最近読んだ本 「終わらざる夏」 浅田次郎
終わらざる夏...価格:1,785円(税込、送料別)終わらざる夏...価格:1,785円(税込、送料別)浅田次郎の新作、上下巻。正直、自分が期待していたようなものではなかったかな。胸のすくようなエンタテイメントを読みたかったんだけど、さすがに終戦を題材にした作品なので全体的に重たい雰囲気がある。それと、登場人物が多いので各人物の書き込みが若干あまいような感じもあって、イマイチ物語に入り込めなかったところもある。もっとも、始まりから結末までが一ヶ月半ほどの期間の出来事を書いた作品なので、それを何人もの登場人物を描いてきちんと収めているんだから、やっぱりすごいんだろうと思う。題材が題材なんで、書こうと思えばもっと凄惨なものにするのは簡単なんだろうけどね。そう考えると、すごくあっさりと書かれてるのかも知れない。自分は浅田次郎の書く「人物の物語」が好きなんだけど、これは「終戦」という出来事を書いた作品なのでよけいに入り込めないのかな。ただ、出来事そのものではなくて、いろんな人の日常を描きながら全体としての「終戦」をまとめあげていく筆力はすごいなぁ。登場人物一人ひとりがそれぞれ長編小説が書けそうな出来で、それをあっさりと脇として書いちゃうんだから・・・もったいない。次は爽快な作品が読みたいぞ!ぜひともお願いします、浅田先生。