実家のパソコン組み換え、顛末記(最終回w)
翌日の朝。ほぼ完成しているので実家に納めてもいいんだけど、一つだけ引っかかっていることがあって躊躇してた。それは、「どうにも動作が遅いこと」だ。起動するのも遅いし、何てことないフォルダを開くことすら数秒のタイムラグがかかるときもある。こんなはずがない。マイコンピューターを開く程度のことで、ダブルクリックの2クリック目で画面が固まり、数秒後にやっとマイコンピューターが開く。全ての動作が遅いってワケじゃないんだけど、CPUが仕事を始めるまでのタイムラグがあるって感じ?思い当たるのは、HDDだ。WDのEARS型番の固体に特有の「低速病」。考えたくはないけど、いきなりこれが発生してると考えれば辻褄が合う…。この遅さが製品の不良だとすればサイアクだなぁ…。正直、このままでも使えないわけじゃないし、これで納めちゃおうかとも考えたけど…やっぱり出来ない。ということで、またまたネット検索開始。「低速病」でヒットするものを見ていくと、どうも省電力機能のIntelliParkの不具合で発生してるのではないかという話が多い。で、この機能を停止させるソフトがWDから提供されてたらしいんだけど、現在ではWDからの配布は停止されている模様。ネット上にはあるらしいんだけどうまく効いたり効かなかったり、最近出荷されてるHDDはファームが改良されてるのでIntelliParkの停止自体をオススメできない(必要がない)という話もありなかなか実行に移す踏ん切りもつかない。ここは一つ、体感だけで判断するのではなくて、ベンチマークをとってみようと思いついた。自分のマシンのHDDもたまたま「低速病」対象のEADS型番機種(1TB)だ。これと比べてみよう。で、まず実家マシンでCrystalDiskMarkを実施。なんだか、なかなかベンチが進まない…遅すぎないか?HDDの音もなんだか壊れてるような…そんな音がする。おっ、結果が出てきたぞ…げげっ!!このWriteの値はなんじゃぁ!-----------------------------------------------------------------------CrystalDiskMark 3.0 (C) 2007-2010 hiyohiyo Crystal Dew World : http://crystalmark.info/-----------------------------------------------------------------------* MB/s = 1,000,000 byte/s [SATA/300 = 300,000,000 byte/s] Sequential Read : 84.021 MB/s Sequential Write : 19.882 MB/s Random Read 512KB : 34.385 MB/s Random Write 512KB : 7.984 MB/s Random Read 4KB (QD=1) : 0.165 MB/s [ 40.3 IOPS] Random Write 4KB (QD=1) : 0.086 MB/s [ 21.0 IOPS] Random Read 4KB (QD=32) : 0.491 MB/s [ 120.0 IOPS] Random Write 4KB (QD=32) : 0.088 MB/s [ 21.6 IOPS] Test : 1000 MB [C: 2.5% (29.0/1147.2 GB)] (x5) Date : 2010/12/08 10:19:58 OS : Windows XP Professional SP3 [5.1 Build 2600] (x86)(日付がおかしいですが、これは設定をきちんとしていないからデス) 最新のHDDとしての値がどのくらいなのかはよく知らないけど、Writeの値が悪すぎるということはわかる。ちなみにウチのマシンの結果は、-----------------------------------------------------------------------CrystalDiskMark 3.0 (C) 2007-2010 hiyohiyo Crystal Dew World : http://crystalmark.info/-----------------------------------------------------------------------* MB/s = 1,000,000 byte/s [SATA/300 = 300,000,000 byte/s] Sequential Read : 101.596 MB/s Sequential Write : 99.081 MB/s Random Read 512KB : 30.467 MB/s Random Write 512KB : 30.407 MB/s Random Read 4KB (QD=1) : 0.354 MB/s [ 86.5 IOPS] Random Write 4KB (QD=1) : 0.919 MB/s [ 224.3 IOPS] Random Read 4KB (QD=32) : 0.540 MB/s [ 131.9 IOPS] Random Write 4KB (QD=32) : 0.327 MB/s [ 79.8 IOPS] Test : 1000 MB [C: 15.2% (127.3/836.2 GB)] (x5) Date : 2010/05/15 10:09:51 OS : Windows XP Professional SP3 [5.1 Build 2600] (x86) これも決していい値とは言えないのかもしれないけど、比較対象には十分なるわけで、実家マシンの余りのWriteの遅さがはっきりとした。これは放置しておくわけにはいかないぞ。どうすりゃいいんだよぉー!新しいHDDを購入して換装するのが早いのかも…。しかし、時間もお金もかかる。諦めきれずにネットを徘徊すること数十分。ん?いま何か気になる記述が…。EARSのHDDはXP以前のOSには対応していない云々…なんと?!2TB超の容量に対処するため、セクタ数を512Bから4KBにしている(AFT)ので、XPで使用すると大幅にパフォーマンスが下がるとのこと。この症状を「低速病」と混同している書き込みが多いと書いてある。なるほど~。ちょっと救いが見えてきたか?しかし、という事は…XPで使っちゃいかんパーツってことか?