近ごろ銀座三越で流行るモノ――
ラデュレのマカロンと
モンシュシュの堂島ロール。
いや、「近ごろ」ではないかもしれない。この2つのスイーツの人気はずいぶん長く続いているように思う。
特に、堂島ロールの人気ぶりには目を見張る。銀座三越では、いつ行っても午前中から長い行列ができていて、プラカード(!)をもった店員が行列を整理してる。午後になると「堂島ロールは売り切れました」の張り紙が。
あの張り紙をショーケースに出すのも、宣伝になっているのかもしれない。「あ、もう売り切れているんだ」ということを通過客も否応なしに意識する。
クリームたっぷりのシンプルなロールケーキ。銀座三越には、類似品がけっこうあるのだが、マカロンがラデュレの一人勝ちであるように、このタイプのロールケーキもモンシュシュの完全なる一人勝ち状態。
堂島ロールは日本橋の三越でも売られていて、こちらの行列は銀座店よりは短い気がする。ねらい目はお昼前ぐらい。むしろ開店直後のほうが行列が長い。
行列というのは、商品の最高の宣伝だ。とはいえ、「並んでまで欲しくないな~」と思っていたのだが、たまたま行った日本橋三越で、それほど待たずにすみそうだったときがあり、買ってみた。
おかしいのは、銀座三越でしか売っていないラデュレの袋を提げて、日本橋三越のモンシュシュに来てる人がいること。銀座三越の堂島ロール行列の長さを見て、日本橋三越に回っているんだろう。それにしても、どちらも賞味期限の短いラデュレのマカロン(袋の中身はまずそれ以外考えられない)と堂島ロールの2本立てとは、ずいぶん情熱的な甘党だ。
堂島ロールの値段は1本1300円。以前はもっと安かったという話だが、あのサイズ、あのクリームの量でこの値段なら、ずいぶんお手ごろだと思う。逆に「この値段で、そんなに上質なクリームは使えないでしょ」という先入観もあった。
食べてみての正直な感想は…
最初食べたとき、ちょっと胃が疲れていたのか、案の定クリームが少しアブラっぽい気がした。全体的に強烈ではないが、やさしい甘さが印象的で、「お子様向きかな?」とも。
次に食べたときは、あ~ら、不思議。味に慣れたのか、体調が戻ったのか、最初よりずいぶん美味しく、クリームも軽く感じた。スポンジはしっかり感のある素朴な味わい。値段と味のバランスがとてもいい、庶民派スイーツという印象。
「すぐまた食べたいか」と聞かれたら、「しばらくはいいです」と答えるかな。あるいは、「あれほど行列がないなら、また買ってもいいけど、長々と並んでもう1度というほどでは…」というのが落ち着きどころだろうか。
ラデュレのマカロンのように高くないし、味もいいから、特に若い人にはお奨めだけれど、やはり銀座三越であそこまで並んでまで…となると、推奨するのはちょっと気が引ける。