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May 19, 2008
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カテゴリ:アンティーク
ありえない話なのですが・・・。

あなたはロンドンで、高価なアンティーク家具を売っているアンティークディーラーのもとで家具の修復の仕事をしています。

ある日、修復工房にマホガニーのサイドテーブルが持ち込まれました。天板を見てみると傷があり、色もあせて突き板にはひびも入っています。

5・19.jpg

そこであなたは天板の塗料を洗い落として乾燥させて、サンディングペーパーで天板全体を研磨して、フレッシュなマホガニー本来の木肌を復活させます。そしてニスを丹念に塗りこみ新品同様にピカピカにします。

作業が終わってボスのアンティークディーラーがテーブルを見に来ました。

彼はテーブルを見るなり驚きに唇を震わせ、次第に怒り狂い始め顔を真っ赤にしながら非難の言葉をあなたに浴びせかけます。

「なんて事をしてくれたんだ。このテーブルが200年以上かけて作り上げた貴重な傷や木の色や質感を全て無くしてしまったんだぞ。こうなってしまったらこのテーブルのアンティーク家具としての価値はゼロなんだぞ。」

あなたは返す言葉がありません。

この会社をクビになって辞めても推薦文が書いてもらえないので、他の会社でも働けません。

ボスに損害賠償を求められて訴えられるかもしれません。

とこんな過激な例え話が出るほどアンティーク家具の修復では、古い木の表面に手を加えません。古くなった木の表面の状態を人工的に作り出す事は非常に困難なので、そこに価値があるからです。

ちなみにこのテーブルは、「チッペンデール期マホガニーサーペンタインサイドテーブル」です。彫刻も入っています。1760年頃作られました。最低でも300万円はするのではないでしょうか。

5・19あ.jpg



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Last updated  May 19, 2008 10:49:06 PM
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