なにか対処法があるらしいけど、なんだか色んな人が色んなことを書いていて、一貫した方法が書かれていない。WD Align utilityというソフトを使えばいいらしいんだけど、XPでフォーマットした場合に限るとか、パテ切りもXPでやれとか、管理画面でパーティションの開放をしろとか…。どれを信用すればいいんだ?このマシンのHDDはそもそもクローンコピーで製作してあるし、パテ切りもクローンソフトでやってる。WDのホームページではクローンソフト使用の場合のケースも載ってあるけど、翻訳ページのようでいまいち要領を得ない。しかも、フォーマットって事は、新規インストールをする前にやらなきゃいかんのだろ?しかし、あるブログでXPインストール後にこのソフトを実行してパフォーマンスが大幅にアップしたと書いてあった。しかも、「データはそのまま保持された」とある。データそのまま?!さらにソフト関係で検索して見ると「WesternDigital製HDD友の会まとめ」のページで紹介されている「ツールの使い方」では「データが保持される」とはっきり書いてある。「WD Align CD - Powered by Acronis」というツールが早くていいらしいのだが、詳しい使い方や注意事項はまったく書かれていない。やるべきか、やらないべきか…。オリジナルのHDDは別にあるわけだし、最悪フォーマットで中身が消去されてもやり直せばいい。つーことで、上記のソフトをダウンロードする。ISO形式なので、ライティングソフトでCDに焼くとブータブルCDが作成される。これを実家マシンに挿入してブートさせればいいわけだ。GUIで進むから、あとはなんとかなるだろ。意を決して作業開始。アクロニスの画面が立ち上がり、作業画面が出てくる。とにかく、先先へと進めていく。「データバックアップしたな?」みたいな画面が出てくるけど気にせず開始!システムドライブとデータドライブでデータ量としては50GBくらいはあったと思うけど、40分程度の作業だった。作業完了して、祈るような気持ちで(ここんとこ祈ってばっかりだなw)再起動。…XPの起動画面が出た!!しかも…なんか静かで早いぞ!あきらかに早くなってる感触がバリバリ!再度ベンチをとってみる。-----------------------------------------------------------------------CrystalDiskMark 3.0 (C) 2007-2010 hiyohiyo Crystal Dew World : http://crystalmark.info/-----------------------------------------------------------------------* MB/s = 1,000,000 byte/s [SATA/300 = 300,000,000 byte/s] Sequential Read : 99.969 MB/s Sequential Write : 95.603 MB/s Random Read 512KB : 39.511 MB/s Random Write 512KB : 62.415 MB/s Random Read 4KB (QD=1) : 0.519 MB/s [ 126.6 IOPS] Random Write 4KB (QD=1) : 1.250 MB/s [ 305.2 IOPS] Random Read 4KB (QD=32) : 0.491 MB/s [ 119.8 IOPS] Random Write 4KB (QD=32) : 1.225 MB/s [ 299.0 IOPS] Test : 1000 MB [C: 2.5% (29.0/1147.2 GB)] (x5) Date : 2010/12/08 11:18:11 OS : Windows XP Professional SP3 [5.1 Build 2600] (x86) うひょー!Writeが大幅にアップしてるぞ!やったぜ!もちろんデータはそのまま。まったく変わりないまま作業完了してる。どうやらこのソフトは「フォーマット」と言っても、普通に思い浮かぶ「消去を伴う」ものじゃなくて、「AFT」に対応させるためのフォーマットを行うもののよう。パーティションのズレを修正するだけなので(よくわからんのですが)、データには影響ないみたいですね。データ量が多いと時間がかかるだけの模様。「案ずるより産むが易し」だね。これでようやく作業完了。しかし、こんなに大変な作業になるとは思いもよらなかった。ほんとに自ら地雷を踏みに行ってる感じだね。それにしてもこのWDのHDD。販売する側もしっかりと「XPでは普通には使えません」と明記するべきじゃないのか?ユーティリティソフトも、WDが提供してるんだし、使い方をちゃんと説明してサポートするべきだろう。XPでこのまま使ったら、恐ろしく悪い性能で使うことになるし、その人はもう二度とWDのHDDは買わないだろう。自分もそうなるとこだったからね。でも、よく考えてみると昔の自作パーツってそんなものだったかなぁ。今は便利になって、とりあえずパーツを組めばOSのインストもさくさく出来るしハードウエアも勝手に認識してくれるけどね。初めて自作した時は、初心者用の自作の本を一冊買って、それを見ながらやったけど「fdisk」のことが書いてなくて、何度起動させてもインストールが進まなかった。散々悩んだ末に、ショップの納品書と一緒にHDDインストールの注意書きのプリントがあることに気が付いて、そこにインストール前に「fdisk」が必要ですと書いてあったのでなんとか切り抜けられた。今みたいに気軽にインターネットも出来なかったし、ネット上の情報も格段に少なかったし、上級者が集まる掲示板でそんな初歩的な質問をしようものなら「自分で解決しろ!そんなくだらない質問でネット回線を消費するな!」と袋叩きにあったものだ(笑)。なんだか、初心を忘れていたのかなーという気分。あのときのトライ&エラーの気持ちを忘れちゃいかんですね。しかし、歳を感じるな・・・。「注意書き!!」このブログに書かれてあることに関して、いっさいの責任を持ちません。参考にして作業をしていただく場合は全て自己責任でお願いします。パーツのロットの違い、OSのバージョン等によって生じる結果に差が出る可能性があります。当然のコトながら、書かれている内容がイマイチ理解できないという方は作業自体を行わないほうがヨロシイでしょうw。ワタシはいっさいサポート出来ません(ワタシ自身、理解しているわけではないのですからw)。