カテゴリ:小説
即興小説 『夢の中で』 * 夜空に星が瞬くほんのひととき、 あの人とわたしは出会った。 ふたりは、かたくなって、何も喋らなかった。 けれど、二人の心臓の糸は繋がっていた。 あのとき、森の戸口を開けたこと・・・ あのとき、森の景色だけだった・・・ 再び、あの人と出会いたくて、森を彷徨い歩いた。 森は魔界のよう。 森は天国のようにも見えて・・・ 森は神秘に満ちていた。 森は木の葉と生き物たちの息づかで音を発した。 文明を彩ったものたちも、森の中では生気を失って、 月の明かりの中では、死の世界。 月を追って、あの人を探していた。 あの人と夜空で出会って、 あれから・・・再び、わたしの目の前に現れたとき、 あの人は、ヒースクリーフになっていた。 戸口に、 風吹が吹き荒れていた。 わたしは、まどろんでいた。 雪が吹き荒れて舞うさまが、白い紙ひこうきになる。 いくつも、いくつも、わたしの上をびゅんびゅん飛んで、 とんで、とんで、 あの人と出会った夜空と、森へ誘った戸口と、 それから・・・ 星降る夜と、幻と、 そこには、 いくつもの、いくつもの豊穣が横たわっていた・・・・ 今日も読んで頂き、ありがとうございました~ 本日も明日も良い日を~
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