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2006年08月23日
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カテゴリ:読書
だいぶ前に司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」を読んだ感想を書くとかいって
書いてなかったので書くことにする。

この小説は、日本が明治維新を経て、欧米の列強に対抗しようとして、
軍事力を拡大しだした頃に起こった二つの戦争(日清戦争、特に日露戦争)について旧松山出身の
3人の立場を中心に書いてある。

司馬遼太郎さんが3人の立場を中心に書いたとは書いてあったけど、他の登場人物たとえば満州総本部参謀児玉源太郎や第3軍大将乃木希典なども小説の中で頻繁に出てくるし、とくに日露戦争全体を俯瞰して書いてあるので、誰が主人公というのもとくにないのかもしれない。


これまでの読書暦を振り返ってみると、この小説は今まで読んできた小説の中で3番目に長い小説だった。3番目に長いといっても大学に入ってからよく本を読み始めるようになったから、あまり読書経験はないのだけど、今まで読んだ中ではずいぶん長い方である。


これまで司馬さんの作品では「竜馬がゆく」や「飛ぶが如く」、「峠」を読んできたけど、どれも
その最後は主人公は壮絶な最後を遂げているので、今回読んだ「坂の上の雲」は読んだあとの後味はよかったといえる。

日本が日本海海戦において、圧倒的な勝利を収めるというくだりは読んでいて、日本がいかに優れた海軍を持っていたのかがつたわってきたし、この戦闘の描写は克明に記録されていて、読んでいてその場に自分が居合わせているような感覚を覚えた。

私が、小説の中で一番印象に残ったのが、旅順攻略である。
第3軍の伊地知参謀というのは、恐ろしく頑迷な人物で、1回目の総攻撃の時に1万人を超す死傷者を出しておきながら、作戦を変更しようとせず、何度も旅順特に203高地への白兵突撃を繰り返し多くの日本兵を死に陥れたのだが、読んでいて、腹が立った。

読んでいて思ったのが、人の上に立つ人物というのは、優秀でなければならないということである。何を持って優秀とするのかというのは、難しいのだけど、この旅順攻略においては、旅順を陥落させるだけの頭を持った人物が出なければならなかったと思う。

結局、この要塞はなかなかおちない旅順要塞にしびれをきらした児玉源太郎が旅順まで直接足を運び、作戦を陣頭指揮することで陥落するのだが、最初から彼のような参謀が作戦を担当していれば、多くの人が無駄死にせずに済んだことを思うとうえに立つものが優秀でなければならないと思った。

まだいろいろと心に残る場面があるのだけど、この小説は日露戦争を日本やロシア側から、またそれ以外の立場から俯瞰的に知る事が出来るし、話しの内容としても面白いだけでなくて、非常に重要なメッセージが込められていると思う。

読んだことがない方には是非お勧めしたい。





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最終更新日  2006年08月24日 00時33分46秒
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