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カテゴリ:Gourmet (European)
大きな仕事が終わってホッとしたときなど、なんとなく足が向かう場所がある。
御茶ノ水にある『山の上ホテル』。 もちろん泊まりに来るのではなく、食べたり飲んだりするために来る。しかも、Mizumizuが贔屓にしてるのは、ホテルのフレンチレストランでもてんぷら店でもバーでもない。コーヒーパーラー『ヒルトップ』だ。 「パーラー」なんていってるのが、そもそも相当のレトロ感がある。ここは少なくとも15年前からレトロだった。今もしっかりレトロ。いや、もうその域を超えて「アンティーク」かもしれない(笑)。 いつもクルマで来て、立体駐車場に入れる。ペニンシュラと違ってバレット代はなし(笑)。でも、従業員がちゃんと誘導してくれるし、雨の日は傘をさしかけてくれる。それなりに親切で心のこもったお出迎えをしてくれているように思う。 『ヒルトップ』の入り口にあるアイアンの門扉。職人の手作りなんだろうな。それもだいぶ古い。 水出しコーヒーの器材が置かれている。水出しも今ではそれほど珍しくなくなった。とはいえ、どこでも飲めるというほどでもない。エスプレッソとも単なるストロングとも違う、水出しならではの力強い苦味に対してMizumizuは、時々会いたくなる個性の強い親友のようなインティメイトな感情をもっている。 こちらはイチオシのコヒーゼリー。水出しコーヒーで作ったしっかり苦いゼリーに、これまたしっかりホームメード感のある上質のアイスがのっている。アイスの量もケチってない。 ここはカフェだが、コースの(というかセットというか)料理も用意されている。それもホテルとしては全然高くない。使われる洋食器は常にヨーロッパの一流ブランドのものだ。さりげなくヘレンドのシュガーポットが置かれている。 これは和洋食かな。単品のステーキ丼。薄味で、シニア世代にも食べやすく作っているよう。 スイーツも昔ながらのレシピで手を抜かず作ってある。オーソドックスでクラシカル。上の写真はサバラン。使われているお酒がよいものだということは、一口食べてみるとわかる。 気安く入れて、値段もそこそこ。味は飛び切りとはいわないけれど、信頼できるレベル。そして、ここのよいところは、シニア世代がイキイキと集っている姿があることだ。東京は今海外の一流ホテルの進出ラッシュだ。レストランも次々新しいものができる。巷では「ミシュラン」の星をどのレストランが獲得するのか噂が飛び交っている。だが、そうした新しさを求めない、必要としない客層だっているのだ。『ヒルトップ』でくつろいでいるのはそうした層だ。 『ヒルトップ』はめまぐるしさとは無縁の存在だ。昔からここにあり、昔からそれなりにはやっている。今だって、いつ行ってもちゃんとお客さんが入っている。 お茶だけ飲むのもいいし、軽く食事をすることもできる。新聞も置いてあるからゆっくり読むこともできる。上質のお皿にしっかりしたサービスと味。リーズナブルな値段。 常に変化し、流行の最先端を求め続けるのも東京なら、こうした変わらない空間が、それを心地よいと思う人に支えられてひっそりと存在し続けているのも東京。東京は常に「ヤヌス」の顔をもっている。 しかし、芦ノ湖にある『山のホテル』と名前が混ざってしまうのは、Mizumizuだけだろうか?(苦笑) 山の上ホテル物語 楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.11.11 02:24:10
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