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またもレア物ビデオのオークション出品のお知らせです。 アメリカで販売された(当然日本未発売)、1994年リレハンメルオリンピックのフィギュアスケート競技のダイジェストとエキシビションがそれぞれ1本ずつ、2本1セット(65分x2本)になったビデオ(DVDではありません)を楽天オークションに出品しました。 こちらです。 http://auction.item.rakuten.co.jp/10896449/a/10000008 興味のある方は、入札ください。 アメリカではオリンピック後にフィギュアスケート関連ビデオが発売になるのが恒例だったのですね。 当然字幕はありませんが・・・まあ、たいしたことはしゃべってません。 残念ながらアメリカ選手中心の作りで、日本選手はまったく登場せず。佐藤有香がショートの連続ジャンプで失敗しなければ、あるいは彼女が入ってきたかもしれませんが、エキシビションのほうにも、入っているのは1つ上の順位だったスルヤ・ボナリーまで。 <競技のダイジェスト> ナンシー・ケリガン殴打事件があった直後のオリンピックなので、トーニャ・ハーディングとケリガンの練習風景を追いかけた、貴重な映像・・・というか、余計なお世話ショットが入っています。競技はほとんどダイジェストで、比較的長く録ってくれている選手と、本当にジャンプ1つだけしか入っていない選手と、大きな差があり。 男子: 金メダリストになった若きウルマノフの衣装と奇妙なクラシック音楽の編集にビックリ。衣装はたっぷりとしたスリーブ、両肩にタッセル(色のインパクトではピンクのジョニーには負けるものの、2つくっついてるところで勝ってるな)、首もとにフリル、胸にフリル、手首にフリル・・・すごい・・・ミスター・フリルと呼んであげましょう。今ここまでのコスチュームを着たら、返ってお笑いかと。 音楽の編集は・・・なんなんだろう、これ? つながりがサッパリわからない。「これでいいのか? ロシア!」と思わず突っ込みたくなるプログラム構成。いや、よかったんでしょう、当時はこれで。エキシビションのペトレンコ(←バンクーバーでジョニーの隣りに座っていたロシア人のおじさんね)の音楽編集も、 銀メダリストになったのは、今やカナダの良心と化した(?)エルビス・ストイコ。なんと、「この1週間で初めて見た」と解説者が驚いたトリプルアクセルのパンクを演じてしまったあと、ジャンプ構成を替えて、トリプルアクセル+トルプルトゥループ、後半に単独トリプルアクセルを決めたところが、さすが。 銅メダリストになったフランスのキャンデロロのフリー演技「ゴッドファーザー」は、かなり長く収録されている。技術的には、この人は、たいしたことはやっていないのだが・・・たいしたことやっていないにもかかわらず、非常に雰囲気があり、華がある。2度のトリプルアクセルは、最後の最後にもってきた単独が大失敗。 トリプルアクセル2度は、本当に男子でも大変なのだなあ・・・ 途中、「お休み」しながらのよくわからないポーズには、アナウンサーも、「アッハッハ」。 そのほか、プロからアマチュアに復帰して参戦したカート・ブラウニング、ヴィクトール・ペトレンコ、ブライアン・ボイタノが次々にジャンプで失敗するシーンが・・・ 特にカートのインタビューでの涙、「どうしてオリンピックは、ぼくを好きになってくれないんだろう」には、しんみり。カートのショートプログラムは、小塚選手が今年演じたプログラムの源流のような現代的で洒落た作品。解説のスコット・ハミルトンも、「ぼくの意見では、このショートがベスト」と言っていた力作だったのに、難しい連続ジャンプを決めたあと、フリップジャンプでコケ、ダブルアクセルがパンクするという信じられない連鎖ミス。 ボイタノもイーグルのあと、すぐに片手をあげてトリプルルッツを跳ぶという難しいエントリーのジャンプを決めたあとに、ジャンプミス・・・ しかし、この人の男性的な力強さは凄い。 女子: 金メダルはオクサナ・バイウル。なんと公式練習でドイツのシェフチェンコ選手と激突して、脚を縫うケガを負ったのだが、その衝突直後の流血映像が入っている。アクシデントにもめげずに、まとまった演技を披露して金メダリストに。 ジョニー・ウィアー選手が感銘を受けたという、バレエ的な表現はさすが。これだけバレリーナに迫る腕の表現ができる選手は、その後ほとんど見た憶えがない・・・ コーチのガリーナさんも映っている。さほど今と変わらないような? ついさきごろ、バンクーバーでジョニーとの2ショットを見たあとなので、16年も前のオリンピックのビデオにも映っているというのが、不思議な感覚。 ナンシー・ケリガン。バンクーバーの直前に、親族の事件がニュースになってしまった人。この選手は・・・スケートの基礎は非常にしっかりしています。ジャンプもクリーンに降りて、しっかり「キメ」のポーズ入れてます。ますが、しかし・・・おもしろくもなんともない演技。これでショート1位、総合でも銀メダルまで行ってしまうのだから、フィギュアというのは評判と国力が昔からモノを言う世界だったのだな。 銅メダリストはルー・チェン(陳露)。ほんのちょっとしか出ず。アジア系はどうでもいいって扱い(アメリカ恒例)。 カタリナ・ビットも一瞬映っている。音楽はロビン・フットのよう。バンクーバーではランビエールがショートで使った。 ペア 金メダルはゴルデーワ&グリンコフ。演技に出て行く前に、ゴルデーワさんの髪を直してあげているグリンコフの姿に感動。愛が溢れていますね。ああ、それなのに・・・(以下、自粛)。 演技が始まる前の2人の見詰め合いだけで、もうあてられっぱなし。