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カテゴリ:Essay
殺人的なスケジュールだった12月。 1月になったら気が抜けて、仕事のペースがガタンと落ちた。それでも、相変わらずコンスタントに仕事が入り、「南の島で休暇」というささやかな(?)夢がまた遠ざかる・・・ 12月に何か請求し忘れている案件があるような気がしていたが、案の定だった(苦笑)。新しく仕事が来て、そのクライアントさんへ12月の仕事の請求をし忘れているのに、そこで気づいた。 額が小さかったせいか、完全に抜けていて、チェックしたつもりでも気づかなかった(クライアントにとっては好都合?)。 おまけに6月から12月の外注費の源泉預かり金が、税理士事務所で計算してもらった数字と合わない。それも250円。 イライラしながら、在広島の事務所と何度か電話でやり取りし、やっと間違いを見つけた。ミスしていたのはMizumizuのほう。数字には基本的にヨワいMizumizu。もともとこの手の作業には向いていない。向いていないが、いい加減に済ませることができない性格なので、ちょっとでも数字が違うと、「ま、いいや税理士のほうが正しいだろうし」という気になれずに、双方の計算をチェックしないと気がすまない。 ごくたまに税理士事務所側の勘違いもあるのだが、だいたい間違っているのは、Mizumizu。自分が間違っているたびに、税理士事務所を巻き込んでひと騒動になる(←迷惑なクライアントだなあ)。 250円ぽっちの数字が合わないために、何時間も無駄にした。電話代だけで250円を上回っているのは必至。 この源泉預かり金、1月20日までに納めなければならず、毎年大いにムカつかせていただいている。 ムカつく理由はただひとつ。 「何でひとさまの税金をこっちが預かって、納めなけりゃならんの!」 源泉徴収という日本独特――独特かどうか、世界中の税金システムを知ってるわけではないのでハッキリ言えないが、少なくともアメリカにはないはず――のシステムのおかげで、毎年毎年、実に多くの無駄な労力と経費が使われていると思う。 企業側にしたら、源泉預かり金の計算と納付という手間。そのために人件費もかかる。源泉されるほうの手間はたいしたことはないと思うが、自己申告にもとづいて還付される場合が多いハズで、そのための事務処理と膨大な銀行の手数料がかかる。個人が追加で税金を納める場合もしかり。こうした手数料は国持ちとはいえ、それはもともと税金。 銀行ばっかり、やたらもうかるシステムだと思う。 小耳に挟んだ話なのだが、この天引きシステムは、軍国主義の時代、税務署の職員が軍人の家に税金を催促に行くと、刀を手に払わないとスゴまれ、困った役人が考え出したもので、そのときに主導的な役割を果たしたのが宮沢喜一だったそうな。 へ~ X 3 どうも「帝国軍人」を悪者に仕立てあげたいがために、誇張されたエピソードという気もしないでもないが、そんな昔に作られたシステムがいまだに続いているのにウンザリする。 経営者側から、「源泉徴収やめようぜ」的意見が発せられることもあるが、言ってるのはたいてい起業家、つまり新しく企業を興した人だ。大企業のトップが源泉無駄論を吹いてるのは、あまり聞かない。もう「そういうもの」として定着しているということなのか。 あるいは、「預かり金」を銀行にプールしている間に利息がつくので、それが大企業となれば膨大だろうし、案外「もうかってる」部分もあるということか。これは消費税についてもいえる。 しかし、こうまで企業側に面倒な事務作業を負わせ、いったん企業から納めさせた税金を、国から個人に還付するなどという二重の無駄な作業をしても、なおペイするシステムなんだろうか、これ。 つまり、源泉をせずにすべて自己責任とし、脱税に厳しく対処するという(これはアメリカ式システムだと思うが)労力に比べると、とりあえず取りっぱぐりはない源泉徴収にしたほうが、総体的に見て経費が安くあがり、かつ適正な税収を得られるのだろうか。 よくわからないが、どうもそういうマクロの視点からは議論がされていない気がするし(まあ議論しても、どっちが効率的か結論は出ないかもしれない)、財務省と銀行の癒着という面もあるように思う。 ひとさまの税金を預かって納める側からすれば、額が大きいだけに、その数字を見ただけで少々ムカつくのだ。つまり、もともとは預かってるお金なのだが、イザ自分の懐から出て行くとなると、「自分が払っている」ような、損した気分になるということ。 これは消費税を払うときも同じ。消費税は別に請求しているので、もともと払ったのはお客さんのほうなのだが、イザ自分が払う段になると、「こんなに払わないといけないわけ?」などという気になる。 この2つは気分的なものだが、日本中で源泉預かりに絡んで支払われる労力・経費は、集合体で考えると、壮大な無駄だとしか思えない。
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最終更新日
2010.01.10 01:35:29
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