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カテゴリ:Movie (アンドレ・ユヌベル)
アンドレ・ユヌベルという監督が、ジャン・マレー主演のコクトー作品を好きだったことは間違いない。『怪傑キャピタン』がそもそも、『ルイ・ブラス』をさらにわかりやすく大衆的にした作品といえるもので、似たシーンも多くある。
まんまコピーした、綱につかまっての振り子移動に関しては、5月24日のエントリー(『ルイ・ブラス』)と8月27日のエントリー(『怪傑キャピタン』)参照のこと。『ルイ・ブラス』では、この危険なスタントをみずからやりたがるマレーと替え玉を使うつもりだった監督の間で1時間以上言い争いになった。 そして、昨日紹介したように、『悲恋(永劫回帰)』とそっくりなショットが急に入ってきたりする。さらには、 なんと、ピエラルも登場するではないか。 ピエラルは『悲恋(永劫回帰)』では、マレー演じるパトリスに屈折した感情を抱くアシール役を演じた。表面的には悪役ながら、哀しさもあるキャラクターで、パトリスを死へと導く水先案内人でもあった(詳しくは4/12のエントリー参照)。 『怪傑キャピタン』でピエラルが扮するのはタダの悪人、天才錬金術師。肉体的なハンディのある人にこういう役をやらせるのは、今では難しいかもしれないが、ピエラルは生き生きと、楽しげにこの超悪役を演じている。 この悪人に毒を盛られた馬が暴走し、ルイ少年王(15世)は川に馬ごと落ちてあわや溺死というハメに。 それを救うのが、またしても…… 相当な高さから飛び込むド・カペスタン。ルイ少年王が落ちるシーンでは、馬だけ草と一緒に落として役者は落っこっていなかったゾ――なんて突っ込みはともかく、見事な飛び込みブリに思わず「北京オリンピックに出場?」と思ってしまった(あ、もうジャン・マレーはお墓の中か)。 スタントマンかと思いきや、水中に飛び込んで出てきた顔は間違いなくジャン・マレーだった。崖から飛び込こむところから入水、そして顔を出すまでを長いワンカットで撮ってるから間違いない。自伝では「冷水は大嫌い」と言っていたのだが……。 これでルイ少年王のハートをがっちりつかんだド・カペスタンは、「余の友となってくれ」と全幅の信頼を得て…… とルーブル宮殿の王の居室でご挨拶。 ルーブル宮殿は、空間をすべて装飾で埋め尽くす豪華さ。これぞまさしくフランス式。 一方、(自称)詩人と愛犬フランスのまさお君はといえば、宮廷に出入りするようになってゴージャスなお食事に目を奪われる。 これは「テーブルの下に隠れろ!」と命令されたまさお君が…… ご馳走ののったテーブルから離れられないお姿。一応前脚で顔を隠してご主人の命令にしたがってるつもり。 こちらは隠れ家での食事シーン。運ばれてきたスープにちぎれそうなほど尻尾を振るまさお君。ルックスでは本家日本のまさお君にはチト負けるが、性格ベクトルは同じ方向を向いている。 さて、ド・カペスタンは姿を消したリボンの騎士と対面。ところが、リボンの騎士一派は、悪人の宰相ともどもルイ少年王も廃位に追い込むべきだと考えていた。 宰相を排除することには諸手を挙げて賛成のド・カペスタンだが、ルイ少年王は守るべきだと主張してリボン一派と対立。 すると愛するリボンの騎士は…… 「……私たちは二度と会えない。意味はおわかりになるわね?」と思いつめた顔。 王か、私か――愛する美女から選択を迫られても、 「王には背けない」 と、きびすを返すド・カペスタン。 う~ん、サムライのようだ。 騎士道原則その3:なによりも主君への忠義を優先させるべし。 決して、ジャン・マレーだから美女より少年を選んだ、ってワケではない(だろう)。 こうしてリボンの騎士と気まず~く別れてしまったド・カペスタン。 そこへ金髪の美女がやって来て…… 泣いてる…… やっぱり、こっちでもイイんじゃ…… などと外野が余計なことを考えてるうちに、ド・カペスタンはフランス人形とともにリボン一派の城を訪れ、 と説得。 あっけなく説得されたリボン一派のところに悪人宰相の手下がなだれ込んできて…… 始まりました! テキは赤いからわかりやすい! 祝! 太田雄貴選手! 北京オリンピック、フェンシング男子フルーレ銀メダル!! フルーレっていまだにナニかわかりませんが……(苦笑)。 <続く> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.09.22 00:27:02
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