ニース、ショッピングストリート
さすがに世界的保養地だけあって、ニースのショッピングエリアは充実している。マセナ広場をはさんで、東側が赤に、西側が緑に色分けされているが、赤が贅沢品、緑がカジュアルな品物を扱うエリアということらしい。マセナ広場の北から西に延びるマセナ通りとパラディス通りには洒落た店がずらりで、華やかな都会的な雰囲気ふんだん。そんなマセナ通りで、ボヘミアンなお兄さんと彼のワンちゃんに出会った。ワンちゃん、ストリートミュージシャンのご主人のお小遣い稼ぎには眼もくれず・・・どこかを一心に見ている。視線の先には美女が。でも・・・人間の女性の色香より、お目当ては彼女の食べているスイーツのよう。ワンちゃんの前に立ちふさがってみたが(←イジワル)、まん前に立つと横に移動し、またまん前に立つと逆に移動して、おとなしくも期待に満ちた熱い視線を美女に送りつづけるワンちゃん。たぶん脳内イマジネーションの中では、いつかお姉さんが近寄ってきて、自分の口にスイーツを近づけてくれると夢見ているのだろう。犬にとってスイーツは禁断の味らしい。芦ノ湖スカイラインで見かけたワンちゃんも、このニースのワンちゃんと、まったく同じ眼をして、同じ態度だった(こちらのエントリー参照)。ニースのワンちゃんのほうが、哀れっぽい声を出さないだけオトナかもしれない(オトナか?)。パラディス通りで、ラリックのショーウィンドウに飾られたペンダントトップがきれいだったので、思わず衝動買いをしてしまった。お店の売り子は年配の女性。接客態度は親切で、非常に感じがよかった。免税手続きをしてもらえるのかと聞いたら、大丈夫だという。値段は、195ユーロで、TVA(フランスの付加価値税。日本の消費税にあたる)が31.95ユーロ。そのうちRefund額(戻ってくるお金)が25.35ユーロだった。ペンダントトップの値段は163.05ユーロで、プラス31.95ユーロが付加価値税ということだ。 付加価値税19.6%の重みを感じた。日本の消費税一律5%は、日常必需品に対しては高いと思うが、贅沢品に対しては安すぎる。こんな軽い税負担で、国が赤字国債を発行しまくっているなんて、あまりにいびつだ。フランスも大衆に媚びて、やるべき改革ができずにいるが、日本はまったく別の理屈でポピュリズムの袋小路に迷い込み、にっちもさっちもいかないところまで国全体で突っ走ろうとしている。日本の国の財政状況は、フランスの比でなく悪いのだ。間もなく日本では、「消費税をあげなければ社会保障がもたない」キャンペーンが始まるはずだ。日本国の最重要課題は、「財政再建」「財政再建」「財政再建」なのだ。それなのに、高級官僚が天下りで多額の報酬を得ているのはズルい、貧乏な自分たちにも分け前よこせとばかりに、子ども手当てなんていう天下の愚策をありがたかっている庶民は、なんと先が見えていないことか。こんなわずかなアメをもらって財政をさらに逼迫させたら、待っているのは大幅な増税。それしかないではないか? 借金してお手当て配るなんて、根本的に間違っている。案の定、少子化対策のためのはずの子ども手当てをもらって、母親たちは、「ディスニーランドに行きたい」「旅行に行きたい」などと言っている。こうした遊興手当てをバラまくことのどこが「少子化対策」になり、「子どもは社会で育てるもの」という理念(そもそもこの理念は危険で、間違っていると思うが)に通じるのか。まったくバカげている。「消費税アップやむなし」の論調が幅をきかせ始めると、必ず例に挙げられるのがヨーロッパの高い付加価値税。だが、ヨーロッパ諸国の付加価値税は一律ではない。その話をナイナイにしておいて、「ヨーロッパの付加価値税は高い」と都合のいい部分だけの宣伝が始まったら、注意が必要だろう。ところで、このラリックのペンダントトップ、買ったときのレートは127円で、195ユーロ=24,771円だったのだが、タックスリファンドはカード口座への入金にしてもらって、25.35ユーロが日本円で2,646円にしかならなかった。旅行中のユーロは124円ぐらいの仲値で、その後急激にユーロ安になり、今の為替レートの仲値が111円ぐらいになってしまったということもあるが、それにしてもなんだかんだ手数料が高い。こちらは日本に帰ってきてすぐ、日本橋三越の催事場(笑)のジュエリーフェアで衝動買いした碌山(ろくざん)というブランドのペンダントトップ。フェアの目玉商品でチェーンつきで10,500円だと、激しい売り込みをかけられた(笑)。ペンダントとして買ったのだが、ブローチにもできる。その発想、いかにも日本人的だ。「お安いですよ~」と店員さんが太鼓判を押していたが、たしかに、ブルートパーズがつき、シードパールとマルカジットを丁寧にはめ込んだ細工の細かさを見ると、その値段はかなり安いと思う。マルカジットとシードバールについての説明は、こちら。素材と手間を考えれば、ラリックに比べてずいぶん割安だ。あとはデザインをどう考えるかだろう。碌山というブランドは知らなかったのだが、デパートの催事場に並んでいる品はどれも素晴らしかった。アンティーク復刻調のデザインで、その繊細さは日本人によく似合う。長く使える、1つもっていて損はしないアクセサリーだと思った。宣伝によるイメージアップに力を入れ、値段を高く設定することでブランド価値と高い利鞘を維持しようとするフランス。利鞘を圧縮してなるたけ買いやすい値段設定にし、価格以上の価値を間接的にアピールしようとする日本。この対照的な戦略傾向は、日仏のどんな分野のブランドにも指摘できるように思う。丁寧な創りで雰囲気バツグンのアンティーク馬車再入荷!碌山 シルバー ケシパール おとぎの国の馬車チャーム実りのブドウモチーフ碌山(A&M) シルバー 淡水パール マルカジット ブドウモチーフ ブローチ 【tokai1106sale】ちょっと大振りカットのきれいなオニキスブローチこれも一点限りの新入荷!碌山 シルバー オニキス マルカジット ブローチ