カテゴリ:小説
我が輩は猫である。 名前は無い。 いつから猫になったのかを話すとしよう。 実は、わたしは、人間として生きていたのだ3年前まではー。 わたしは数々の事業に成功し、巨万の富を得た。 わたしは、20歳になったとき、家に飼っていた飼い猫が あまりに賢く、競馬の予想を当てるので、猫に頼んだのだ。 「お前の能力をわたしにくれないか?」と。 飼い猫は、ニャーと応えた。 それからというもの、毎週毎週、競馬で大当たり。札束がゴロゴロ入って来た。 その金を元手に、アパートを一棟買い、家賃収入が入ってくるようになった。 世の中の景気とマッチして、それを倍以上の値で売った。 次々と、わたしは、猫の知恵を借りて、事業を成功させた。 やること成すこと、常に上手くいく。不思議だった。 10年間、それで成功したんだ。そして、億万長者となったわけさ。 しかし、大切なことを忘れていたんだ。 猫に頼んだのは、10年間、お前の知恵を貸してくれと頼んだのだ。 我が飼い猫は10年間、見事にわたしの願いを叶えてくれた。 ある朝、起きて鏡を見たら、わたしの顔は猫になっていたってわけさ。 じゃ、猫はどうしたかと? 実は、これをどう説明したらよいか分からない。 体は人間になったようだが、顔は豚になってしまった・・・。 理由の説明さえ出来ないよ。一週間したら、同類の恋人を連れてきた。 だから、今は、この二人と一緒に暮らしているってわけさ。 金には困らないよ。腐るほどあるんだから。 ただ、仕事に出掛けるときは、わたしは、お面を被るんだ。 でないと、仕事にならないからね・・・。 正直、バレたら、世間を騒がすことになるしね・・・ まあ、それなりに楽しくしているよ。 ひとつ、残念なことはと言えば、妻は去ってしまった・・・ことくらいかな。 後は楽勝さ・・・、ははは・・。 それでは、皆さま、明日も良い日を~
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