|
カテゴリ:Travel
最上階のレストランからは、ドバイの街と海が見渡せる。
確かに大変に高いところに来ているのはわかるし、海は汚くはないのだが、絶景というほどのものでもない。やはり砂漠から飛んでくる砂塵にけむったような街だ。 ホテルも豪華なのだが、そもそもドバイには何かが足りない気がする。ビーチは整備されているが、自然の景勝地がない。ホテルの近くにモールはあるから買い物はできるが、どうもこうした場所でのショッピングはしょせんお仕着せという感がぬぐえない。ホテルは街から離れているから、ぶらっと街に出るということもできない。タクシーは安いから気軽に使えるが、だからといって街に出ても、ぶらぶらと散歩を楽しむにはちょっと暑すぎるので、すぐに冷房のきいた建物に入りたくなる。スークは完全に観光地化している。 豪華なホテルに泊まり、ビーチで寝転がり、ブランドショップで買い物し、スパやエステ、競馬などの娯楽を楽しむ。それで十分満足できる観光客にはうってつけかもしれないが、その街の豊かな歴史や自然や芸術に興味がある人間にはものたりない場所だ。 だが、ブルジュ・アル・アラブは素晴らしいホテルには違いなかった。チェックアウトの30分ほど前に、「ポーターを10時によこして」とバトラーに電話で伝えて部屋で待っていた。Mizumizuはバカンスといえば、イタリアが基本だから、ポーターがすぐ来るなんて発想はもとからない。イタリアのポーターなんて10分や15分では来やしない。どうぜホテルのエントランスまでなんだからと、「呼んで」と言ったあと、痺れを切らして自分で運んでしまったことも多い。 ブルジュ・アル・アラブでも時計の針が10時10分を過ぎてもさほど気にしなかった。ところが15分になっても来ない。これは遅いよね、と思ってもう一度、担当のバトラーに電話したら、「ポーターはすでにお客様のお部屋のドアの外で待っています」とのこと。 なんと、ベルをならしてお客のペースを乱さないよう、静かにドアの外で待っていたというのだ。ドアを開けると本当にちゃんと待っていた。 さて、荷物を預けて、チェックアウト。階ごとに控えているバトラーに「滞在はご満足いただけましたか?」と聞かれたので、「もちろん」と答えて、部屋の美しさと清潔さ、それに従業員の態度をほめまくった。「お食事は?」と聞かれて、それには「う~ん」。実は、前日のランチと翌日の朝食を取ったのだが、どちらも相当イマイチだった。不満げな表情のMizumizuを見て、「嗜好が違うからでしょうか? 寿司レストランもありますが」と言われた。 数日しかいないドバイで寿司食おうと思わないけどねぇ。寿司なら日本で食べるって。こりゃ、わかってないな、と思ったので、「フランスではフランス料理を食べるし、イタリアではイタリア料理を食べて満足するけれど、ここでの食事はあまり満足できるものではなかった」と正直に答えておいた。今後の改善点だと思ってくれればネ。「パリよりも多くミシュランの星が与えられた」と欧米のメディアが驚きをもって伝えた(パリを知ってる東京の人間からすれば驚きでもなんでもないが)東京から来たお客を満足させるのは、並大抵のことではありませんゾ。 さて、ホテルのロビーで待っていたのだが、どうも荷物がなかなか手元に来ない。荷物を手から離さない個人旅行をスタンダードとしているMiuzmizuは不安に思って、ロビーのレセプションとおぼしきデスクに立ってるにーちゃんに「荷物まだ?」と聞いたら、「お待ちください」とのこと。ソファで待ってると、別のにーちゃんがやってきて、「タクシーですか? クルマですか?」と聞く。「タクシーで」と答えると、「どちらまで?」。なんでそんなこと聞いてるんだべ? 早く荷物を持ってきてよ、と思いつつ、「空港へ」と言うと、わかったと去っていこうとする。「荷物は?」としつこく聞いたら、「ご心配なく、運びますから」とのこと。 そして、すぐまたにーちゃんがやってきて、「どうぞ」と促される。荷物は~? と不安になりつつもエントランスに向かう。タクシーはすでに来ていて、後ろのトランクが開いている。そして、トランクにちゃんとMizumizuたちの旅行ケースがお行儀よくおさまっているではないか! 「こちらでよろしいですか?」とにーちゃん。お客に荷物をもたせてロビーを歩かせたりはしないわけね。そういえば、ふつうホテルのロビーでよく目にする「荷物の山」をここではほとんど見なかった。さすが「7つ星」。ヨーロッパの5つ星ホテルにも見習ってほしいよね。 というわけで、上げ膳据え膳の旅は空港で終わり、あとは荷物は自ら引きずってチェックインしたのだった。急に身分が低くなったような気分だった(笑)。 ところで、ホテルにはアンケート用紙があり、簡単な質問のあとに自由に書き込める欄があったので、従業員の勤務態度を褒めまくっておいたら、なんと! 後日ブルジュ・アル・アラブの支配人から日本へ直接お礼の手紙が届いた。しかもちゃんと「従業員に対して高い評価をいただき、大変光栄でした」と書いてあった。しっかり読んでたのね、アンケートの書き込み。「また是非おいてください」ともあった。 こうした大型の豪華ホテルというのはどうしても「ゲストとの親密さ」が築けない。話のネタに一度行く人は多くてもリピーターは案外少ない気がする。わざわざパーソナルなレターを書いてきたのは、支配人に「リピーターを少しでも増やしたい」という気持ちがあるからではないかと思う。そりゃ、お金と時間が有り余っていたら、こちらとしてもいつでも再訪したいけどね(苦笑)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.01.18 13:06:42
[Travel] カテゴリの最新記事
|