南イタリア、プーリア州の州都バーリ。ここに住む友人の家に遊びに行ったとき、最高に美味しいフレッシュチーズに出会った。
それが「ブッラータ」。見た目はモッツァレラ・ブファラ(ふつうのモッツァレラより一回り大きい水牛のモッツァレラ)を5倍ぐらいの大きさにして、巾着にしたような感じ。味はモッツァレラよりクリーミーで濃厚。実際、切ると中から生クリームがじわっとしみ出てくる。ただ、まったく日もちはしない。スーパーフレッシュなチーズなのだ。
そのブッラータを今日、なんと東京でついに見かけた! なんだかバーリでみたブッラータよりずいぶん小さくて、しかも「3000円!」。高過ぎるとは思ったが、バーリに行く予定もなし、思い切って買ってみる。「今回初めて入ってきたんです」と店員。
家に戻って袋を開けてみる。んっ? ちょっと微妙なにおい? 賞味期限は明日になっているが、もしかして味は落ちてるかな~と覚悟して、とりあえず、食べる前にパチリ。
で、ナイフで切ってみる。ところが生クリームが固まったようになっていて何も出てこない。
一口食べてゲェ~!! となった。これは腐ってる! 後味の悪さが舌に残り、慌てて吐き出す。
チーズ屋に電話したのだが、「ただいま電話に出られません。おかけ直しください」と留守電メッセージが流れて一方的に切れてしまう。店なのに、留守電対応で、メッセージも入れられないとは… ついさっき買ったときは(小さな店のクセして)、店員は3人もいたはずだ。しかも、ふだんから売り込みが非常に激しい店なのだ。完全に頭にきて、直接店に直行。クレームして返金となった。
ブッラータはあまりに日持ちしないから、日本で食べたいというのはそもそもムリなのかもしれない。いくら空輸でも現地で食べるものほど美味しいワケはない。
だが、3000円でモロに腐ったフレッシュチーズを売るとは何事だろう。そういえば(?)この店は、他店に比べて同じモノでも高い。パルミジャーノなんかは切り分けてからだいぶ日にちがたってるらしく色もよくない。
ブッラータの賞味期限は明日だった。あれも、実はムリヤリ延ばしたのかな? ほかにも腐ったブッラータを買わされた人がいるんじゃないかと気になる。
痛んでしまってはいかに元来美味しいチーズでも食べられたものじゃない(当たり前か)。まあ、ブッラータなんて、知らなければ買わないだろうし、腐りかけを知らずに食べてしまって、「まずいチーズだな、ブッラータって」なんて思うこともないかな、とは思うのだが…