アルザスの白ワインが好きだ。いや、実際にはアルザスのワインでなくてもいい。より正確には、アルザスが名産地とされるワインの白用葡萄品種に好きなものが多い。
たとえば、「
翻弄する不良少女、ゲビュルツトラミネール」。当たり外れの多いワインだが、アルザス・ドイツ・イタリア北部が名産地だ(ただ、アルザス産のゲビュルツトラミネールを日本で買って当たったためしはない・笑)。
「花のリースリング」もアルザス・ドイツが名産。これも大好きだ。ゲビュルツトラミネールのように性悪ではなく、ずっと可憐で清々しい。わざわざ「アルザス」と「ドイツ」を分けて書いたのは、アルザスがフランスだからで、ワインの名産地表示の慣例に従ったのだが、本当はアルザスは明らかにドイツ文化圏に属する地域なので、分けて書くほうがおかしいようにも思う。
ゲビュルツトラミネールのエントリーでも書いたが、アルザスの中心都市ストラスブールのスペルからして、そもそもドイツ語の地名以外の何ものでもないし、もともと住民が話していたアルザス語もドイツ語の一派だし、この地方の建築様式を見てもドイツだし、食べてるものもドイツなのだ。
こんな、どこからどう見てもドイツでしかない地方を、『最後の授業』のような「歴史解釈歪曲小説」で、あたかもフランス固有の領土であり、ドイツ人が無理にアルザスの住人からフランス語を奪おうとしたかのように世界中に言いふらしたフランス人の根性は、実にたいしたものだと思う。もともとドイツ語の方言を話していた人たちに、フランス語を最初に強要したのは誰なわけよ?
さて、このどこからどう見てもドイツでしかないフランスの地方アルザスが名産のリースリング種に、シルヴァーナ種(シャスラ種という説もある)をかけあわせたものが、ミュラー・トゥルガウ。
日本では北海道で作っている。
これは近くのスーパーで見つけた北海道余市産ミュラー・トゥルガウ(2008年)。2008年は日照時間が長く、降雨量が少なく、この10年間では最高のワインの当たり年になったという。
お値段も1000円ちょっとと、実にお手ごろ。
コルク栓を抜くと、リースリング譲りのフルーティで甘い香りが強く漂ってきた。なんでもこのワイン、ぶどう果皮からの香味成分を引き出すために、果皮と果汁を低温で接触させるスキンコンタクトを行っているのだとか。
飲んでみると、口当たりは爽やかだが、かなり甘口。酸味は控えめで、安い白ワインにありがちな、うすっぺらな酸っぱさがない。
エチケットに描かれた整列した針葉樹の風景が、実に北海道らしい。冬になると、雪原の向こうの丘に、黒ずんだ針葉樹がくっきりと列になって立つ姿が、あちこちで見られる。
グランポレールというブランド名らしいのだが、この値段でこの味を提供してくれるのなら、
他のワインもイケそうな予感がある。
コルクのデザインも可愛い。星のマークにブランドネーム、その下には葡萄の葉と蔓の意匠化。
そして、なぜか・・・
製造責任者の名前と写真まで(驚)。しかも、イケメン? なにげにポーズを取っている!?
まさか
イメージ写真
じゃあ、ないでしょうねっ。
マリアージュさせる料理やチーズは、相当限定される甘口ワインだが、何と合うのか、いろいろ試してみるのも、逆に楽しい。
クリームシチューと一緒に飲んだら、お互いの味が引き立った。
北海道余市産ミュラートゥルガウ種100%。ぶどう品種由来の果実味豊かな香りと酸味と甘さのバランスがとれた、爽やかな味わいが魅力です。『国産ワインを楽しもう!!』グランポレール北海道ミュラートゥルガウ2008
長野古里ぶどう園 カベルネ・ソーヴィニヨン [2004] ≪ 銀賞受賞!≫【化粧箱入】【 グランポレール GRANDE POLAIRE 】 サッポロワイン●第5回 国産ワインコンクール[2007]:銀賞受賞!■2004年は極めて天候に恵まれ、熟度が高く凝縮感のある 葡萄が収穫されました。 豊な