夢二財布で文庫革の良さを知る
竹久夢二伊香保記念館のショップで目に留まった、白地の革の財布。柄のデザインは夢二の作品から取ったものだという。パッと見ただけで作りの良さがわかる。ちょうど明るい色の二つ折りタイプの財布が欲しいと思ってなかなか気に入るものがなかったところだったから、渡りに船とショップの店員さんに頼み、在庫を含めて、いろいろと見せてもらう。1つ1つ微妙に違うのは、浅草の職人さんに依頼して作った文庫革だからだと店員さん。群馬の美術館で売る財布を、さほど数もいない浅草の文庫革の職人に依頼するとは… いいものだとは思ったが、さすがにここはやることに妥協がない。一番インパクトがあったのは傘のデザインで、傘の形と配置がリズミカルで斬新、かつ個性的だったのだが、これを自分が財布として持つと、いつも「雨の日」をイメージしそうなので、最初に候補から外した。最後まで迷ったのは、渦巻きになった蔓(つる)のラインと赤/ピンクの小さな花が印象的なパターン模様、それに苺をあしらった可愛らしいものの2つ。長々と考えたが、結局より大胆な「苺」を選んだ。財布をひらくと、「竹久夢二」のタグが…(笑) もはや立派なブランド。夢二本人が見たら、何と言うだろう。文庫革というのは、姫路で生産される真っ白な革に独特な加工を施した工芸品。白革に型を押し、手作業で彩色を施し、さらに漆で古びをつけるという工程を経て完成する。なぜ「文庫」なのかといえば、江戸時代に文庫と呼ばれた書類箱にこの革を貼り付けて装飾したから。どちらかというと和服の女性が持つものというイメージがあり、色柄が派手なわりには、現代的な感覚に乏しい気がして、これまで興味をもったこともなかったのだが、夢二のあどけないデザインが、「伝統工芸」的な古臭さをうまく消してくれている。それに、使ってみたら、使い勝手がとてもいい。革はしっくりと手になじむし、縫製もしっかりしているので、カードを入れても、硬貨を出し入れしても安心感がある。それでいて、コイン入れの開閉はとてもスムーズ。考えてみると、メイドインジャパンの財布って、Mizumizuはほとんど使ったことがない。革製のフォーマルな長財布はイタリア製を使うが、それでなければ、アジアのどこかで作られた適当なブランド物だ。今回、「夢二絵の文庫革」という思いがけない出会いによって、図らずもメイドインジャパンの財布の良さに気付くことになった。群馬より浅草に近い場所に住んでいながら、知らなかった。持ってみたら案外使い勝手が悪く、ガッカリする財布も多いが、今回は逆の印象だった。明るい色とデザインなので、使って楽しいのもいい。傷んできたら修理もできるという。直しながら長く使おうか。文庫革 箱まち財布(二つ折り財布) 小銭入れやカード入れもついた文庫屋 大関のレディース向け花...価格:16,200円(税込、送料込)手元を美しく演出する、職人こだわりの名刺入れ☆【送料無料】【母の日】【日本製】【本革】手...価格:7,560円(税込、送料込)