奈良県の幼児誘拐殺人事件の容疑者逮捕から一週間余り。毎日続々と犯人の供述や日常などが様々な媒体を躍らせている。それを見聞する度に、犯人の残虐さ、鬼畜さを感じるばかりである。とはいえ、今後犯人が如何なる裁判や刑罰を受け様と、亡くなった女の子は二度と還ってこない。また終身刑制度がない日本では死刑にならない限り、真面目に償えば仮出所の可能性がある。果たして（懲役30年として）70歳になった犯人が、更に秩序がなくなった日本社会に完全な復帰ができるかどうか、甚だ疑問である。
　これから先、今回の様な残虐且つ残忍な事件がなくならない可能性が高い。否、益々高くなるだろう。確に今後、用心の為に様々な対策を施していくだろうが、最終的には本人が判断しなければならない。どれだけ注意を喚起しようとも、最後は人間と人間が相対するのだ。
　幼児や少年が大人たちの言葉を完全に理解できるとは到底思えない。経験や行動を自分の中で完全に理解し、且つ学習する能力に限界がある。誰しも産まれた瞬間から100％完全な人間ではない。だからこそ子供であり、育てる意味合いが出てくるものである。最初から育てる必要がなかったら、人間社会は成り立たないだろう。
　酷な話かもしれないが、人間は様々な経験や危険をして大きくなる。当然の事ながら運悪く命を落とす場合もある。だからといって危険から身を守る為に過保護・無菌状態で育てたら、将来の夢は見えてこないし、その方が逆に心配である。個人の人生は個人が決めるものである。
　然し乍、こうした犯罪が起きない様にしなければならない。その為には矢張経済を第一にした政治、則ち国を立て直す必要がある。ハッキリ言って、物事の根幹が腐っているのに、幾等枝葉を手直ししても、花は咲かないし、益々悪くなるばかりである。大国・アメリカはイラク戦争の泥沼にあり、間違いなく戦争の大きな事後処理を迫られる。その際には国政もガタガタになり、それが経済にも大きな影響をもたらすだろう。日本は自衛隊派遣の問題はあるにせよ、まだ立て直す余地がある。
　アメリカがクシャミをしたら日本がカゼをひく……と言われているが、イラク問題でアメリカが肺炎を患えば、日本は完全な御臨終である。それを避ける為にも、早急に立て直す必要があるのだ。だが肝心なポチ総理の頭の中には、そうした言葉すらも入っていないのだ。日本国民は経済の原子爆弾が落とされるのを待つしかないのだ。戦争の原子爆弾の破壊力も相当だが、それ以上に経済の原子爆弾は国を完膚なきまでに滅ぼすものである。二度も被爆をした国として恥辱の名を残すというのか……？