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カテゴリ:日常のあれこれ
読み終わった「八日目の蝉」から.... ラストシーンがとても切なくも感動的で、今のところは時折その情景が 自然に浮かんできては清々しい読了感を新たにしているが.... これが1週間たち1ヶ月が過ぎる頃には、悲しいカナ ストーリーそのものさえ思い出せなくなるかもしれない最近の私 そんな自分のために 誘拐された女、誘拐した女の20年後を書いておきたい。 保護され自宅に戻ったときは4才になっていた薫 決して大事に扱われなかった訳ではないが父親になりきれない父、母親になりきない母 めずらしいものを見るような妹の視線。 見世物あつかいの世間。どれもこれも「あの女」のせいと憎むことだけを心の支えに 成人した薫。 「あの女」との暮らしは思い出しもしない そんな時、カルト集団での暮らしを共にした2歳上の千種が 薫を探し当て、4年間の逃亡生活を辿ろうと 強引に薫を誘い出す。最後の地、小豆島を訊ねるべく岡山港に着いた二人 「あの女はとっくに刑務所から出てるはずだけど、今どこに...」 封印していたハズの憎い「あの女」について初めて自分から言及する薫 港に立ち、対岸の島を眺めたとき、走馬灯のように「あの女」との暮らしが よみがえる。 たしかにあのとき「あの女」は母だった。憎しみに封印されていた島の暮らしは 女の愛情と献身で楽しくも豊かな生活であったのだ.....と 一方、誘拐した女、希和子は出所後、流れ流れて岡山まで来たものの 自分の罪への怯えと後悔で、あと一歩の小豆島に渡れない 対岸の地に職を得 来る日も来る日も夕方になると港に座り、島影を見ながら 薫との生活を思い出す日々。 二人の視線が交差する日はあるのか。 乗船するために桟橋に向う二人連れに「薫~」と思わずつぶやく希和子 いつか自分も海を渡れる日がくるだろうか.... 海は陽射しを受けて、ちかちかと瞬かせている。茶化すみたいに、 認めるみたいに、なぐさめるみたいに、許すみたいに.... 今日のデザート お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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