、力業でガリガリ書き連ねていたら１時間かそこらで完成したであろうリンク一覧が、一週間経ても完成しないというようなことになったりするのであります。　しかし、ここで妥協はしたくありません。ウェブ上のガイドが本に優る点は、つねに最新の正確な情報が手に入るところです。将来変更される可能性のある値をページにハードコーディングしていたのでは、印刷物の書籍に対してアドバンテージを得るせっかくの機会を潰してしまいます。　ほかに考えていることは、天気予報から情報を引っ張って札所案内の中にピンポイントの週間天気予報を表示させることです。これもページビューのたびに天気予報にデータを取りにいっていてはレスポンスが悪くなりますから、１時間ごとに天気予報サイトから情報を収集してデータベースにストアしておく仕組みになります。　やりたいことはたくさんあるのですが、実装がまったく追いつかず、追いつかずというよりかは手付かずで、スタート地点にたどり着くまでのところで四苦八苦していました。LaCoocanの提供する機能を活用したページを作るには、まずはLaCoocanと同じ開発環境をローカルに構築しなければなりません。ウェブサーバーのapacheを動かし、MySQLを入れて、PHP5を組み入れて、３者の連携プレーがとれるようにセットアップするわけですが、これに随分とてこずりました。　libmysql(i).dllのバージョンが数種ありどれが動くものか分からず悩んだり、PHPのインストールで初期値のままインストールして苦労したり、ＩＥのキャッシュにとまどわされてphpMyAdminのconfigが読み出せず途方に暮れて一日棒にふったり……。　LaCoocanは多機能でいいなぁと最初は単純に喜んだのですが、LaCoocanの機能を活用するために最低しないといけないこの前段階で、こんなに苦労するとは思ってませんでした。せっかくの苦労なので、後続の人の手引きになるような形にしておこうと思い、開発環境構築にいたるまでの手順をまとめました。実はまだMySQLのテーブルデータを覗くビューが文字化けしているなど問題残りなのですが、とりあえずWindows端末のLaCoocanユーザー向けに apache + MySQL + PHP5 ＋ phpMyAdmin をセットアップする際には、リンクが揃っているという、そこだけでも役立ちはするかと思います。　今後もLaCoocanでのサイト制作に関する情報を、自分の備忘録も兼ねて残していく場所として、Lab-LaCoocan(ラボ・ラクーカン)というサイトを立ち上げました。上記手順書もこちらの現時点で唯一の記事として載せています。Lab-LaCoocan (ラボ・ラクーカン) 「LaCoocanユーザーのための情報サイトです!」http://soar.in.coocan.jp/lab-lacoocan/

  2007.03.11

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• ニュートラルのある人

  　エレベータのある建物に以前住んでいた。マンションに限らずオフィスや商業ビル等、どこでも普通に見られる光景だが、あとから人が近寄ってくると先に乗り込んだ人は「開」ボタンを押して待つ。先にいくか、待つか、悩ましい「微妙な間」があるのは大半の人が経験して知っていることだと思う。　あまり長く待つと過ぎた親切が双方の負担になるし、また棟にエレベータが１基しかないなら殊更であるが、確保すると上階で待つ人の迷惑にもなる。先にいくか、待つか、時として難しい。そしてなにより後からきた人が郵便受けに寄るのかどうかが、判断を著しく難しくさせる。　こういった待つ側の困惑を知っている人は、待たせる側になったときに「どうぞ、お先にいってください」と声をかけてくれる。ああいうのが朗らかで一番いいなと思いつつも、余分に考えすぎる嫌いのある私は、先方に待つ意思があるのかが定かでない状況で、待ってもらえることを前提にした言い方をすることに抵抗を感じてしまい、屈託のない対応が真似出来ないでいる。微妙なかち合いにならないように周辺から歩幅を調整したりする、そういう性格である。　こんなことがあった。私がエレベータに乗り込んだ時、郵便受けに人の気配があった。(見通しのきかない配置だった)　郵便受け回収作業は所要時間が予測不可なので、郵便受けに人がいても待たない、が私の基準だ。なので[閉]ボタンを押して構わず先にいったのだが、動き出して扉のガラス部分から一階のフロアが見えなくなる寸前に、郵便受けにいたであろう人が寄ってくるのがちらっと見えた。で、その直後、「バーン！」と激しい音。先に行かれたのが面白くなく、腹が立って扉を蹴ったのだ。　酒が入っていたのかも知れない。郵便受けに向かう前に手際よく呼んでおいたエレベータだったのかも知れない。それを横取りされたように感じてつい気がはやった？　それにしても蹴るとは！だ。個人を特定できない状況になった途端、不遜な行動に出る人がいてもさして珍しいことではない。しかしあのシチュエーションが当人にとって、憤慨あらわにするほどまで「微妙な間」から掛け離れていたのかと考えると、物事の判断基準の個人差激しいことにあらためて驚かされる。　この体験は思い返すうちに心に消えないある思いを生んだ。それはニュートラルのない人にはなりたくないという思いである。ニュートラルのない人というのは、待ってもらえたら『申し訳ない』、先にいかれると『なんて野郎だ』と、二極化される状況に、あるタイミングで遭遇したばかりに、平静な心の置き場(ニュートラル)を失ってしまう人である。　ニュートラルを見失いやすい「微妙な間」は、エレベータの待合の他に交差点での出会い頭など、卑近な所に数多く見られる。黙っていれば無愛想といい、話しかければ馴れ馴れしいという人。席を譲ってもらえれば「若いのに出来た人」と感心し、譲らないと「無神経な輩」と誹る人。日本的美意識に従って謙虚に臨む人を自信欠如と評し、アメリカ的流儀に則って売り込み型で臨む人を自信過剰と評する人。……　よろずに両極の形容詞をつけたがる性癖ともいえようか。　どういう状況に出くわしても、そこから展開される事態のどれかを自分は受け入れなければならない。二極に限らず三通りでも無数にあっても同じである。物事に対して、怒るでもなく哀しむでもなく咎めるでもない、心の掻き乱されることのない範囲をまずは見据え、見当たらなければ作り出そうとまでする人が私のいうニュートラルのある人だ。　腹立たしい目に遭っても、先にニュートラルを評価する思考順序は状況観察に努める冷静な視点を養い、かつ不愉快な感情も先に思考に毒素を幾分か濾過されて精神的に優しいものとなり、無用なストレスの軽減に役立ちもした。ニュートラルを求めるのは多分に感覚的にそうありたいと願ったのが発端であるけれど、多々好ましいことのようである。　加えて最近思うことは、ニュートラルを求めることが即ち自分を探すことではないかということである。あたかも撒き散らされた砂鉄が磁力の出現によって向きを統べられて模様を描くように、無数に散在する選択のフィールドでニュートラルの磁極を探った思考の軌跡が何かしらの焦点を結ぶことのあったなら、その模様こそが自分ではないかと。　自分探しの旅に出かけるという表現を聞くたび、人は皆うまれながらに尋ね人の調査を担った興信所員なのか、と錯覚させられる。しかし自分の在りかは、そんな気長な隠れんぼを強いる分身の内ではなく、家の玄関に、その先の四辻に、日常のそこらじゅうにある選択の中から片鱗を集めて地道に作り出すものと最近思うようになった。

  2007.03.10

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