バリ、初心者のお土産ショッピング
バリは初めてのMizumizu。チェンマイのときもそうだったのだが、バリ雑貨を見るのをかなり楽しみにしていた。まず、なにはともあれ欲しかったのは銀製品。ガイド氏に伝えると銀細工を多く作っているという村へ連れて行ってくれるという。だが、実際に着いたのは、銀製品を作っている小さな工房兼ショップだった。ショップは規模が小さいうえに、同じようなデザインのものばかり。「めずらしい一品もの」は皆無で、「手ごろなお土産」しかない。これなら、チェンマイの銀製品の工房のほうが遥かにいい。あそこで買ったオールドシルバーのネックレスは品質もよかったし、他では見ない掘り出し物だった。ニマンヘミン通りの銀製品のショップにも、「その店にしかないオリジナル商品」がたくさんあった。バリの銀製品の工房は、中途半端に量産している雰囲気で、同じペンダントトップが山ほどある。しかも、売り込み攻勢が激しいのなんの。どんどん奨められ、いったん値段を聞くと、電卓をもって店員がつきまとい、いきなり「2X%ディスカウントぉ」と値引きした額を電卓に打ち込んで見せる。そういうのって、ディスカウントではなく、単なる二重価格だと思うのだが。しかも、ディスカウントした言い値ですら、高い。これなら吉祥寺あたりにあるこじんまりとした銀のアクセサリー店のほうがよっぽど気が利いたものを売っているのでは?工房(というほどのものではなく、銀に細工している作業風景をちょっと見せるだけ)から案内役がぴったりくっついてきて入るショップは小さいので、買わずに出てくるのはかなり気が引ける。実際、孤立した場所にあるこの工房兼ショップには、次々にバンが横付けされ、2~3人の日本人グループが送り込まれてきた。日本人は素直によく買っていた。Mizumizuもせっかくだったので、バリに来たら買おうと思っていた大きめのペンダントトップを2つ買った。スネークスキンタイプの太くて長いチェーンはチェンマイで買ったもの。これに合う量感のあるトップが欲しかったのだ。右はバリ文字を象ったもので、お守りとか魔よけの意味があるらしい(詳細は、案内役やガイド氏の日本語が不明瞭でよく理解できなかった)。スイング型になっているのが少し凝っている。左は細かい模様の入ったナイフと、そのナイフがくりぬかれたようになっている平たいパーツとの組み合わせがおもしろい、ユニセックスなデザイン。最初の「ディスカウント価格」が1,200,000ルピア(1万2000円)と、――おいおい、チェーンなしのペンダントトップ2つでかい? それじゃ日本より高いじゃん。と突っ込みたくなるような値段だった。交渉したが、あまり思い切りよくは下げない。「コレ、本物ノ銀ダカラ・・・」と涙目になるお姉さん。いや、それはわかってますけど。ま、あれよね。日本人を送り込んでくるガイドにもキックバックを払うのだろうし、そうそう安くはできないということですか。結局2つで890,000ルピアで折り合ったのだが、現金をあまりもっていなかったので、カードで払おうとしたら、手数料をもってくれと粘られ、結局916,700ルピア(約300円増し)になった。値引いてもらってトクした気分より、値段交渉で疲れたという印象のが強い。銀のペンダントトップが1つ5000円弱というのは、そんなにべらぼうに安くはないし、特別すぐれた品質のものというわけでもない。あとで、免税ショップなども見たが、そこよりは確かにこの工房のもののほうが「多少」安かったかもしれない。デザインは好き好きだし、品質に関しては、免税店にあるのも、この工房にあるのも、あくまでお手ごろなお土産。ウブドの町中の宝石店では、もっとよいものも見かけたのだが、よいものは値段もそれなりだった。要するに、「抜群のお買い得感」は皆無なのだ。いや実際、雑貨やアクセサリーで個性的な掘り出し物を見つけようと思ったら、明らかにチェンマイのほうがいいと思う。銀工房のあとは、「ここならバリ雑貨が何でも揃いますから」という店に連れて行かれた。ウブドの郊外だが、やはり孤立した場所で、またもどんどん日本人が送り込まれてくる。ホテルではほとんど日本人を見かけなかったのに、案内される店はどこも日本人客ばかりとは。実に奇妙な体験だった。「ここは、ディスカウントしてくれます」のガイドの言葉どおり、レジで16%引きにしてくれたのだが・・・だから、それはディスカウントじゃなくて、単なる二重価格でしょうが。そこで買ったバリ・コーヒー。熱いお湯に溶かして飲む・・・というと、インスタントのようだが、味と香りはぐっといい。右の「スタミナ・コーヒー」は、ジンジャーやシナモンの入ったエキゾチックな味。これも非常に気に入った。もっと買ってきてもよかったナ。そしてバリの塩。なんと袋には日本語が。つまり輸出用の商品ということか? これじゃ全然ありがたくない(笑)。「バリの塩は甘みがあって美味しい」と、バリフリークの人が書いた本にあったのだが、今の東京は世界各国の上等の塩がいくらでも手に入るせいか、味はたいしたことなかった。しかも、先日日本橋の三越の地下で、「ピラミッド形のバリの塩」というのを見つけてしまった。粒が大きく、本当に1粒1粒がピラミッド形をしている! こういう高級品は、ダイレクトに日本に入ってきてしまうのか、お土産屋では見かけなかった。なんのためにわざわざ買って運んできたのやら。トホホ。沖縄でいろいろ買って東京に着いたとたん、「わしたショップ」に全部同じものが同じ値段であることに気づいたときと似た気分だ。定番の「バリっぽい」Tシャツ。日本人客で溢れた店では、店員が、「これは、バリっぽい」と言って、確かにバリっぽいものを奨めてくる。「バリっぽい」ってフレーズ、よっぽど日本人が使うんだろうか?このTシャツ、中央部分がプリントではなく、更紗になっている。昔・・・♪土手のすかんぽ ジャワ更紗昼はほたるがねんねするという歌を昔どこかで聞いたことがあるような気がする。ソレですかね? 確かに美しい。しかし、Tシャツ1枚166,000ルピア(1,660円)とは、かなりのお値段。7枚1000円の「色落ち」して「ときどき穴があいていて」「1度洗濯したら」ダメになるという、路上の物売りのTシャツは、どんなものだったんだろう・・・と逆に気なった。ガイド氏を振り切って買ってみても話のネタになったかもしれない。<続く>