最近読んだ本 「英雄の書」 宮部みゆき
英雄の書...価格:1,680円(税込、送料別)とりあえず読んだので、感想は書くけど、はっきり言って、つまらなかった。やっぱり宮部さんはファンタジー書くべきじゃないね。悪い作品だと言うつもりはないです。よく出来た、よく考えられた作品で、発想も悪くないし文章や構成もさすがに上手だと思う。「ブレイブストーリー」や「ドリームバスター」なんかが好きな人は読んでみるといいのかもしれない。でもねぇ、自分的にはちっとも面白いと思える部分がない。はっきり言って、すべてどこかで読んだ気がするし、目新しさが感じられない。新聞連載作品ということもあり、とにかくイベントが起きて、それに対しての説明があって・・・の繰り返し。いつもの宮部ファンタジーと同じで、ゲームのシナリオだね。読んでても作品世界の説明が延々と続いてる感じで、作者の作品に対する愛着はわかるんだけど、余計なんじゃないかなぁ。ストーリーの中で読者が自分なりに世界観を感じ、自分の中での想像を膨らませていけるのがファンタジーの醍醐味の一つだと思うので、あんまり説明しちゃうと一方的というか活字を読んでる意味がない。テレビと変わらなくなってしまう。そのあたり、ファンタジーは舞台設定に妥協を許さないミステリーとは真逆とも言えるものだから、いや、むしろ文字にはしていない部分を読ませる必要があるわけだから、書き方はまったく変わってくるわけで、いつも思うんだけど作者のセンスの問題かな、と。そもそも、この作品読んでラブクラフトの雰囲気を感じる人間がどのくらいいるのか?(途中で出てくる怪物はショゴス?)和モノではないな、とは思うけどまさか幻想怪奇だったとは・・・。宮部さんほどのビッグネームなら、次はこんな作品が書きたい!と言えば通ってしまうのだろうけど、誰か止めてあげたほうがいいと思うんだけどなぁ。ライトノベルと比較するならともかく、他のファンタジー作家の作品と比べれば一目瞭然(一読瞭然か)でしょう。頼みますから、宮部さんはミステリーを書いてください。その方が絶対面白いって(間違いない)。