最近読んだ本 「ナニワ・モンスター」 海堂尊
【送料無料】ナニワ・モンスタ-価格:1,680円(税込、送料別)バチスタシリーズの作者が書いたってことで、医療ジャンルの作品だというのはわかってたけど、舞台設定もバチスタと同じだった。東城大学病院もあるし、田口も白鳥も作品世界のどこかに住んでいるだろうし、シリーズに出てくる人物も顔を出すし、重要なキャラクターもかぶってる。スピンオフってやつですか?序盤は、少し前に現実に起きた豚インフルエンザの感染騒ぎをなぞるかのような出来事が書かれてあって、いつものように医療従事者の目線から見た暴露手記みたいな感じで、これを最後まで延々続けられるとちょっとつらいなと思い出した頃にスカッと場面転換。ここで出てきたキャラは後々重要な役を担うんだろうね?そうじゃないとこの章の意味がない。その後は、実際に起きた事件や出来事をなぞるというパターンでストーリーが展開していくって感じ。メインキャラはたぶん某元知事なんだろうけど、そのままキャラクターを拝借している感じで、政策やなんかもそのまま流用してて、その辺りはちょっと安直すぎるというか完璧にダブって見てしまう部分もあって違和感があった。作者の意図はわからないけど、ここまで真似する必要があるのか?と思う。現実とリンクさせてリアルさを出そうということかもしれないけど、リアルに引っ張られすぎるデメリットの方が大きいと思うけどねー。作者の予想以上に現実が暴走してきてるところもあるので・・・。まあ、実際には全く関係ないことなので、切り離して読めばいいのだろうけど、策士策に溺れるというか、せっかくすごい話を書く力があるんだからもっとオリジナルなものをガンガン書いて欲しい。最近のバチスタシリーズもそうだけど、ちょっと説教臭い雰囲気になってきてるので、そのへんも鼻についてストーリーに没頭できない。で、結局なんの決着も付かず「続く」って感じの終わり方で、ああ、またかという脱力感の残る読後でした。作者の頭の中ではちゃんとつながってるんだろうけど、読むほうとしてはどの作品が何と関わってるのか、どの順番で読めばいいんだと、少しイラつくところもある。筋金入りのファンでもないから全ての著作を網羅してるわけもないし、ちょっと困る感じもありですね。