誰も入れませんね~。誰も勝てませんね~。本当に2人だけの世界です。ああ、それなのに・・・(以下、自粛)。 フリーの演技のあと、ゴルデーワが何か言っているのは、ジャンプミスが気になってグリンコフに確かめていたそうな(これは後にゴルデーワ選手自身が話していた)。でも、グリンコフの手を優しくにぎって話しかけている様子は、とてもそんなテクニカルな話をしているように見えない。本当に容姿端麗な理想のカップル。ああ、それなのに・・・(以下、自粛)。 ミシュクチョノク&ドミトリエフ なんとなんと試合の前の練習で、リフトを失敗し、ミシュクチョノクが臀部をしたたか打つというアクシデントがあったとか。コーチのタマラさん(バンクーバーで川口ペアのコーチだったロシア人女性)がインタビューで、「もう大丈夫、彼らの準備はできたわ」と答えてるシーンが入っている。 タマラさん、ガリーナさん、そしてもちろん我らがタチアナ・タラソワ・・・ロシアの女性コーチは、本当に長くフィギュアスケートの世界に貢献している。 追記:先ほど入ってきたニュースでは、ドミトリエフの息子さんがジュニア世界選手権で7位に入ったとか。1位は羽生選手。 銅メダルはカナダのブラスール&アイスラー。アクロバチックな演技が素晴らしい迫力。ただ・・・やっぱりペアはロシアでしょう、滑りの美しさが格段に違います。 アイスダンス 一番の目玉は、アマチュア復帰したトービル&ディーン。絶大な人気を誇ったイギリスの最強ダンスペアに挑んだのは、ロシアの(当時)若手グリシュク&プラトフ。タラソワが出ないかな、と思って見ていたのだが、残念ながら姿なし。 この2組の採点については・・・トービル&ディーンに反則技があったことになってしまった。あれはロシアの陰謀だったのか?(←冗談ですよ)。 <エキシビション> こちらのビデオは、エキシビション演技がかなりちゃんと入っている。今ほどショー化しておらず、照明も明るいので、見やすい。リレハンメルのエキシビションを、これだけまとめてきちんと見られる機会は、もうほとんどないと思う。その意味で、このビデオは貴重。 キャンデロロ・・・なぜか氷上で上半身裸に・・・技術的にたいしたことやってない、意味不明のパフォーマンスにもかかわらず、何をやっても会場は大ウケ。こういうスケーターが新採点システムになってからいなくなったなぁ・・・ ペトレンコ・・・ううう、このペトレンコは・・・ややメタボになりかけている。さらに、いったんプロになってエンターテイメント性を取り入れたのか、明るいダンスを披露しているのだが・・・なんというか、変な動き。氷上のニワトリと言うべきか? プルシェンコの奇妙な動きを少しスローにして重たくしたというべきか・・・ ウルマノフ・・・ううう、なぜにこの袖?? まるでウミウシを腕にくっつけて踊っているよう。ヴェルディからムソルグスキーまでゴタ混ぜの、変な音楽編集は競技と変わらず、いや競技以上。シャンプーハットを首に巻いてるのも・・・中世の貴族のイメージでせふか? このおそろしく時代がかったロシアン・センスと、モダンでシャープなブラウニングやボイタノが一緒に競技したってのが、本当にシュールな大会だ・・・どうやってアーティスティック・インプレッションに順位をつけるの? いや、幸いなことに、この大会ではジャンプのクリーンさが重視されたので、採点に特に不公平感はなかったのだ。「勝つために確率の悪い大技は跳ばない」なんて選択肢は、誰も考えていなかった時代。 バイウル・・・サンサーンスの「白鳥」は、素晴らしい。彼女はこのころが人生でも、演技の面でもピークだった。アメリカでのその後の生活は・・・(以下、自粛)。 ケリガン・・・これが銀メダリストかあ・・・きれいに滑ってはいるものの、あまりに単調。ジャンプも決まらない(試合で力を使い果たした?)。ワンパタなポーズを何度も繰り返すのは、バンクーバーのあの選手やこの選手のよう・・・ トービル&ディーン・・・なんと名作「ボレロ」を披露している。 ミシュクチョノク&ドミトリエフ・・・ペアなのに、アイスダンスのよう。独創的な世界観には、見ているこちらも完全陶酔。 デススパイラルに入るときのミシュクチョノクの神秘的な表情にも目が釘付けに・・・ペアとしては、ミシュクチョノクがややオーバーウエイト気味なのだが、独創的な音楽使いといい、ムーブメントといい、芸術性が抜きん出て光るエキシビションナンバー。まさしく永久保存するにふさわしい傑作。 ドミトリエフはこのあと、パートナーを若くスリムなカザコワに換えて、長野で金を獲った。技術的には長野での演技のほうがキズの少ない正確な演技だったけれど、作り出す雰囲気でミシュクチョノク時代を凌ぐことはなかった。カザコワ&ドミトリエフは「ペア練習用模範演技」のようだった。 ゴルデーワ&グリンコフ・・・何も言えません。ベストオブベスト。ペアに3回転ジャンプ、要らないでしょ。この人たちを見ていると、シングルでやればいいそういう技は、ペアにはむしろ邪魔に思えてくる。 氷の上に瓢箪形のトレースを描きながら、2人が交差したり離れたりする場面がある。このスケーティング、バンクーバーの金メダルペアもフリーでやっていたのだが・・・ハッキリ言います、雲泥の差。 ブラスール&アイスラー・・・ペアのアスレチックな魅力を存分に味わわせてくれる。ブラスールの思いっきりのいいパンツのラインも・・・ゴホゴホ・・・
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最終更新日
2010.03.14 15:07:23
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