久しぶりに博物館へ出向いた。天気がよくないせいか、来場者がいつもより多く感じた。今日の目的は企画展「下野の仏画」である。パンフレットによると下野の国は古来より東北経営の要地として栄え、仏教文化も大きく花開きました。また、下野では、日光・男体山が古代より修験の一大聖地として発展し、中世には宇都宮氏や足利氏が大きく勢力を広げ、また近世には日光東照宮の造営が行われて現在でも多くの宗教遺物が伝損しています。今回の企画展ではこれまでまとまって紹介されることのなかった下野の仏画に焦点をあて、県内に残る宗教絵画のうち、代表的作品を一堂に会してその全貌を紹介するものである。日光や足利地域、そして県内各地の社寺の名宝を始め、博物館蔵水墨画コレクションを加えた重要文化財8件、県して文化財15件を含む約80件で構成される大規模な展示会になっているのである、人々の敬虔な祈りによって、長い月日のわたって守り伝えられてきた精華が堪能できる。
実際に印象的だったのは、仏画がほとんど中央に存在する模写が多いこと、絵画が若干雑なこと、さらには風化(?)のせいか保存状態がイマイチなことが残念であった。得筆するならば、最後に展示してあった。涅槃図の刺繍画がすごかった。2メートル四方の大きさで涅槃図すべてが刺繍で作られていることだ。江戸時代後期の作品だと記憶しているが鳥肌が立ったのはいうまでもない。時間的に1時間弱だったが久しぶりの鑑賞に有意義さを感じた。
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最終更新日
2005年10月29日 21時29分00秒